窪田朋一郎のウィークリーマーケットトーク ~今週の振り返りと来週のポイント~

2026年03月06日

窪田朋一郎のウィークリーマーケットトーク ~今週の振り返りと来週のポイント~


今週の東京株式市場:地政学リスクに翻弄された1週間

今週は3月2日から4日にかけて、東京株式市場は大幅に下落しました。主な要因は、米国とイスラエルによるイラン最高指導者ハメネイ氏殺害を受けた地政学リスクの高まりです。日経平均株価は3日連続で下落し、4日には一時5万3000円台まで売り込まれました。
特に3月4日は、日経平均株価が前日比2033円51銭安の5万4245円54銭と大幅安で取引を終えました。これは昨年4月上旬以来の2000円強の下落となります。この間、ほぼ全面安の展開となり、主力大型株から中小型株まで幅広く売られました。
しかし、3月5日には一転して自律反発の動きが見られました。日経平均株価は前日比1032円52銭高の5万5278円06銭と4日ぶりに反発しました。この反発は、イランの停戦協議に向けた動きや、米国の好調な経済指標を受けたものです。
個別銘柄では、キオクシアホールディングスやフジクラ、古河電気工業などのAI関連銘柄、そして金融株の動きが注目されました。また、中東情勢の影響を受けて、石油関連株も大きく変動しました。
全体として、この1週間は地政学リスクと原油価格の影響を強く受け、大きな値動きが続いた週となりました。投資家のリスク許容度の変化が相場を大きく左右する展開となっています。


今週の個別銘柄解説:地政学リスクと米金融市場の動向に注意

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306):

株価が一段安となり、前日比6.36%安の2598円50銭まで下落しました。この下落は、前週末に英国の住宅ローン会社、MFSが破綻したことで、欧米の金融関連銘柄の株価急落が波及したものです。また、週後半にはブラックストーンの傘下にある非上場のプライベートクレジットファンド「BCRED」で解約請求が急増するなど、プライベートファンド業界に、不透明感が強まっています。

三菱重工業(7011):

米国とイランの軍事衝突が長期化する懸念が高まる中、防衛関連銘柄として注目を集めています。高市政権下での防衛力強化の動きも、三菱重工業への投資マネーの流入を促しています。

カプコン(9697):

4日の取引終了後に「バイオハザード レクイエム」の世界販売本数が500万本を達成したことが好感されました。

ソフトバンクグループ(9984):

米オープンAIに対する追加出資を受けて、S&PがソフトバンクGのアウトルックを「ネガティブ」に変更していることも上値の重石となっています。一方、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが34%出資しているPayPayがナスダック市場に直接上場することが明らかとなったことから、これは株価の下支え材料として期待されています。

信越化学工業(4063):

信越化学の株価が昨年来高値を更新。米国での塩ビ原料増産に約5300億円の投資報道が好感されました。シティグループ証券が目標株価を6800円に引き上げ、シリコンウエハーと塩ビ樹脂の底入れ感を指摘。半導体材料と塩ビ事業の改善期待が株価を押し上げています。

上記の銘柄などをサクッと動画で解説している動画を3/6(金)21:00に
松井証券YouTubeマーケットナビで公開予定です。
下記リンクから是非ご覧ください。


来週の注目トピック

原油価格の動向

原油価格が急上昇すると、輸送・製造コストが増大し、多くの企業の利益を圧迫します。特に日本のような資源輸入国ではインフレ圧力が高まり、中央銀行の利下げ期待が後退したり、円安が進んだりして株価全体に悪影響を及ぼしやすいです。現在の中東情勢(イラン戦争)で原油高が続けば、エネルギーコスト上昇→企業業績悪化→株安の連鎖が懸念され、市場のボラティリティも増します。

日・実質GDP:

2025年10~12月期(第4四半期)の2次速報値(改定値)が、3月10日(火)8:50に公表予定です。1次速報値は前期比+0.1%(年率換算+0.2%)と、市場予想を大きく下回る弱い結果でした。
2次速報の市場予測は前期比+0.3~0.4%(年率換算+1.2~1.5%)程度と、1次から上方修正が見込まれています。
日本経済の回復基調や日銀の追加利上げ判断に影響を与える可能性があります。

米・消費者物価指数(CPI):

2026年3月11日水曜日に発表される米消費者物価指数(CPI)は、2026年2月分(前年同月比)で、市場コンセンサスは総合CPIで前年比+2.5%(前回1月実績+2.4%からややプラス)、コアCPI(食品・エネルギー除く):前年比+2.4~2.5%程度(前回1月+2.5%からやや鈍化見込み)が予想されています。
市場予想を上回る強い数字が出た場合、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が後退し、米長期金利の上昇やドル高・円安つながる恐れがあります。

米・コアPCE価格指数:

2026年3月13日金曜日に発表される米コアPCE価格指数は、2026年1月分(前年同月比)で、市場コンセンサスは前年比で+3.1%(前回12月実績+3.0%からややプラス)です。
変動の激しい食品とエネルギーを除いた価格指数で、FRBが物価指標として最も重視しているデータであり、FOMC(連邦公開市場委員会)の判断に直結するため極めて重要です。


著者プロフィール

窪田朋一郎

窪田朋一郎

松井証券シニアマーケットアナリスト。
松井証券に入社後、WEBサイトの構築や自己売買担当、顧客対応マーケティング業務などを経て現職。ネット証券草創期から株式を中心に相場をウォッチし続け、個人投資家の売買動向にも詳しい。日々のマーケットの解説に加えて、「マザーズ信用評価損益率」や「デイトレ適性ランキング」「マーケットラボ アクティビスト追跡画面」など、これまでにない独自の投資指標を開発。


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