FXの取引で使われる4時間足とは?利用するメリットやデメリット

2024/1/11

FXでの4時間足とは何を表しているのか、初心者の場合ピンとこないことも多いでしょう。「時間足」とは、時間単位のローソク足のことです。時間足には1分足や5分足など短い刻みのものがあるほか、年足・週足・日足などがあり、取引スタイルや分析の仕方によって使い方は様々です。本記事では4時間足の概要や、4時間足を使用した取引のメリット・デメリットなどを詳しく解説します。実際の活用方法も紹介しますので、4時間足の使い方に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。

FX取引における4時間足とは?

4時間足は、FXで中長期的なトレードを行う際に役立ちます。まずは、4時間足の概要やトレード手法を確認しましょう。

4時間足の概要

4時間足は、4時間分の値動きをまとめて表したローソク足を指します。ローソク足とは、一定期間の始値・終値・高値・安値の4つを1つの情報として表したもので、ローソク足1本が表す時間の長さによってその呼び名が変わります。例えば「日足」からは1日の値動きを、「週足」からは週単位の値動きを知ることができます。

4時間足は中長期的なトレンドを把握したい短期トレーダーと、売買のタイミングを把握したい長期トレーダーの両方から注目されているのが特徴です。

4時間足を使ったトレード手法

FXではトレードスタイルに合わせて利用する時間足を変えるのが一般的です。4時間足は幅広く利用されている時間足ですが、とくにデイトレードとスイングトレードで使われることが多いといえます。

デイトレードは、エントリーから決済までを数十分〜1日で終わらせるトレード手法です。デイトレードだからといって1分足などの短い時間軸だけで値動きを確認していると、全体的なトレンドに気づかずに思わぬ損失を出してしまうことがあります。そこで、より長い周期のトレンドを分析するために、よく用いられるのが4時間足です。

例えば、15分足で上昇トレンドが発生しており、4時間足では大きな下降トレンドが発生しているケースを考えてみましょう。15分足だけを確認して買いエントリーをし、エントリー後に価格が逆行するという展開になるリスクを避けるためには、4時間足を確認して価格の方向性をしっかり見極めて取引することが重要になります。

スイングトレードは、エントリーから決済までを数日〜数週間の間に行うトレード手法です。スイングトレードの場合、日足や週足でトレンドを把握したあとに、4時間足で具体的なエントリーポイントを探るケースが多くなっています。

なお、数秒から数分の取引を1日に何度も繰り返すスキャルピングには、1分足などと合わせて30分足や1時間足を活用する傾向があります。いずれの取引でも、トレンド確認や転換点をつかむことを主眼に「時間足」を組み合わせて確認していくことが大切です。

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FX取引にて4時間足を使用するメリットとデメリット

4時間足を活用したトレードにはメリットだけではなく、デメリットもあることを理解しておきましょう。

4時間足を使用した取引のメリット

時間的な余裕のない人にむいた指標

4時間足は4時間に1回作られるため、トレードに参加している投資家のおおよその傾向をつかむのに便利な指標といえます。普段忙しく、取引に十分な時間を割けない人は、4時間足を見て全体の流れをつかんでから、落ち着いてトレードシナリオを作るとよいでしょう。

だましのリスクが低い

だましのリスクが低いのも、4時間足を使用した取引のメリットです。だましとは、チャート分析のセオリー通りには展開せず、上がる方向に行くと見えたのに、一瞬のニュアンスでその後、逆転するようなケースをいいます。偶然そうなるケースもあれば、思惑で形成されるケースもあります。

テクニカル指標のだましはよく発生する現象なので、短い足取りだけでなく、4時間足、日足、週足などより長い時間軸も確認しておけば、「おかいしな」と気がつける機会を増やすことができます。つまり、リスクを避けることができるわけです。

大きな利益を狙いやすい

4時間足を使ったトレードには、利益を狙いやすいというメリットもあります。なぜならローソク足で表示される値幅が下位足(5分足や15分足など)よりも大きくなることが多いためです。より広い視点で売買価格の設定がしやすくなるといえます。

短い時間足でのトレードでは1回あたり10pips前後の利益しか得られないことも珍しくありませんが、4時間足のトレードなら1回で数十pipsの利益を狙える可能性もあります。

