日経平均株価に連動する株/しない株

日経平均株価に連動する株/しない株

9月の株式市場は、月間を通してみると大きく上昇した月となりました。月初は、米中間の貿易摩擦激化を嫌気した売り物が続き、日経平均株価は23,000円手前でもみ合う展開が続いていました。しかしながら、9月18日(火)に米国が中国からの2,000億ドル相当の輸入品に追加関税をかけることを発表すると、株式市場は一転して上昇に転じました。市場は懸念を深めていたのに、なぜ上昇に転じたのでしょうか?その答えの一旦は、9月のFOMC後のパウエルFRB議長の記者会見から読み取れます。

米中間の貿易紛争の影響を質問されたパウエル議長は「経済指標からは、現時点で何が起こっているか読み取るのは難しい。直近では、影響は小幅にとどまる。企業から懸念の声が上がっているものの、企業の信頼感など我々が測定できるほどの影響は現れていない」と回答しており、アメリカ側の影響は限定的となっていると考えられます。もう一方の中国側は影響が出ているものの、政府は金融緩和や財政支出に動き始めており、景気の失速は免れています。そのため、米中貿易紛争により、世界景気が失速すると見て売っていた向きは買い戻しを迫られているのです。

投資部門別売買動向をチェック

投資部門別売買動向をみると、年初から大きく売り越していた海外投資家が、9月の第三週から大きく買い越していることが分かります。海外投資家の年初からの売りは、現物・先物合わせて7兆円近くに達していたため、世界景気への影響がこのまま限定的であれば、更なる買いも期待できそうです。

投資部門別売買動向

  • 東京証券取引所発表の投資部門別売買状況(株式)データから松井証券作成。2018年9月28日時点。
  • 日経平均株価(c)日本経済新聞社

日経平均株価との連動性を見てみよう

さて、今回は対日経平均β値のランキングです。対日経平均β値とは「過去の取引日において、当該銘柄の値動きが日経平均の値動きと、どの程度連動していたか」を表す指標です。今回は、過去36ヵ月のデータで算出してみました。(時価総額3,000億円以上)

対日経225 β値(36ヵ月)が高い10銘柄

No. 銘柄コード 銘柄名 対日経225 β値
1 3436 SUMCO 2.10
2 6471 日精工 2.02
3 6473 ジェイテクト 2.02
4 8750 第一生命HD 1.93
5 7261 マツダ 1.89
6 8795 T&D 1.89
7 8604 野村 1.82
8 5334 特殊陶 1.82
9 6770 アルプス 1.81
10 8306 三菱UFJ 1.77

対日経225 β値(36ヵ月)が低い10銘柄

No. 銘柄コード 銘柄名 対日経225 β値
1 2782 セリア -0.40
2 9627 アインHD -0.24
3 4587 ペプドリ -0.20
4 2413 エムスリー -0.14
5 8876 リログループ -0.03
6 2127 日本M&A -0.03
7 9783 ベネッセHD 0.04
8 4508 田辺三菱 0.04
9 4581 大正薬HD 0.04
10 3391 ツルハHD 0.05
  • 市場データより松井証券作成。

これを見ると、連動性が高い銘柄には輸出関連株が多いことが分かります。1位のSUMCOは半導体向けシリコンウエハの大手で、海外比率は77%に上ります。2位でベアリング国内最大手の日本精工も海外比率は64%と高くなっています。日経平均株価が上昇する際には、同時に円安が進むことも多く、このような銘柄には日経平均株価以上に上昇する傾向が表れているのです。
一方、連動性が低い銘柄には内需関連株が目立ちます。1位のセリアは100円ショップ国内2位の企業で、販売する商品の多くを輸入に頼っています。2位のアインホールディングスは調剤薬局大手で需要が安定しており、景気動向の影響を受けづらい内需関連企業です。

前述したとおり、現在のマーケットは米中貿易紛争の影響がどの程度広がるかがポイントになっていますが、影響が限られると見るのであれば対日経平均β値上位の銘柄、影響が広がると見るのであればβ値が下位の銘柄が投資候補になるといえます。日経平均そのものを売買する方法もありますが、個別株志向の方は、このランキングを参考にしてみてください。

松井証券シニアマーケットアナリスト 窪田朋一郎

2001年、松井証券に入社。マーケティング部を経て現職。
ネット証券草創期から株式を中心に相場をウォッチし続け、投資家動向にも詳しい。

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