株主優待を狙って優待銘柄を買付したら、権利落ち後に株価が下落してしまい、結果的に損をしてしまったという経験はありませんか?そんな時に役に立つのが「クロス取引」です。
ここでは、株主優待を株価の下落リスクを回避して手に入れられる、「クロス取引」の手法をご紹介します。優待取りのための「クロス取引」を上手く活用して、投資の幅を広げてみてはいかがでしょうか。

信用売りを活用した「クロス取引」とは、現物取引と信用取引を同時に行う取引手法です。
権利付最終日までに「現物取引の買い」と「信用取引の売建」を同じ値段で同時に行い、権利落ち日に「現渡(げんわたし)」という方法で決済します。
株価が下落すると、現物株式は損が出ますが、信用取引の売建玉は利益が出るため、クロス取引を活用すれば株価変動の影響を受けることなく優待を手に入れることができます。

(1)権利付最終日 : 現物株を保有しているので株主優待の権利をゲット!
(2)権利落ち日 : 「現物買いの損」と「信用売りの利益」が相殺されるため、株価下落の影響なし。

信用売りを活用した「クロス取引」は現物買いと信用売りを同時に行う取引ですので、現物取引の手数料以外に、信用取引の手数料や貸株料などがかかります。
主な取引コストは次のとおりです。
| 売買手数料 |
現物買い、信用売りをする際の手数料です。 |
| 信用取引の貸株料 |
信用売りは株を借りて売る取引なので、株を借りた日数分だけコストがかかります。 |
逆日歩 (品貸料) |
制度信用取引の場合、信用売りをしている銘柄が株不足になると、追加のレンタル料が発生することがあります。このレンタル料が逆日歩です。 逆日歩が発生した場合、信用売りをしている人は逆日歩を支払い、信用買いをしている人は逆日歩を受取ります。 優待の人気が高い銘柄などは、突然高額な逆日歩が発生することがあるため、注意が必要です。 |
| 配当相当額の支払い |
配当のある銘柄を信用売りした場合、信用買いをしている人に対して配当相当額の支払いを行う必要があります。クロス取引をする場合、「信用売りで支払う配当相当額」と「現物買いで受け取る配当金」の差額が実際のコストになります。
※取引口座の状況などにより、税額が還付される場合があります。 |

実際に松井証券の制度信用取引を利用して、「第一興商(7458)」をクロス取引した場合、取引の流れやコスト等は次のとおりです。
■第一興商(7458)のクロス取引シミュレーション
【2013年3月26日(火)権利付最終日】
現物買い注文と制度信用売り注文を100株ずつ、寄付前に成行で発注。
現物買い、信用売りがともに2,505円で約定したと仮定。
<コスト>
売買手数料・・・1,050円
※1日の約定代金合計50万円超100万円までは1,050円
【2013年3月27日(水)権利落ち日】
現渡で決済を行う。
<コスト>
売買手数料・・・0円(現渡は手数料無料)
貸株料・・・・・・・31円(2,505円×100株×1.15%×4日÷365日)
逆日歩・・・・・・・270円(0.90円×100株×3日)
※2013年3月末は受渡に土日を挟んだため、貸株料4日分、逆日歩3日分が必要
【2〜3カ月後】
現物株の配当金を受取り、信用配当金が徴収される。
<コスト>
配当金の受取り・・・・・・・・3,145円(35円×100株×89.853%(※1))
信用配当金の支払い・・・・3,250円(35円×100株×92.853%(※2))
差引コスト:105円(3,145円−3,250円)
※1上場株式等の配当の源泉徴収税率
※2配当落調整額算出時の調整率
【2〜4か月後】
「ビッグエコー」店舗、「ウメ子の家」・「びすとろ家」・「東風家」等飲食店で使える「優待チケット5,000円相当」が届く。
- ※株価は2013年3月26日始値、配当金や逆日歩は2013年3月の配当実績を基にしています。売買手数料は他に取引がないものとして計算しています。税率は2013年3月時点のものです。
- ※配当金・株主優待は、2013年3月時点の情報であり、変更が生じる可能性があります。
- ※上記の取引例は個別銘柄を紹介していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
- ※取引の一例であり、相場状況等によっては例示の取引が行えない場合があります。