
テスタ氏
2005年から元手800万円で株を始め、スキャルピングで全体相場の動向にさほど影響されることなく、資産を増やし続けてきた。特にここ数年は億単位で大きく稼ぎ、これまでの累積利益は約18億円に。最近は、資産の拡大を踏まえて、スイングや中長期スパンのファンダメンタルズ投資など、時間軸の異なるトレードにも手を広げている。

松井証券
シニアマーケットアナリスト
窪田朋一郎
2001年、松井証券に入社。マーケティング部を経て現職。
ネット証券草創期から株式を中心に相場をウォッチし続け、投資家動向にも詳しい。
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最近、テスタ氏が手掛けた銘柄や手法は?
時価総額が大きすぎず、小さすぎもしない銘柄に照準

窪田 今年上半期はゲーム株を中心に攻略したとのことですが、具体的にはどのような銘柄を売買したのでしょうか?
テスタ 僕が主に用いているスキャルピングという手法では、その日のうちにできるだけ株価が大きく動くことが重要 となってきます。日経平均株価やトヨタ自動車が1日に10%以上動くことは滅多にありませんが、中小型の盛り上がっている銘柄ならよくあることです。たとえばゲーム株なら、任天堂やミクシィ、ガンホー・オンライン・エンターテイメント、DeNAなどは、時価総額が千億~兆の単位で大きすぎて手掛けづらい。百億台の前半だと理想的ですが、アカツキのように百億台の後半でも妙味があったものには資金を投入します。もちろん、時価総額が小さすぎると大きな資金を入れるのが困難で、数十億台の銘柄では板が薄すぎてなかなか手を出せません。平均すると1つの銘柄に投入するのは1億円ぐらいの資金で、自信の度合いに応じて増減しています。何が起こるかわかりませんから、1銘柄に対してむやみに大きな資金を入れすぎるのは考えものでしょう。
未来に大きな期待をもてる銘柄に注目

窪田 特に盛り上がったのは、どのようなゲーム株でしたか?
テスタ 一例として挙げられるのがKLabですね。今までこの会社のゲームは当初の予定よりもリリースが遅延しがちだったのですが、「キャプテン翼」という誰もが知っているコンテンツがランキングで高位につけているのに加えて、次の大作も予定通りに出る可能性が高まったことから市場で注目されました。そもそも大相場が始まったのは、こうした話題作の投入前から好決算となったことが好感された地点からです。ただ、これはゲーム株に限ったことではありませんが、現時点で実績を上げているケースよりも、未来に大きな期待をもてるケースのほうが株価は上がりやすくなります。もちろん、期待が過剰だったら、いずれ大きな調整が待っていますが、目先の上昇は派手になりやすい。僕が今年前半にかなり儲けたアエリアという銘柄にしても、期待が高まって一気に上昇したものの、決算が出てから大きく調整が入りました。ゲーム株以外では、トレイダーズやエス・サイエンス(旧志村化工)も材料がらみで6月から7月にかけて急騰したので、そういった動きに乗っていきました。やはり買われすぎていたようで、どちらもその後は売り込まれていますね。
その日に攻める銘柄はどうやって選んでいる?
仕掛けるべき銘柄をいち早く察知できるデイトレ適性ランキング

窪田 その日にトレードのターゲットとする銘柄は、どうやって探し出しているのでしょうか?
テスタ 長い時間軸で保有するのは怖い銘柄であっても、ファンダメンタルズを無視して短期的に急騰するケースはよくあります。つまり、投機的な資金が殺到しているわけで、そういった銘柄はトレーダー同士のツイッターなどでも話題に上っています。スキャルピングのように 短い時間軸のトレードでは、足元の需給に注目するのが一番ですね。
窪田 ネットストック・ハイスピードやQUICK情報、ネットストック・スマートで見られるデイトレ適性ランキングもぜひ参考にしていただきたいですね。足元の値動きが大きく、相応の出来高を伴って流動性も高い銘柄がランキング表示されるようになっています。引け後もデータを閲覧可能です(前場ランキングは9時00分〜29時35分、後場ランキングは12時30分〜36時29分まで)。
テスタ なるほど、それなら翌日の銘柄選びの参考にもなりそうですね。
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スキャルピング以外の手法はどう使い分けている?
資産の増加に伴い、異なる時間軸の組み合わせが重要に

窪田 最近はスキャルピングだけにとどまらず、スイングや中長期スパンのトレードにも手を広げているようですね。
テスタ 昨年までは利益の9割程度をスキャルピングで稼いできましたが、資産が増えるに従って、異なる時間軸の投資を組み合わせる必要性を感じるようになりました。だから、ゲーム株にしても課金ランキングが急上昇していたり、大きなイベントを控えていたりする銘柄に短期の時間軸で先回り買いを仕掛けるだけでなく、ファンダメンタルズに注目して中期的な時間軸でも資金を投入しています。国内では利益率が下がっていても、実は米国や中国で人気ランキングが上昇中で、海外での成長が見込まれるゲーム会社が少なくありません。
信用取引を活用して取引の幅を広げよう!

窪田 最後に、これから信用取引を始めるという人にアドバイスをいただけますでしょうか?
テスタ 僕は大事な資金をできるだけ減らしたくなかったから、デイトレの中でも特に時間軸が短く、想定外の動きに巻き込まれにくいスキャルピングという手法に辿り着きました。もっとも、この手法では小さな利益をコツコツと積み上げていくしか術がありません。それだけに、スキャルピングをはじめとするデイトレでは、約3倍の資金を動かして一日に何度も取引できる信用取引が不可欠です。現に、億超えを果たしたトレーダーのほとんどが信用取引を積極活用しています。ただ、実はたった1日で無価値になることもありえるのが株の世界で、ストップ安を連発してさっさと投げたいのに売れないという事態も起こりうるものです。また、自分のこれまでの経験則だけで判断するのも危険なので、リーマンショックやライブドアショックなどがどのような値動きだったのかについても振り返っておいたほうがいいでしょう。そのうえで、ショック的な動きに巻き込まれても致命傷を被らないように、リスクをきちんと計算してコントロールを図ることが大事です。
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