防衛銘柄が注目される理由と具体的な銘柄は?初心者にもわかりやすく解説!

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2026年02月26日

防衛銘柄が注目される理由と具体的な銘柄は?初心者にもわかりやすく解説!

近年、日本の防衛費増額や国際的な安全保障環境の変化を背景に、防衛銘柄が投資家から注目を集めています。政府による安定的な需要、技術革新への期待、海外展開の可能性など、投資メリットが多い一方でリスクも存在します。

本記事では、国の政策などを基に、防衛銘柄が注目されている理由や魅力、投資の際のリスクなどを初心者向けに解説します。


防衛銘柄とは?

防衛銘柄とは、主に防衛省へモノ・サービス(例:戦艦や戦闘機、弾薬、レーダーなど)を提供する企業、またはそれに付随する会社の株式を指します。

そもそも防衛銘柄は、政策に沿って成長が期待される国策銘柄と言われながらも、日本の防衛費が上限に達するなどして、業績は長い間頭打ちの状態でした。

ところが近年、日本の防衛費の拡大に伴い、防衛銘柄への注目が高まっています。



実際にどんな企業がある?関連度が高い日本企業5選!

実際に日本にはどのような防衛銘柄があるのか、防衛関連度が高い銘柄(※1)を5つピックアップして紹介します。


銘柄 株価 前年比
(騰落率)
特色
三菱重工業
(東P/7011)
4,811円 +2,784円
(137.35%)
総合重機最大手。航空、宇宙、造船、防衛関連の重機。
東京計器
(東P/7721)
8,720円 +5,660円
(184.97%)
商船用航海計器の先駆で、船舶・航空計器大手。港湾機器、油空圧機器、流体機器、防衛省向け機器等。
豊和工業
(東S/6203)
1,858円 +747円
(67.24%)
産業用機械の老舗。工作機械を中心に、火器など防衛機器も。
石川製作所
(東S/6208)
2,712円 +1,442円
(113.54%)
段ボール製函印刷機を中心とする機械メーカーで、防衛機器も拡大。
日本アビオニクス
(東S/6946)
7,530円 +5,416円
(256.20%)
防衛向け表示電子機器大手。赤外線センサー、接合機器なども。

これらの銘柄は、防衛省との取引実績が多く、防衛事業の売上比率が高い企業です。三菱重工業のような大手総合重機メーカーから、東京計器や日本アビオニクスのような専門性の高い企業まで、幅広い規模・特色の銘柄が存在します。

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日本の防衛費はどれくらい増えている?

日本政府は2022年12月に「戦略三文書」を策定し、防衛力の抜本的強化を打ち出しました。当初の計画では、2027年度までに防衛費をGDP比2%に引き上げ、2023年度から2027年度までの5年間で約43兆円を投じるとしていました。日本の防衛費はかつて年間5兆円程度で推移していましたが、2027年度には約11兆円に倍増する計画です。

※戦略三文書…国の安全保障に関する戦略として政府が策定した「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」のこと

防衛関係費(当初予算)の推移

また、2025年10月に発足した高市早苗内閣は、防衛政策をさらに加速させるため、防衛費をGDP比2%に引き上げる目標について、2025年度補正予算成立をもって前倒しで達成しました。この前倒しにより、防衛関連企業への発注が当初の計画よりも早期に増加することも考えられ、GDP比3%へのさらなる引き上げの可能性も指摘されています。

このように、厳しい安全保障環境を背景に防衛力の抜本的強化が進められており、防衛費は今後も高水準で推移する見通しであることから、防衛関連企業にとっては今後の事業収益を伸ばすチャンスと考えことができます。

なぜ日本の防衛費は増えているのか?

なぜ今、日本の防衛費は増えているのでしょうか。日本の安全保障を取り巻く影響要因を見ていきましょう。

防衛費増額の要因➀ ウクライナ戦争

2022年2月24日、ドネツク人民共和国、ルハンスク人民共和国の住民保護を目的にウクライナを武装解除する「特別軍事作戦」を実施すると称し、ロシアが全面的なウクライナ侵略を開始しました。

この侵攻は、日本を含む世界各国に影響を及ぼしており、欧州諸国も防衛費を増額する事態となりました。侵攻開始から4年以上が経過した今も収束する見通しは立たず、各国への経済的な影響は長期化しています。

防衛費増額の要因② 中東危機(パレスチナ・イスラエル戦争)

2023年、パレスチナのガザ地区を支配するイスラム主義組織のハマスとイスラエルとの間で戦争が勃発しました。

戦争の影響により、紅海周辺の航行リスクが高まり、日本とヨーロッパを結ぶ海上輸送ルートがスエズ運河経由から喜望峰経由へと変更を余儀なくされました。このルート変更により、航行距離は約1.4倍に延び、輸送日数の増加に伴う運航コストや海上保険料が上昇しました。

こうした事例から、中東情勢の不安定化は、日本のエネルギー安全保障や経済活動に直接的な影響を与えることが懸念されます。

防衛費増額の要因③ 台湾有事

近年、中国が「台湾は中国の領土」と主張し、統一のためには武力行使も辞さない姿勢を示しています。台湾有事はまだ現実化していませんが、日本を含む近隣国は緊張を高めています。

台湾海峡で軍事衝突が発生した場合、日本の経済活動やエネルギー供給に甚大な影響を及ぼす可能性があります。特に、日本の海上輸送路の多くが台湾周辺を通過しているため、この地域の安定は日本の安全保障にとって極めて重要です。

このように、ウクライナ戦争、中東危機、台湾有事への懸念など、世界各地で地政学的な不安定さが増しています。また、日本はロシアや中国と地理的に近く、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威にも直面しています。こうした安全保障環境から、日本は防衛力の強化が必要として、防衛費を増額しているのです。


