金利3%突破とバフェット商社株買い!三菱重工提携・日産ホンダ合意【今週の注目銘柄5選】
今週の東京株式市場:金利3%突破でAI株軟調も商社株に資金還流
今週の東京株式市場は、地政学リスクの緊迫化に伴う金利上昇が重石となり、全体として神経質に下値を模索する展開となりました。
週前半から、米国の対イラン軍事攻撃を発端とした原油相場の高騰により、世界的にインフレ警戒感が強まりました。長期金利が上昇傾向を強める中、国内10年債利回りは一時3.015%と「3%の大台」を突破し、投資家センチメントを大きく冷やす要因となりました。
金利急上昇を嫌気して株式市場からの資金退避が加速し、2日には日経平均株価が一時2,000円近く下落する波乱の展開を強いられました。アドバンテストなどの主力半導体株は、米国市場の軟調さも響き、週を通じて上値の重い推移が続きました。
一方で、国内市場の底硬さも意識されています。TOPIXは一時9連騰を記録して史上最高値に肉薄したほか、3日には米投資会社バークシャー・ハサウェイのトップによるインタビュー報道を契機に、伊藤忠商事などの大手商社株へ押し目買いが一斉に入り、相場を下支えしました。
外部環境への警戒から目先は不安定な動きが懸念されますが、バリュー株や好業績な個別材料株への物色意欲は依然として根強く、今後は金利の落ち着きどころを探る局面となりそうです。
今週の個別銘柄解説:金利3%台の号砲!大提携と長期投資で動く今週の5銘柄
【日産】ホンダと共同開発報道で続伸
日産自動車(7201)の株価が31日に続伸し、本田技研工業(7267)も小幅高となりました。両社が次世代車「SDV(ソフトウェア定義車両)」分野における車載OS(基本ソフト)や車載コンピューターを共通化し、2029年にも新型車に搭載することで正式合意したとの報道が、今後の成長期待から買いを誘いました。このシステムは、日産が出資する三菱自動車(7211)での使用も検討されます。
両社は2024年3月に協業検討を開始したものの、その後の経営統合に向けた協議が2025年2月に破談となった経緯があります。そのため、市場では「ようやく具体的な協業に結びついた」と好意的に受け止められており、今後は協業による開発コストの抑制や事業進捗のスピード感が注目の焦点となります。
出所:松井証券お客様サイト
【東京エレクトロン】金利上昇で下落続くか
東京エレクトロン(8035)が1日に8営業日ぶりに反落し、一時5.1%安となりました。米連邦準備理事会(FRB)高官による利上げ観測の強まりや、中東緊迫に伴う原油高・インフレ懸念などを背景に日米の長期金利が上昇したため、AI・半導体株の相対的な割高感が意識されて売りが優勢となりました。
国内の長期金利は一時3%台をつけ約30年ぶりの高水準を記録しており、アドバンテスト(6857)やディスコ(6146)などの関連株も総じて下げています。株式相場の下落リスクを警戒してこれまで買われてきた半導体株を手放す動きが出る一方、資金は株価の調整余地が比較的小さいとされる自動車などの低バリュエーション(割安)銘柄へとシフトしています。
出所:松井証券お客様サイト
【三菱UFJ】金利とともに上昇も警戒感あり
長期金利(新発10年物国債利回り)が1996年以来、約30年ぶりに3%の大台に乗せる中、三菱UFJFG(8306)や三井住友FG(8316)、みずほFG(8411)などの銀行株が揺れ動いています。
日銀による追加利上げ観測や日米の財政懸念を背景に金利上昇圧力がかかる中、当初は利ざや拡大メリットが意識され、銀行株は堅調に推移しました。しかし、長期金利が1日に一時3.005%まで急ピッチに上昇したことで、市場では財政悪化懸念を伴う「悪い金利上昇」の側面も警戒され始めています。
この急激な金利高や地政学リスクを嫌気した投資家から、銀行株にはいったん利益確定の売りが出される場面もあり、強弱観が対立する局面を迎えています。今後の金利の先高観と銀行株への影響に注目が集まっています。
出所:松井証券お客様サイト
