2.オプション取引の利点

オプションの買い手は損失の限定が可能

オプションの買い手は、自分に不利な場合は権利を放棄できるので、買い手が被る損失額は支払ったプレミアムに限定されます。 コールオプションの買い手が見込める利益は、理論上、無限大となり、プットオプションの買い手が見込める利益は、理論上、原資産の価値がゼロになるまで増大することになります。

一方、オプションの売り手にとっては、この関係が逆になり、利益はプレミアムに限定されますが、コールオプションの売り手の損失は、理論上、無限大となり、プットオプションの売り手の損失は、理論上、原資産の価値がゼロになるまで増大することになります。

コールオプションの場合

今後、原資産が上昇すると予測する場合は「コールの買い」を行い、原資産が一定の価格以上には上昇しないと予測する場合には「コールの売り」を行います。

コールオプションの買い手は、満期日前の反対売買によって損益を確定することもできますし、満期日の権利行使もしくは権利放棄によって損もしくは益を確定することもできます。
満期日にはSQ値によって決済(SQ決済)されますが、【SQ値>権利行使価格】(イン・ザ・マネー)の場合は権利行使を行い、【(SQ値-権利行使価格)×建枚数×1,000-手数料】を受け取ります。満期日までに利益がでる状態にならずに満期日を迎えた場合〜【SQ値=権利行使価格】(アット・ザ・マネー)と【SQ値<権利行使価格】(アウト・オブ・ザ・マネー)の場合〜は、権利放棄することによって、当初支払ったプレミアムと手数料の合計が損失として確定することになります(それ以上の支払いはありません)。

コールオプションの売り手は、買い手と同様に、満期日前に反対売買することができます。反対売買せずに満期日を迎えた場合は、SQ値によって最終的な損益が確定します。
最終的な損益が利益となるのは、【SQ値=権利行使価格】(アット・ザ・マネー)と【SQ値<権利行使価格】(アウト・オブ・ザ・マネー)の場合です(※)。コールオプションの買い手の権利が消滅しますので、当初受け取った【プレミアム-手数料】が利益となります。一方、【SQ値>権利行使価格】(イン・ザ・マネー)の場合は、コールオプションの買い手が権利行使しますので、売り手は必ず権利行使を受けなければなりません。そのため、【(SQ値-権利行使価格)×建枚数×1,000+手数料】を支払うことになります。

  • 売建した際のプレミアム価格とSQ値次第では【SQ値>権利行使価格】(イン・ザ・マネー)の場合でも利益になる場合があります。
  損失 利益
コールオプションの買い手 プレミアムに限定 無限大
コールオプションの売り手 無限大 プレミアムに限定
  • 手数料等は考慮していません。

1.コールの買い

1.コールの買い(損失限定・利益無限大)

2.コールの売り

2.コールの売(損失無限大、利益限定)

プットオプションの場合

今後、原資産が下落すると予測する場合は「プットの買い」を行い、原資産が一定価格以下には下落しないと予測する場合には「プットの売り」を行います。

プットオプションの買い手も、満期日前の反対売買によって損益を確定することもできますし、満期日の権利行使もしくは権利放棄によって損もしくは益を確定することもできます。
満期日のSQ決済では、【SQ値<権利行使価格)】(イン・ザ・マネー)の場合は権利行使を行い、【(権利行使価格-SQ値)×建枚数×1,000-手数料】を受け取ります。満期日までに利益がでる状態にならずに満期日を迎えた場合〜【SQ値=権利行使価格】(アット・ザ・マネー)と【SQ値>権利行使価格】(アウト・オブ・ザ・マネー)の場合〜は、権利放棄することによって、当初支払ったプレミアムと手数料の合計が損失として確定することになります(それ以上の支払いはありません)。

プットオプションの売り手は、買い手と同様に、満期日前に反対売買することができます。反対売買せずに満期日を迎えた場合は、SQ値によって最終的な損益が確定します。
最終的な損益が利益となるのは、【SQ値=権利行使価格】(アット・ザ・マネー)と【SQ値>権利行使価格】(アウト・オブ・ザ・マネー)の場合です(※)。プットオプションの買い手の権利が消滅しますので、当初受け取った【プレミアム-手数料】が利益となります。一方、【SQ値<権利行使価格)】(イン・ザ・マネー)の場合は、プットオプションの買い手が権利行使しますので、売り手は必ず権利行使を受けなければなりません。そのため、【(権利行使価格-SQ値)×建枚数×1,000+手数料】を支払うことになります。

  • 売建した際のプレミアム価格とSQ値次第では【SQ値<権利行使価格)】(イン・ザ・マネー)の場合でも利益になる場合があります。
  損失 利益
プットオプションの買い手 プレミアムに限定 原資産の価値がゼロになるまで増大
プットオプションの売り手 原資産の価値がゼロになるまで増大 プレミアムに限定
  • 手数料等は考慮していません。

3.プットの買い

3.プットの買い

4.プットの売り

4.プットの売り

高いレバレッジ効果

現物の株式投資に比べてオプション取引は投資効率が良く、高い利益を生むことが可能です。

例えば、A株を原資産とするオプション取引で考えてみましょう。
ここでは、話を単純化するために、プレミアムが「本質的価値」のみで構成されているものとして話をすすめます。

A株の市場価格が50万円で、権利行使価格45万円のコールオプションの本質的価値は、50万円(市場価格)-45万円(権利行使価格)=5万円です。・・・時点1

もしこのオプションの満期日までにA株が10%上昇して55万円になっていたら、このオプションの本質的価値は、55万円(市場価格)-45万円(権利行使価格)=10万円となります。

ここで、時点1で買ったオプションを転売すると、利益は、10万円(転売価格)-5万円(購入価格)=5万円となり、A株の上昇率は10%にもかかわらず、オプション価値の上昇率は100%となります。つまり、A株にそのまま投資するのに比べ10倍のレバレッジ効果があるわけです。

  • 上の例のプレミアムは、コールオプションの買い手の利益となる「本質的価値」(原資産の市場価格-権利行使価格)のみだけで構成されると考えた場合の例です。実際のプレミアムは「本質的価値」と、満期までの収益機会を加味した「時間的価値」とで構成されています。したがって満期を迎えるまではプレミアムは本質的価値よりも必ず大きくなります。

有効なヘッジ手段

一般的に、保有株式の値下がりリスクのヘッジに同一の銘柄を原資産としたプットオプションの買いを入れれば、値下がりリスクをヘッジした上に、値上がり益を追求することができます。
このようにオプション取引はヘッジ機能にも利用できます。

  • 松井証券では、個別株オプションは取り扱っておりません。

関連リンク

異なるオプションを組み合わせて行う、オプションの代表的な投資戦略についてご説明します。

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