【サイバーセキュリティ関連株5選】AI開発抑制に舵が切られる!?
本日紹介する銘柄一覧
| 銘柄名(銘柄コード) | 株価 (9/17時点) |
|---|---|
| トレンドマイクロ(4704) | 6,454円 |
| FFRIセキュリティ(3692) | 7,770円 |
| 網屋(4258) | 5,640円 |
| ZenmuTech(338A) | 3,155円 |
| サイバーソリューションズ(436A) | 1,323円 |
AI開発抑制で投資家は困惑?
なぜAI開発の抑制が起きた?
株式市場に新たな懸念が広がり始めています。
それは「AI(人工知能)開発の抑制」です。
米AI開発企業アンソロピック社のダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)は「AIモデルの能力を高める速度を落とさなければならない」と9月12日に公表した論考で訴えました。
背景には、AIが次世代のAI開発を促進する「自己改善」において進歩が加速していることがあります。ともすれば人間による制御が追いつかなくなるとして警告しています。
AIを巡っては、すでに開発者の意図に反した行動事案がありました。
7月に米オープンAI社のAIが試験中に接続制限を破り、AIモデルを共有できる世界最大のオープンプラットフォーム「ハギングフェイス」のシステムに侵入する事故が起きています。
5月頃からオープンAI社のテスト内でAIエージェントの異常活動が観測され、7月上旬にシステムの脆弱性を利用して外部アクセスを獲得、ハギングフェイスのシステムにサイバー攻撃を行いました。
オープンAI社は7月中旬にモデルの停止・隔離を行い、その後、ネットワーク分離の強化やモニタリング義務化などの対策を進めているとのことです。
アンソロピック社のダリオ・アモデイ氏は、より高性能なAIが暴走すれば6―12か月後にインターネット全体を乗っ取る恐れがあるとも警告しています。
対策として、・外部評価機関に社員並みのアクセス権を付与し、安全対策を検証する・アメリカなど民主国家のAI企業が安全基準や開発速度で協調する・中国を含む各国政府にも協調を広げる、などを挙げています。
これについてオープンAI社のサム・アルトマンCEOはSNSに「ダリオに同意する」と投稿、外部の評価者に社員並みのアクセス権を与える案についても「我々も実施する」と表明しています。
アルトマンCEOについては社内ミーティングで、AI開発によるリスク(サイバー攻撃の発生など)を受け、ペースを落とす可能性に言及したと報じられています。
この他、グーグルディープマインドのデミス・ハサビス会長は「危機的局面に対処するには正しい方向性だ」、米スペースX社のイーロン・マスクCEOも「ダリオは正しい」とAI開発抑制に理解を示しています。先端AIを開発する企業のトップらが相次いで開発の抑制の必要性を感じていると受け取れます。
実はすでに「AI開発抑制」につながる動きはありました。
6月に米政府が国家安全保障上の懸念(外国籍者のアクセス制限など)に、新AIモデル「クロード・ミュトス5」「クロード・フェイブル5」を指定したため、アンソロピック社は全利用者への提供を一時停止しました(その後米国政府からの通知を受け提供再開)。
同じ時期にオープンAIは、米政府の要請を受け、最新AIモデル「GPT─5.6」の一般公開を延期すると発表した経緯もあります。
初期段階でのアクセスを、当局と詳細を共有した審査済みの少数のパートナー に限定しました。このほかアメリカではAIデータセンターの急増によって、全米各地で地域住民による大規模な反対運動や建設の一時停止を求める動きがあります。
データセンターは冷却のために膨大な量の水を使用するため、地域の水源や水不足への不安、膨大な電力使用によって電力網に負荷がかかり一般家庭の電気料金が値上がりするのではという懸念が背景です。
株式市場の大テーマ「AI」の動向は…
東京株式市場だけでなく、世界の株式市場はここまで「AIの発展」を軸として株価が上昇してきた経緯があります。
関連する企業はAI周辺に巨額の投資を行い、先進国や中国は国家予算を割いています。
さらにそれは加速するという前提で投資家も関連企業の株に投資をしてきた側面が強くあります。
今後、ダリオ・アモデイ氏が唱える、いわば自主規制のような格好でAI開発に本格的にブレーキが踏まれると、投資家が狼狽することは想像に難くありません。
半面で、トランプ米大統領はAIのリスクを過度に問題視して開発の減速や規制を求める議論に対し、「中国が利益を得るだけだ」としてけん制、ここまでと同様にAI分野で米国が大きな存在感を維持することを重視しています。
これまであまり問題視されてこなかった「AI開発抑制」については関連する銘柄の株価動向を含めて注視する必要がありそうです。

エヌビディア・フアンCEOはサイバーセキュリティを強調
「サイバーセキュリティがAIにとっての次の巨大市場になる」
そうした中で米半導体大手エヌビディア社のジェンスン・フアンCEOは、米金融大手ゴールドマン・サックスのテクノロジー・カンファレンスで「サイバーセキュリティがAIにとっての次の巨大市場になる」と明言しています。
フアン氏はAIの高度化による脅威の増大を認めつつも、それがエヌビディアやサイバーセキュリティに関わる企業にとって強力なビジネスチャンスにつながるとしました。
さらにフアン氏は「問題が生じること以上に、優れた需要創出の方法はない」とも語り、AIがもたらす問題や懸念そのものが、新たなAI製品の巨大な需要を生み出すと指摘しています。
フアン氏については、1月に開催された世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2026」の基調講演で、「AIが現実世界で動く『フィジカルAI』が次の大きなフロンティアになる」と強調し、その後の東京市場で安川電機(6506・プライム)、
ファナック(6954・プライム)などのフィジカルAI関連株が急騰していった経緯があります。

サイバーセキュリティ関連株5選
AI関連の中心銘柄ではないもののそれらと同様に株価が上昇したことについては、フアン氏の影響力の強さも感じられました。今回、「サイバーセキュリティ関連株」が同氏の影響力などを背景に、AI開発抑制の動きがある中でどのような動きをするのかが気になるところです。
AI発展による弊害を懸念しブレーキを踏もうとするAI開発企業首脳とAIによる懸念を抑え込み新たな市場を創出するとするジェンスン・フアン氏の考え方のどちらに転んでいくのか…。
ここでは東京市場に上場しているサイバーセキュリティに関連する銘柄の中から5銘柄を選別します。
「トレンドマイクロ(4704・プライム)」セキュリティで世界有数の存在で、米主要クラウド企業やAI企業と連携しています。時価総額や流動性の面からも東京市場のサイバーセキュリティ関連株の筆頭と言えそうです。
「FFRIセキュリティ(3692・グロース)」サイバーセキュリティ専業でコア技術や研究開発によるセキュリティソリューションの提供を行います。
「網屋(4258・グロース)」サイバーセキュリティ専業で、データセキュリティとネットワークセキュリティを柱に事業を展開しています。FFRIセキュリティと網屋については2025年にサイバーセキュリティ株が物色された際に目立って上昇した経緯のある銘柄でもあります。
「ZenmuTech(338A・グロース)」独自の秘密分散技術を活用したPC向け情報漏洩対策ソリューションを提供しています。株価は2025年央以降低迷しています。
「サイバーソリューションズ(436A・グロース)」法人向けメールを中心に、セキュリティや連絡ツールを展開しています。株価は出直り局面にあります。