【三菱重工】防衛ドローンと造船で買い材料
三菱重工業(7011)は3日に反発し、堅調に推移しました。
同社がNEC(6701)と防衛分野での戦略的提携に向けた覚書を締結したと発表し、今後の需要取り込みを期待した買いが入りました。具体的には、需要拡大が見込まれる防衛ドローン(無人機)を軸に、AIを活用した指揮統制システムや作戦計画などの領域で連携します。
安保関連3文書の改定により政府がドローンの調達を大幅に増やす見通しであることから、市場でも防衛ドローンは今後の注目テーマとして期待されています。
さらに、山口県下関市の市有地を購入し、造船所の生産能力向上に向けた造船関連施設の建設を検討していることが報じられたことも手材料となりました。防衛と造船の2つの好材料に加え、直近の株価下落に伴う値頃感も買いを後押ししています。
出所:松井証券お客様サイト
【三菱商事】バークシャー投資継続意向が伝わり堅調
三菱商事(8058)や伊藤忠商事(8001)、三井物産(8031)などの大手商社株が3日、頑強な動きを見せています。米投資会社バークシャー・ハサウェイのグレッグ・アベル最高経営責任者(CEO)が、投資先である日本の5大商社について何十年も保有する意向を示し、株式のさらなる買い増しに強い意欲を明らかにしたことが、市場参加者の関心を集めました。
2026年1月に著名投資家ウォーレン・バフェット氏の後を継いで就任したアベルCEOは、来日時に各商社の幹部らと面談。現在、バークシャーによる5大商社各社への出資比率は10%を上回る水準ですが、同氏は保有比率を引き続き高めていくのが目標と言明しました。さらに、単なる株式投資にとどまらず、商社のネットワークを生かして共同での事業投資や企業買収(M&A)を加速させる事業上の重要なパートナーとして位置づけていることを明かしています。
バークシャーにとって日本(5大商社と東京海上HDの計6社)への投資額は約440億ドル(約6兆9500億円)に達し、米国に次ぐ第二の規模(アルファベットやコカ・コーラ株をもしのぐ規模)となっています。長期目線での日本企業への新規投資も視野に入れる中、強固な関係性を背景とした商社株の底堅さに改めて強い見直し買いが入っています。
出所:松井証券お客様サイト
上記の銘柄などをサクッと動画で解説している動画を9/4(金)21:00までに
松井証券YouTubeマーケットナビで公開予定です。
下記リンクから是非ご覧ください。
来週の注目材料
米8月消費者物価指数(CPI)
9日発表の米8月消費者物価指数(CPI)は、翌週のFOMCを前に政策金利の方向性を決定づける最重要データです。
最大の見どころは、FRB内部の「利上げ派」と「利下げ派」の対立をどちらへ傾けるかです。市場予想を上回る強い数字が出た場合、インフレ再燃リスクから追加利上げ観測が台頭し、日米の財政赤字懸念とも相まって長期金利は一段と上昇、為替はドル高・円安へと振れる見通しです。
日本株についてもAI関連株にはさらに強い売り圧力となるなど、金利と為替の変動によりセクターごとに影響が出てくると考えられ、慎重なアプローチが必要となるでしょう。
期間:2021年1月~2026年7月、月次 出所:QUICKより松井証券作成
国内企業物価
11日発表の8月国内企業物価指数は、企業間で取引されるモノの価格動向を示し、日銀の利上げ判断を左右する重要データです。
前回7月分の上昇率は7.2%(前年同月比)と高水準を維持しましたが、今回の8月予想は中東情勢に伴う原油高や非鉄金属の上昇から、さらに上振れるとの見方が浮上しています。
今後のインフレ動向を占う上で、この「川上(企業間)」でのコスト高が円安や財政懸念を背景に、今秋以降「川下(消費者物価)」へと順次転嫁されていくかが最大の焦点です。市場予想を上回る強い結果は日銀の追加利上げ観測を一段と強め、日本の長期金利上昇を促すため要注意です。
期間:2021年1月~2026年7月、月次 出所:QUICK・日銀データより松井証券作成


