FXとは?初心者向けにFXの基礎知識を解説

2022/9/26

FXで利益を得る仕組み

FXで収益を実現する方法には「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2種類があります。それぞれ具体的にどのような方法なのか、そして失敗するリスクを抑える手法にはどのようなものがあるか、見ていきましょう。

キャピタルゲイン

「キャピタルゲイン」とは一般的に、資産の売買によって得られる利益を指します。FXでは、為替相場の変動による為替差益になります。通貨の売買でレートに差がある場合には、利益を得られる可能性があるのです。たとえば1ドル=100円のときに10,000ドル分の通貨を購入し、通貨が1ドル=120円になったときに通貨を売却するケースでは、(120円−100円)×10,000ドル=20万円の利益が得られます。これがキャピタルゲインです。

また、FXには売買のたびに通貨を受け渡すのではなく、売買によって生じた損益のみを受け渡す「差金決済」という仕組みがあり、通貨を高く売って安く買い戻すということも可能です。つまり、相場の上昇局面だけではなく、下落局面でも利益を狙える可能性があるのです。たとえば1ドル=100円のときに10,000ドル分の通貨を売却し、通貨が1ドル=90円になったときに買い戻せば、(100円-90円)×10,000ドル=10万円の利益が得られます。これもキャピタルゲインです。

インカムゲイン

「インカムゲイン」とは、資産を保有し続けることによって得られる利益のことです。株式の配当や定期預金の利息、不動産投資における賃料収入などをイメージすると、わかりやすいでしょう。

FXではスワップポイントと呼ばれる仕組みを利用することでインカムゲインを獲得できる機会があります。スワップポイントとは、通貨ごとの金利差によって得られる利益のことで、「金利差調整分」とも呼ばれます。南アフリカランドやトルコリラのような比較的金利が高い国の通貨を買い、日本のような比較的低金利の通貨を売ったときに、スワップポイントを受け取ることが期待できます。売買量や通貨変動に関する情報量も多い米ドルでも、金利政策の変更によってスワップポイントを獲得できるので研究してみましょう。

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FXの始め方・取引をするまでの流れ

ここからは、FXで取引を始めるまでの一連の流れを具体的に説明していきます。

Step1.FX口座を開設する

まずはFXの専用口座を開設します。多くの場合、PCやスマートフォンから口座開設の手続きができるため、実際に銀行やFX会社などの店舗に行く必要はありません。

FX会社の公式サイトから、申し込みフォームへの入力をします。氏名や住所、年収や職業、投資経験の有無などを申告し、あわせて運転免許証などの顔写真付き本人確認書類や、マイナンバーが確認できる書類を提出します。郵送以外にもスマートフォンアプリから画像をアップロードすることで提出が完了となる場合もあります。

必要事項の入力と確認書類の提出を終えると、FX会社側で口座開設の審査が進められます。入力内容や提出書類に不備があると審査に時間がかかってしまうため、注意しましょう。口座開設の完了通知が届けば、手続き完了です。

なお、松井証券では本人確認を「eKYC」というツールを活用してオンライン上で行うことにより、最短即日で口座開設が完了します。

【関連ページ】FX口座開設までの流れ

Step2.最初の資金を入金する

FXの口座開設手続きが完了したら、今度は最初の資金(証拠金)を口座に入金します。証拠金とは、取引を行うために必要な担保のようなものです。

松井証券では、証券口座に入金した資金をFX口座に振り替えることで取引が可能です。
証券口座への入金には、インターネットバンキングと銀行口座のほかにMATSUI Bank口座からのリアルタイム入金もご利用いただけます。

取引に必要な証拠金の実際の金額は、為替レートや取引数量によって変わります。証拠金の算出には、松井証券の証拠金シミュレーションをお使いください。

証拠金シミュレーション

Step3.取引の手法を選択する

FXの取引で主に用いられるのは「スキャルピング」「デイトレード」「スイングトレード」「ポジショントレード」といった手法です。売買の注文を出してから決済をするまでの期間によってどの手法を用いるかが異なります。投資経験や投資スタイルなどに合わせて、自分に合った取引手法を選びましょう。

スキャルピング

数秒から数分の間に1回の取引を完了させる方法です。1回あたりがごくわずかな利益でも、1日に数回〜数十回取引を重ねることで、利益を積み上げることを目指します。売買タイミングを瞬時に判断する必要があるため、やや上級者向きの取引手法といえるかもしれません。

デイトレード

こちらはスキャルピングトレードよりやや長めに時間をとり、実現性の高そうな想定レート内でその日のうちに取引を終了させることを目指す取引です。実現性の高いレートでの取引はFX初心者にとって、取り組みやすい手法といえるでしょう。

