米中間選挙で民主党が大勝 AI・半導体株はなぜ急落したのか

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2026年11月06日

米中間選挙で民主党が大勝 AI・半導体株はなぜ急落したのか


米中間選挙レビュー

現地時間11月3日に投開票が行われた米中間選挙では、民主党が事前の予測を大幅に上回る大勝を収め、連邦議会の上下両院で過半数を奪還した。背景には、物価高や生活費負担の増大に対する有権者の強い不満と、トランプ政権によるイラン戦争の長期化・原油高に対する厳しい批判があった。

上院選(定数100、35議席改選)は、民主党が非改選分と合わせて54議席を獲得し、過半数を確保した(11/6時点)。テキサス州、ミシガン州、サウスカロライナ州、カンザス州、オハイオ州、アイオワ州、メイン州などの接戦州で民主党候補が共和党現職・有力候補を破る歴史的勝利となった。下院選(定数435、全議席改選)でも、民主党が253議席以上を獲得し、共和党に大差をつけて過半数を制した(11/6時点)。

州知事選(50州中36州改選)は、改選前は共和党が26州を握っていたが、民主党が28州を制する結果となった(11/6時点)。特にAIインフラ投資の二大拠点であるテキサス州で民主党のヒノホサ氏が現職アボット知事を破ったほか、ジョージア州でもボトムズ氏が全米で初となる黒人女性の州知事となるなど、歴史的な勝利となった。


なぜ株式市場は急落しているのか

中間選挙直後の11月5日、米国株式市場ではAI・半導体株を中心に株価が急落した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は12%超下落し、ナスダック総合指数も5.5%安となった。ナスダックは直近高値からの下落率が10%を超え、調整局面入りとなった。投資家の不安心理を示すVIX指数も28台まで上昇した。

急落の背景には、AIデータセンターへの規制が強まるという警戒感がある。テキサス州知事選で勝利した民主党のヒノホサ次期知事は、州全体でのデータセンター新規建設許可の即時停止(モラトリアム)を公約に掲げていた。さらに、中間選挙と同時に各地で行われた住民投票でも、データセンター開発反対派が軒並み勝利した。データセンターが地域の電力料金を押し上げ、大量の水資源を消費し、税制優遇措置も受けていることに対して、住民の反発が強まっている。このため、AIインフラ投資が計画通りに進まないリスクが意識された格好だ。

データセンター建設の減速は、将来の成長期待が剥落し、これまで株高の根拠となってきた利益予想が妥当性を失うことを意味する。こうした成長シナリオの見直しが、株安につながっている。ただ、データセンター規制の具体案が見えない現状では、利益予想がどの水準まで下方修正されるのか見当がつかない。先行きの不透明感が払拭されるまでには、しばらく時間がかかるだろう。


来週の注目材料

株式市場の変動が大きい中、経済指標への注目度はやや低下しているが、米国では10日(火)の10月CPIと13日(金)の10月PPIの発表に注目が集まる。市場予想は、CPI前月比+0.3%、コアCPI前月比+0.2%となっており、市場予想並みであれば米金融政策への影響は現敵となる見込みだ。

11月12日〜14日には、約2000人の民主党員がデンバーに集まり、「What’s Next?」と題した会合を開催する。2028年大統領選に向けた議論とともにAI・データセンター規制に関する党の方針が注目される。また、11月後半の米中首脳会談に向けた下交渉や、ウォラーFRB理事(11/10)、ニューヨーク連銀総裁(11/12)、ジェファーソンFRB副議長(11/13)らFRB高官の講演が予定されている。


著者プロフィール

鈴木翔

鈴木翔

地方銀行、ネット銀行の運用部門で国内外の債券や株式などのディーラーを経験。松井証券に入社後はディーラーの経験を活かし、マーケットアナリストとして金利動向を踏まえた市場分析や、機関投資家・個人投資家などの投資家動向を組み合わせたマーケット情報などを提供している。


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