貸株って?

2018年10月20日、松井証券が
新たに貸株サービスを開始しました。
そこで、自身も「貸株をやっている」という
個人投資家のDAIBOUCHOUさんが、
松井証券の担当者を直撃!
自らの体験を踏まえつつ、
貸株サービスについての
詳細を聞き出します。

個人投資家 DAIBOUCHOUさん×松井証券 種田真二

DAIBOCHOUさん
PROFILE
DAIBOUCHOUさん
株で200万円の元手をわずか数年で10億円に増やし、一躍脚光を浴びた個人投資家。
ライブドアショック後に大きく資産を減らしたものの、投資手法を見直したことで見事カムバックを果たした。
現在は、割安成長株や株主優待株、高配当株を中心に運用。
対談イメージ1
DAIBOUCHOUさん
今日はよろしくお願いします。松井証券さんは、今回新たに貸株サービスを始められるということですが、貸株を知らない人もいるかもしれないので、仕組みを簡単に教えてもらえますか?
種田
貸株というのは、投資家さんが保有している株を証券会社が一時的にお借りして、その代わりに貸株金利をお支払いするサービスです。金利は銘柄ごとに証券会社が定め、高いものだと年利10%以上の銘柄もあります。

SERVICE貸株サービスの仕組み

仕組み
対談イメージ2
DAIBOUCHOUさん
それだけ金利が高いのは一部の銘柄だけだと思いますが、それでも年利10%以上はすごいですね!
種田
弊社の貸株サービスの具体的なスペックは、こちらの表の通りです。
松井証券の貸株サービスのスペック
最低金利(年利) 0.2%
最高金利(年利) 上限なし
対象銘柄 指定なし
(2018年10月時点では約1,000銘柄)
利用条件 貸株口座を開設
※信用取引口座が未開設
対象銘柄・金利の更新 週1回
DAIBOUCHOUさん
ありがとうございます。これを見ると、やっぱり気になるのは最低金利が0.2%という点ですね。他の証券会社だと、0.1%からというところが多いじゃないですか。
種田
そうですね、松井証券の貸株サービスは対象銘柄を厳選することで、最低金利を高めに設定しています。

私は0.5%以上の金利がもらえる株だけ貸しています。
貸株金利が低いと旨味も少ないですし。

種田
DAIBOUCHOUさんは、貸株サービスを利用されているんですか?
DAIBOUCHOUさん
はい、やってます。メインで使っている証券会社は貸株金利0.1%からですが、私は保有銘柄の中で0.5%以上の金利がもらえる株だけ貸しています。貸株金利が低いと旨味も少ないですし、貸した先の証券会社が潰れたら基本的に貸した株は戻って来ないっていうリスクがどうしても発生するので。証券会社が潰れるリスクなんてものすごく低いと思いますけど、それでも自分の保有している全銘柄を貸すことはしたくないです。なので、金利が0.5%以上を目安にして、ある程度の利益がある銘柄だけ貸したいと考えてます。
種田
なるほど。貸株する銘柄は、完全に金利だけで決めているんですね。 たとえば、「含み損が出ている銘柄を少しでもカバーするために貸し出す」というのはありますか?
DAIBOUCHOUさん
いや、それは一切意識しません。それとこれとはまったく別の話なので、純粋に金利だけで見ています。 あと、まったく別の話として、1,000株持っているうち900株だけ貸し出す、という場合もあります。
種田
もしかして、長期保有の優遇がある株主優待銘柄ですか?
DAIBOUCHOUさん
その通りです、さすがですね(笑)。貸株で株を貸すと、株の名義がいったん貸した先に移ってしまうので、株主優待の長期保有の優遇が受けられなくなってしまうじゃないですか。でも、株主優待がもらえる最低株数だけ手元に残しておけば、株主としての期間は継続されるので、長期保有の優遇を受けることができますから。
種田
それは頭の良い方法ですね。
対談イメージ3

実は、今使っている証券会社の貸株サービスは
「権利取得優先」のような設定ができないんです 

対談イメージ4
DAIBOUCHOUさん
松井証券さんでも、銘柄ごとに貸し出す株数を設定することは可能ですか?
種田
はい。銘柄ごとに貸出株数と権利取得に関する設定を選ぶことができます
DAIBOUCHOUさん
貸し出し方っていうのは、この3通りのやつですよね。これはいいと思います!
実は、今使っている証券会社の貸株サービスは、「貸株金利優先」と「株主優待優先」の設定はできるんですが、「権利取得優先」のような設定ができないんです。
なので、放っておくと株主優待はもらえるのですが、配当金の一部が貸株配当金相当額でもらうことになってて。こっちとしては、配当金相当額ではなく配当金としてもらいたいんですよね。

SELECT松井証券では3通りの設定から選択可能

  1. 貸株金利優先

    権利確定日であっても貸株を継続することで、貸株金利を最大限受け取ることができる。株主優待は受け取れず、配当金は貸株配当金相当額として受け取る。

  2. 株主優待優先

    株主優待を取得できる権利確定日前に自動的に貸株を解除することで、株主優待を受け取ることができる。優待権利月以外に発生する配当金は、貸株配当金相当額として受け取る。