スイングトレード

1回の取引に数日から数週間を費やすスタイルです。中長期的な目線でトレードを行います。日々の値動きに対して極端に神経質になる必要がなく、トレードになかなか時間や労力を割けないという場合にも向いている取引手法といえるでしょう。

ポジショントレード

1週間から1年程度のスパンで、長期的にじっくり腰を据えて売買する手法です。1回あたりの取引で狙える利益が比較的大きくなる可能性があります。為替差益だけではなく、スワップポイントによる利益も期待できるのが特徴です。

 FXの仕組みを表す図

Step4.通貨ペアと取引量を決める

FXで売買をする際の通貨の組み合わせは、「通貨ペア」と呼ばれます。「米ドル/日本円」や「ユーロ/日本円」のように表記されるのが一般的です。通貨ペアごとに値動きや取引量などは異なります。それぞれの特徴を理解した上で、通貨ペアを選択しましょう。

また、FXでの取引量は「ロット」と呼ばれる取引単位で表されます。1ロット=1,000 通貨あるいは1ロット=1万通貨と定められているのが一般的です。取引数量であるロットが大きくなるほど、損益の幅も大きくなる傾向があります。

Step5.新規注文をする

一般的なFX会社では、PCやスマートフォン、アプリから売買の注文ができます。注文種類は大きく分けて3種類あります。「成行注文」「指値注文」「逆指値注文」の3つです。購入(売却)価格を指定せず、提示された為替レートで注文することを「成行注文」、購入(売却)価格を指定して注文することを「指値注文」といいます。

指値注文では指定した価格以下になった場合「買い」を、指定した価格以上になった場合「売り」注文をします。反対に、指定した価格以上になった場合「買い」を、指定した価格以下になった場合「売り」注文をするのが「逆指値注文」です。

注文種類を選択したうえで「買い」または「売り」の売買区分や取引数量を指定し、注文(決済)を完了します。

初心者がFXで失敗しないためのポイント

FXは「怖い」「危ない」といったイメージを抱かれがちですが、FXのリスクを正しく把握し、身の丈に合った取引をすれば、失敗する確率を低減することは可能です。

初心者マークを持つ悩む男性

少額から取引する

最初から高額の取引をすると、大きな損失が発生するリスクが生じます。初心者の場合、まずは少額から取引を始めましょう。

少額での取引は精神的な負担が少なく、続けやすいのが特徴です。積極的に経験を重ねることで、FXでより効率的に利益を得るために必要な知識やテクニックを修得できるでしょう。

松井証券では最低取引単位が1通貨に設定されているため、米ドル/円だと140円程度から取引を始められます。

相場の分析を行う

FXの相場分析手法は「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」の2つに大きく分けられます。

テクニカル分析では、為替の値動きをグラフ化したチャートを用いて、値動きの傾向やパターンを把握し、将来の価格を予想していきます。一方、経済状況や各国の金融政策、政治状況などを分析して相場を予測するのがファンダメンタルズ分析です。

運や勘に頼ったトレードをすると失敗する可能性が高まります。初心者ほど、根拠に基づいた投資判断を心がけることが大切です。

通貨ペアは絞って取引を行う

手当たり次第にさまざまな通貨ペアで取引をすると、相場動向のチェックや注文の管理に手間取ってしまい、効率的に利益を上げるのが難しくなる可能性があります。初心者の場合は、できるだけ1つの通貨ペアで取引を完結させた方がよいでしょう。値動きが比較的安定している、「米ドル/円」や「ユーロ/米ドル」のようなメジャー通貨のペアを選ぶところからスタートしてみましょう。

レバレッジをかけすぎない

FXの世界では「レバレッジ」(てこ)の原理を活用して、少ない投資で大きな金額の取引ができる仕組みがあります。国内のFX会社では最大25倍のレバレッジをかけた取引も可能です。レバレッジをかけるほど、期待できる利益は大きくなります。

レバレッジが大きくなりすぎると損失が大きくなるというリスクにも目を向けなくてはなりません。初心者の場合、予想外の相場変動で元金以上の損失を被るリスクを避けるために、まずは低いレバレッジ倍率から取引を始めるとよいでしょう。

<監修者>

木村佳子

<プロフィール>

一級FP技能士(国家資格)。NPO法人 日本FP協会上級資格CFP。IFTA国際テクニカルアナリスト連盟最上位資格MFTA®の日本で最初の女性取得者。早稲田大学大学院ファイナンス研究科専門職MBAファイナンス修士。日本ベンチャー学会。日本IR学会。生活経済学会。消費者行動学会正会員。YouTube 「木村佳子チャンネル」で資産運用情報を発信中。

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