今週は日米中銀ウィーク 米ドル/円は165円突破を試すか

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2026年07月27日

今週は日米中銀ウィーク 米ドル/円は165円突破を試すか

中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰がインフレ懸念を再燃させる中、週後半にはFOMCと日銀金融政策決定会合が開催される。


FOMCプレビュー

7月28-29日に開催されるFOMCでは、政策金利の据え置きがメインシナリオとなっている。市場は25bpの利上げを3割強織り込んでいるが、6月のCPIを始めとする物価指標の鈍化やインフレ期待の抑制を鑑みれば、利上げを急ぐ可能性は低い。

今回の会合で最大の注目点は、ウォーシュFRB議長の記者会見だ。ウォーシュ議長は、就任以来フォワード・ガイダンス(中央銀行が将来の金融政策の方針を前もって表明すること)の発信に否定的であり、今回の会見でも具体的な利上げ見通しを示すことは控えるとみられる。

一方で、ウォーシュ議長はインフレ抑制と物価安定への強い姿勢を示しており、インフレ高止まりに対する強い警戒感を示すと予想される。ウォーシュ議長が改めてタカ派姿勢を示した場合、早期の利上げ期待が剥落してドル安が進むシナリオは描きにくく、ドル高圧力が維持されやすいだろう。


日銀金融政策決定会合プレビュー

7月30-31日の日銀金融政策決定会合でも、政策金利は1.00%で据え置かれるとの見方がメインシナリオとなっている。ただし、タカ派の高田委員や田村委員が連続利上げを提案し、据え置きに反対する可能性には留意が必要である。

今回の注目点は、同時に公表される「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」と植田総裁の記者会見となる。展望レポートでは、2026年度を中心に実質GDP成長率の見通しが上方修正される一方、物価見通しは原油価格の低下や電気・ガス代抑制策を反映して小幅に下方修正される見込みだ。

植田総裁の会見では、次回の利上げタイミングやペースについてどのようなヒントが示されるかが最大の焦点となる。一部メディアでは、日銀が「半年に1回」という市場の想定よりも早いペースでの利上げに柔軟な姿勢であると報じられており、市場の期待は高まっている。

7月21日に閣議決定された「骨太の方針」において日銀の独立性が改めて明記されたことも、日銀が政治的制約に左右されず政策判断を行うとの見方を支える材料となる。植田総裁が次回9月会合を「ライブな会合」、すなわち政策変更の可能性がある会合と位置付ける発言をする、あるいは利上げペース加速の可能性を否定しない場合、タカ派的なサプライズと受け止められ、円高要因となるだろう。

一方、日銀が利上げ加速を示唆するとの期待が一定程度高まっているだけに、利上げタイミングやペースは今後の経済物価情勢次第などと中立的な発言にとどまれば、早期利上げ期待が後退し、総裁会見中に円安が進む可能性が高まる。


米ドル/円の見通し

米ドル/円は、米イラン紛争の再燃を受けた原油高と米金利上昇により、一時164円目前まで上昇し約39年ぶりの円安・ドル高水準を付けた。中東の地政学リスクがドル需要を強め、同時に日本の交易条件を悪化させて円売りを加速させるという構図が続いている。

今週は日米中銀会合に加え、高市内閣の動向にも注目が集まる。高市首相は27日午後6時から首相官邸で記者会見に臨む。消費減税や内閣改造・自民党役員人事を含め、政権運営の基本方針について発言するとみられている。

焦点となっているのは、片山財務相ら主要閣僚の処遇だ。特に、片山財務相は財政規律を重視する立場とみられており、極端な財政拡張に歯止めをかけるとの見方があった。今回の内閣改造で財務大臣が交代すれば、財政拡張リスクが改めて意識され、一段と円安が進む可能性がある。

水準としては、目先165円といった節目を試す展開が想定される。投機筋にとって、円は低金利で減価基調にあるため、調達通貨としての魅力が依然として極めて高い。円買い要因として期待されたGPIFによる国内投資シフトの観測も、見直しのハードルの高さなどを考慮すれば、短期的に円安の勢いを止める材料とはなりにくい。

このような状況下、米ドル/円が165円に向かって上昇が加速する局面では為替介入の警戒感が一段と高まるだろう。米財務省の報告書でも円の過小評価が指摘されていることから、実弾介入への理解は得られやすい環境にある。介入が発動された場合、蓄積された円売りポジションの巻き戻しによって数円規模の急速な円高が生じるリスクには十分に留意すべきだろう。


著者プロフィール

鈴木翔

鈴木翔

地方銀行、ネット銀行の運用部門で国内外の債券や株式などのディーラーを経験。松井証券に入社後はディーラーの経験を活かし、マーケットアナリストとして金利動向を踏まえた市場分析や、機関投資家・個人投資家などの投資家動向を組み合わせたマーケット情報などを提供している。


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