  3. 権利取得優先

    権利確定日前に必ず、自動的に貸株を解除することで、株主優待と配当金の両方を受け取ることができる。

※QUICK社の優待情報をもとに適用されます。また権利月が「毎月」の銘柄については、設定が有効になりません。

種田
そういう個人投資家さんは多いんですか?
DAIBOUCHOUさん
配当金相当額は、税金の処理が面倒くさいんですよ。たとえば1万円の配当金の場合、特定口座にしておけば2割源泉徴収されて8000円が振り込まれ、それで終わりです。でも、貸株配当金相当額は「配当所得」ではなく「雑所得」の扱いになるので、8000円が振り込まれるまでは一緒なのですが、そのまま申告すると、8000円に対する所得税まで取られてしまいます。いわゆる二重課税ですね。私はそれを防ぐために、「1万円で所得申告をして、2000円は証券会社の方で源泉徴収済み」という形で申告していますが、ややこしいし面倒で……。
※確定申告に関する詳細は、所轄の税務署または税理士にご確認ください。
DAIBOUCHOUさん
あと、配当金だと株の損益と相殺ができるのでその分税金を抑えられますが、配当金相当額だとそれができません。その辺りを考えて、配当金相当額を貸株のデメリットとして挙げる個人投資家は多いと思います。実際、権利確定日前に手動で貸株から外している人もいます。手間ですけど、それだけ貸株のまま権利確定日を迎えるのがイヤなんですよ。
種田
なるほど。松井証券では「権利取得優先」を選択すると、権利付最終日前に自動で貸株の設定が外れるので、配当金をそのまま受け取りたいお客様にとっては使い勝手が良いと思います。
対談イメージ5
DAIBOUCHOUさん
それはいいですね。あと、全部貸してしまうと、株主総会に行けないのもデメリットかと。株主総会って行くとけっこうお土産なんかももらえるから、出たがる人が多いんです。株主総会は個人投資家の楽しみのひとつ。私も実際に行く行かないは別として、出席できる権利だけは持っていたいです。
種田
そういう方にとっても「権利取得優先」の設定は便利だと思います。
DAIBOUCHOUさん
そうですね。基本的には「権利取得優先」を選んでおけば、間違いない感じですね。ただ、金利が高いやつって、配当がなくてすごい成長中の割高銘柄が多かったりするので、その場合は「貸株金利優先」が一番有利かも。
ご注意
  • ・信用取引口座を開設済みのお客様は、当サービスを利用できませんので、ご注意ください。
  • ・NISA口座で保有している銘柄、外国株は貸株サービスの対象外です。取扱銘柄は取引ルールをご確認ください。
  • ・「株主優待優先」の設定は株式会社QUICKの情報をもとに判定します。QUICKの情報に含まれていない株主優待や、保有期間・数量等の取得条件については、設定の対象外となります。
  • ・「権利取得優先」で個別に貸し出さない株数を設定していても、当該銘柄が貸株サービスの対象銘柄から外れた後、再度対象銘柄となった場合など、再設定が必要になる場合があります。詳細は取引ルールをご確認ください。

貸株口座を開設すれば、
それ以降に買った株はすべて貸株に出されるんですか?

対談イメージ6
DAIBOUCHOUさん
3つの設定は、いつでも自由に変更できるんですよね?
種田
はい。基本的には、貸株口座を開設したときに3つの設定の中からひとつ選んでおけば、新しく買い付けた株は自動的にその設定で貸し出されます。
DAIBOUCHOUさん
貸株口座を開設すれば、それ以降に買った貸株の対象銘柄はすべて貸し出されるんですか?
種田
その通りです。設定を変えたり、貸株を解除したり、1,000株のうち100株だけ貸さずに残したりという場合は、個別に設定します。
DAIBOUCHOUさん
株を売るときも、そのまま売ってしまっていいんですか?
種田
通常と同じように売っていただければ、自動的に貸株が解除になり売却されます。
DAIBOUCHOUさん
つまり、貸株口座を開いて「権利取得」に設定さえしておけば、あとは何もせず普通に売買するだけで、配当や株主優待をもらいながら貸株金利も入ってくる、と。あ、株主優待の長期保有の優遇があるときは、一部を残さないと駄目か。
でも、たったそれだけで、プラスαのお金がもらえるっていうのは嬉しいですね。

仮に300万円分の株を貸していたら、1%で年3万円
ちょっとしたお小遣い程度にはなりますね

種田
DAIBOUCHOUさんが貸している株は、金利はどれくらいが多いですか?
DAIBOUCHOUさん
中には金利が高い銘柄もありますが、多いのは1%くらいですかね。だから、仮に300万円分の株を貸していたら、1%で年3万円。ちょっとしたお小遣い程度にはなりますね。仮に貸株金利が0.2%でも、300万円なら年6,000円。銀行に預けても年0.01%とかしか金利が付かないことを考えると、よっぽどいいです。
※株価の変動および税金は考慮していません。貸株金利の計算方法の詳細は、取引ルールをご確認ください。
種田
株には値下がりリスクがありますが……。
DAIBOUCHOUさん
もちろん株は値下がりすることもありますが、もともと何らかの目的があって持っていた株を貸すだけなので、貸株をすることでリスクが高まるわけではありません。本当にオマケみたいなものです。貸株することで発生するリスクは証券会社がつぶれることくらいで、その点では銀行と同じなのに、金利は銀行の何十倍、何百倍ももらえます。いいサービスだと思いますよ。

IMPRESSIONDAIBOUCHOUさんの感想

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今回お話をうかがって、やっぱり貸株っていいサービスだとあらためて思いました。株式投資の利益って値上がり益と配当がメインで、そこに株主優待が加わってきましたが、さらに第4の利益として貸株があるんだと思います。確かに貸株金利としてもらえる金額は他の利益に比べると小さいですが、デメリットもほとんどありません。さらに手間もかからない。そう考えると、貸株をやらないのはもったいないと思います。