防衛省による防衛装備品契約における営業利益率見直し

防衛関連企業の事業環境にも変化があり、防衛省は2023年度より、防衛産業の強化と撤退防止を目的として、防衛装備品契約の想定営業利益率(※)を従来の約7~8%から最大15%に引き上げました。

従来の防衛産業は、巨額の初期投資に加え、原材料費や人件費、管理費などのコスト増を負担せざるを得ない状況で、防衛産業から撤退した企業は2023年までの20年間で100超に上っていたことなども踏まえ、防衛事業の収益改善のための見直しが行われました。

想定営業利益率の引き上げは、防衛装備品を政府に納入する際の価格設定において、企業が適正な利益を確保できる仕組みが整ったことを意味しています。簡単に言えば、防衛関連企業がより多くの利益を得られるようになったということです。こうした背景もあり、防衛関連企業が投資対象として注目されています。

※営業利益率とは、売上高に対して原価やコストを差し引いた利益がどれくらいの比率なのかを示す割合のことです。営業利益についてのより詳しい解説は、こちらのページをご覧ください。


防衛銘柄に投資するメリットとリスク

メリット

ここまで、世界的な地政学リスクの高まりや日本の防衛費増額、防衛関連企業の想定営業利益率引き上げなど、防衛銘柄を取り巻く環境の変化について見てきました。こうした状況を背景に、防衛銘柄に投資する具体的なメリットを確認していきましょう。

防衛費増加に伴う需要増

防衛費の増額により、防衛関連企業への発注が増加し、収益の増加が見込まれます。また防衛関連事業が占める割合が高い企業ほど、その影響は大きいとも考えられます。

さらに、防衛装備品は長期的な契約が多く、収益の安定性が高いという特徴があります。例えば、戦闘機の開発には10年以上かかることが多く、その間、企業は安定的な収益を得ることができます。護衛艦や潜水艦の建造も数年にわたる長期プロジェクトであり、企業にとって安定した収益源となります。

技術革新への期待

近年、防衛装備品の開発においても、サイバー、電磁波、無人機といった新領域における技術開発が進められており、技術革新による成長も期待できます。例えば、ドローン技術では危険地帯での無人機投入や人的資源の削減が期待できます。また、サイバーセキュリティ技術の強化により、AIによるサイバー攻撃の検知・防御が可能になります。

これらの先端技術は、デュアルユース(軍民両用)技術として民生分野への転用も可能であり、幅広いビジネスチャンスが生まれます。ドローン技術は配送サービスや農業、インフラ点検などに活用できますし、サイバーセキュリティ技術は企業の情報セキュリティ対策にも応用できます。

海外展開の可能性

防衛装備移転の推進により、海外市場への進出機会が広がり、新たな収益源に繋がることも考えられます。例えば、日本・イギリス・イタリアの3か国では、次世代戦闘機「GCAP」の共同開発を決定しました。このプロジェクトにより高いステルス性、AI技術、無人機連携能力を持つ第6世代機の開発を目指し、航空自衛隊の防衛力強化を図ります。

このように、同盟国や同志国との共同開発プロジェクトが増加しており、国際的な事業展開が期待されます。

リスク

防衛銘柄には、政府による安定的な需要や技術革新への期待など、魅力的な投資メリットがある一方で、投資する際に注意すべきリスクも存在します。投資判断を行う前に、以下のリスクをしっかりと理解しておきましょう。

政策変更のリスク

政権交代による方針転換、財政状況の悪化による防衛費の削減、国際的な緊張の緩和などを理由に政府の防衛政策が変更された場合、需要が減少し、株価に影響を与える可能性があります。表面的な数字にとらわれず、長期的な視点で安全保障情勢を見るように心がけましょう。

国際情勢の影響

地政学リスクの高まりが株価に影響を与えることがあります。一時的に相場が過熱している場合もあるため、個別銘柄のニュースや市場全体の動向などを合わせて考えることが重要です。


防衛銘柄への投資を検討する際のポイント

実際に防衛銘柄への投資を検討する際には、どのような点に注意すればよいのでしょうか。初心者の方が押さえておくべき重要なポイントを3つ紹介します。

長期的な視点での投資

防衛費の増額は長期的な計画であることに加え、防衛装備品の開発・生産には長い時間がかかるという特徴があります。そのため、防衛関連企業の業績が本格的に向上するまでには時間を要します。短期的な株価の変動に惑わされず、じっくりと投資を続けることが大切です。

分散投資の重要性

防衛銘柄だけでなく、他の業種にも分散投資することで、リスクを軽減することができます。単純な損益額だけでなく、評価損益率を確認することで、より正確に損益の状況を比較することができます。

情報収集の継続

政府の政策や国際情勢の変化を常にチェックし、最新の情報に基づいて投資判断を行うことが大切です。経済産業省や防衛省の発表などに注目し、防衛産業の動向を把握しましょう。


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防衛銘柄への投資は長期的な視点で検討しよう

防衛銘柄は、日本の防衛費増額や国際的な安全保障環境の変化を背景に、投資家から注目を集めています。政府による安定的な需要、技術革新への期待、海外展開の可能性など、魅力的な投資メリットがある一方で、政策変更や国際情勢の影響といったリスクも存在します。

投資を検討する際には、短期的な株価の変動に惑わされず、長期的な視点を持つことが重要です。政府の政策や国際情勢の変化を常にチェックし、最新の情報に基づいて投資判断を行いましょう。

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著者プロフィール

松井証券WEBサイト編集チーム

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