4時間足を使用した取引のデメリット

エントリーのチャンスが少ない

4時間足を使用した取引のデメリットとしては、エントリーのチャンスが少ないことが挙げられます。5分足や15分足のチャートでは、細かい値動きが繰り返されているため、1日に数回エントリーチャンスが訪れるケースも少なくありません。

しかし、4時間足は1日に6本しか形成されないため、短い時間足でのトレードと比べてエントリーするタイミングはある程度限られます。4時間足を使った取引をする際は、長期的な目線でエントリーするタイミングを判断しましょう。

スワップポイントにより利益がマイナスになるおそれがある

4時間足を活用して、より長い時間軸でトレードをする場合は、スワップポイントの影響を考慮しながら取引をしましょう。スワップポイントとは、FXの取引で売買する2国間の通貨の金利差のことで、ポジションを保有している間はほぼ毎営業日発生するものです。高金利の通貨を買って、低金利の通貨を売るとスワップポイントを得られます。しかし、低金利の通貨を買って、高金利の通貨を売るとスワップポイントを支払わなければなりません。

仮に数日間から数週間かけてトレードを行う場合(=スイングトレード)は、スワップポイントが発生します。スワップポイントがマイナスとなるポジションで取引する場合には、スワップポイントの支払い額が積み重なり、取引利益が相殺されてしまう可能性がありますので注意しましょう。

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実際のFXの取引で4時間足を活用する方法

実際にFXの取引で4時間足を活用する際は、テクニカル分析の使い方や、エントリーポイントなどに注意しましょう。

テクニカル指標を活用する

4時間足とテクニカル分析を組み合わせてトレードに活かしましょう。テクニカル分析には様々なものがありますが、4時間足では移動平均線とボリンジャーバンドの2つが活用しやすいでしょう。

移動平均線は、相場の一定期間における終値の平均値をつなぎ合わせた折れ線グラフです。例えば、移動平均線と4時間足の位置関係でトレンドを分析する方法があります。具体的には、移動平均線を上回る形でローソク足が推移している場合は上昇トレンド、移動平均線を下回る形でローソク足が推移している場合は下降トレンドと判断します。

ボリンジャーバンドは、移動平均線とその上下2本ずつの標準偏差(データの分布のばらつきをみる1つの尺度)を示す線、合計7本の線で表されます。これらの線で作られた帯(バンド)の中に価格の大半が収まる、という統計学を応用したテクニカル指標です。移動平均線と同様に、ボリンジャーバンドも4時間足との位置関係を売買に活用できます。

例えば、バンドが拡大し始めて、4時間足の終値が標準偏差のラインを越えた時にトレンドが発生したと判断し、ブレイクした方向にエントリーする方法があります。

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エントリーポイントの把握を冷静に行う

4時間足で取引する際は、エントリーポイントを無理に探して利益を狙わないようにしましょう。エントリーポイントが少ないからといって、根拠がないエントリーを繰り返しても、成果に結びつきにくいでしょう。

エントリーする際は、週足や日足など、上位の時間足も活用してトレンドの分析を冷静に行いましょう。根拠が複数ある状態でエントリーすれば、エントリー回数が少なくても一定の利益を狙える可能性があります。

損切りラインを設定する

比較的時間に余裕を持ってトレードできる点が、4時間足を使ったトレードの魅力の1つです。だからといって、チャートを確認せず放置していると、いつの間にかトレンドが転換して、損失を出してしまうおそれもあります。気づかないうちに損失が拡大するのを防ぐためにも、損切りラインを設定してからのエントリーをおすすめします。

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FXで中長期的なトレードをする際は4時間足を活用しよう

4時間足はデイトレードやスイングトレードで使われることが多い時間足です。4時間足を活用したトレードなら、時間にゆとりのあるトレードができるため、頻繁にチャートを確認できない人でも取り組みやすいといえるでしょう。

為替トレードのプロにも、4時間足は「日足、週足」をサポートするのに重宝されています。まずは4時間足を見慣れることからスタートし、自分のトレードに生かす方法を研究することをおすすめします。

<監修者>

木村佳子

<プロフィール>

一級FP技能士(国家資格)。NPO法人 日本FP協会上級資格CFP。IFTA国際テクニカルアナリスト連盟最上位資格MFTA®の日本で最初の女性取得者。早稲田大学大学院ファイナンス研究科専門職MBAファイナンス修士。日本ベンチャー学会。日本IR学会。生活経済学会。消費者行動学会正会員。YouTube 「木村佳子チャンネル」で資産運用情報を発信中。

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