【半導体製造装置関連株5選】~円高耐性の強さでも評価!~
為替介入による円高はまず日本株にネガティブ
為替介入観測
日銀金融政策決定会合が開催されていた7月30日に、政府と日銀は今年2度目となる為替介入(ドル売り円買い)を実施しました。
円相場は1ドル=163円超の水準から157円台まで一気に下落し、その後1ドル=156円台の推移となりました。
これまで日銀の金融政策決定会合後に円安が進んだことから、政府が為替介入に踏み切ったことはあったものの、今回のように日銀金融政策決定会合の結果発表前の介入は異例で、マーケットは意表を突かれる格好となりました。
日米協調介入
片山さつき財務相は8月3日、記者団に対し、日米両政府で協調して円買いの為替介入したことを明らかにしました。「無秩序な動きに対しては断固たる措置を取り、それが実行される。いつでもその状態である」と円相場の動向によってはさらなる介入の可能性を示唆しています。
ベッセント米財務長官も自らのSNSに「さらなる協調介入に参加することも躊躇しない」と投稿しています。日米協調介入は2011年の東日本大震災直後以来約15年ぶりのことです。

背景にある政治的要因
為替介入を実施した背景には「政治的な要因」が見て取れます。同じ時期に日本の政治は大きな動きを見せていました。
高市首相は7月30日の記者会見で、食料品の消費税率を2027年4月から2年間、8%から1%に引き下げる方針を表明しました。残る1%分に対しても、所得に連動して給付を行うことで「実質ゼロ」にするというものです。
自民党は2026年2月の衆院選の公約として、物価高対策を目的とした「飲食料品の消費税の2年間限定の実質ゼロ化」を掲げており、公約に沿った動きです。
1989年の消費税導入後初めての税率引き下げとなり、 日本の税制の転換となる可能性もあります。
自民党は8月3日、税制調査会と社会保障制度調査会の合同会議を開き、高市首相が表明した食料品の消費税減税について事実上了承、党内手続きを終え、今秋の臨時国会での法案提出を目指します。
ただ、今回の消費税 減税については自民党内でも反対、慎重意見があります。食料品の消費税率を引き下げる場合の減収規模は年間約5兆円程度とされていますが、その財源について曖昧 なままであり、赤字国債に財源を全面的に頼ることになると財政規律に乱れが生じ、為替市場で急に円安が進みマーケットが混乱、加えて、円安による物価高を危惧する声があります。
ともすれば為替マーケットで円を売る投機的な売買が活発化することも想定でき、だからこそ政府は円買い介入、それも日米協調介入に踏み切ることで、為替市場での投機的な動きを強くけん制したものでしょう。
為替介入による日本株市場への影響
ただ、円高は通常、東京株式市場ではネガティブに捉えられます。日本の輸出企業の売上や利益の減少、価格競争力の低下につながる可能性があることが要因です。今回についても介入明けの8月3日(月)の東京市場では輸出企業の代表となる自動車株が売られました。トヨタ自動車(7203)―3.3%、ホンダ(7267)―3.5%、日産自動車(7201)―3.3%といった具合です。
半面で海外から商品、原材料などを輸入する企業の一部は「円高メリット株」として物色されました。家具・インテリア製造小売り大手のニトリホールディングス(9843)、「業務スーパー」をFC展開する神戸物産(3038) はその筆頭です。円高が進行する中ではこのような物色に一層傾くかもしれません。
キオクシアホールディングス株は一旦底打ち
AI 半導体株の波乱
それより前にあった「AI半導体株波乱」は落ち着いたのでしょうか?
今回の波乱はまず「中国AIの脅威」によって生じました。・ディープシーク・ムーンショットAI・ジープーAI・ミニマックスなどの中国新興AI企業のAI開発が米国企業を凌駕するのではないか、一部でOpenAIやGoogleの最先端モデルに匹敵する性能とされたことも懸念を強くしました。
これまでAIに巨額を投じてきた米企業の投資回収が困難になるのではないかというものです。

各国のAI 半導体株
同時期に米エヌビディアが総額7,500億ドル(約122兆円)を超える巨額AIインフラ投資案件を巡り協議を進めていると報じられると、株式市場では過剰投資や循環的取引に対する懸念も持ち上がりました。
個別株レバレッジETFによって株価が急伸していた韓国のサムスン電子、SKハイニックスの半導体株の急落に伴う韓国KOSPI指数の下落は東京市場のAI半導体株の動向にも影響を及ぼしました。
各国のAI 半導体株
東京市場で波乱の中心となったのはメモリ大手のキオクシアホールディングス(285A)です。
同株は6月22日に終値ベースの最高値10万8,700円を付けて以降下落に転じ、波乱の中心となりさらに下げ足を早めました。
その後、7月29日の安値3万8,380円でまずは下げ止まっています。
ソフトバンクグループ(9984)、村田製作所(6981)、フジクラ(5803)、イビデン(4062)など
他AI半導体株の中心銘柄もキオクシア株に準ずる動きです。
新たな強い懸念が生じない限り今後はリバウンド高が想定されます。
反発の目がある半導体製造装置株5選
こうした中では半導体関連株の主力サブセクターで、日本企業が強みを持つ半導体製造装置株にも反発の目があります。
半導体製造の各分野において日本の製造装置が高いシェアを持つことが知られています。
他方、製品の競争力が強いことから為替変動に強く(=外貨建てで製品価格が変動しても競争力が削がれない)、さらに一部の半導体製造装置メーカーは、海外顧客との取引において「円建て」を基本としています(=為替変動に左右されない)。
波乱からの株価出直り期待、円高に対する耐性の強さの両面から半導体製造装置株が浮上するかもしれません。
半導体製造装置世界3位の「東京エレクトロン(8035)」
半導体検査装置で世界大手の「アドバンテスト(6857)」、
半導体研磨装置で世界首位の「ディスコ(6146)」
半導体のマスク欠陥検査装置世界大手の「レーザーテック(6920)」
半導体ウエハ洗浄装置で世界首位の「SCREENホールディングス(7735)」
などの株価の動きが注目されます。