時価総額とは?計算方法やランキング、投資判断に活用するときの注意点

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2026年02月12日

時価総額とは?計算方法やランキング、投資判断に活用するときの注意点

時価総額とは、企業の株価に発行済株式数を掛け合わせて算出される、市場における企業全体の評価額を示す指標です。時価総額は、企業の規模や市場での評価を把握するための基本的な指標であり、投資先を選ぶ際の判断材料として活用されています。

しかし、株価との違いや、どのように投資判断に使われるのかがわかりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事では、時価総額の基本的な意味や計算方法、投資判断に活用する際の注意点を解説します。


時価総額とは?

時価総額は、企業の株価と発行済株式数を掛け合わせて算出する、企業の規模や株式市場における企業の評価を表したものです。英語では「Market Capitalization」と表現され、多くの投資家の間で投資判断の目安として活用されています。

ただし、時価総額だけで企業の財務状況や成長性を判断できるものではありません。あくまで企業の市場価値を示す指標のひとつであり、企業価値を評価する際は、ほかの財務指標も合わせて活用して投資先を検討する必要があります。


時価総額の計算方法

時価総額は「株価×発行済株式数」で計算できます。

例えば、株価5千円のA社が1,000万株を発行していれば、時価総額は500億円(5千円×1,000万株)です。一方で、株価1万円のB社の発行済株式数が100万株であれば、時価総額は100億円(1万円 ×100万株)となります。このケースでは、株価はA社の方がB社よりもは小さいですが、時価総額ではA社が大きく上回っています。そのため、時価総額で見た企業規模は、A社の方が大きいと判断することができます。

また、計算の基になる株価は、株式市場で日々変動しています。企業の時価総額も日々変動しますので、投資先を検討する際には、最新の株価を基にした時価総額により比較すると良いでしょう。


投資家にとっての時価総額の重要性

証券会社で口座開設をする際、「一般口座」または「特定口座(源泉徴収なし)」を選択し、その口座で年間を通して、上場株の売却益や投資信託の分配金などの利益が出ている場合は、自分で所得金額を計算して確定申告をしなければなりません。

時価総額からわかる会社の規模

時価総額は、その企業の規模や市場での存在感を示す指標であるため、投資先を選ぶ際の重要な判断材料として使われることがあります。

厳密な定義はありませんが、株式は時価総額に基づいて以下のように分類されることが多いです。


大型株 時価総額1兆円以上
中型株 時価総額1,000億円〜1兆円程度
小型株 時価総額1,000億円以下

大型株は時価総額が大きく、流動性が高い銘柄を指します。業績が安定している成熟企業が多く、株価の値動きは中小株に比べると安定している傾向にあります。株主にとっては、安定した株価や配当を期待できる点が魅力となるでしょう。

一方、中小型株は、大型株と比べると時価総額が小さく、流動性が低い銘柄を指します。高い成長性により大幅な株価上昇を期待できる一方、値動きの不安定さによるリスクも大きいという特徴があります。このように、時価総額の規模に応じて、企業を分類することができます。

さらに、時価総額は株式市場全体の動きを示す株価指数にも深く関わっています。例えば、日本の代表的な指数であるTOPIX(東証株価指数)は、「時価総額加重型」という方法で算出されており、時価総額の大きい企業の株価変動が、指数全体の動きにより大きな影響を与えます。

なぜ時価総額加重型が指数に採用されるのか

時価総額加重型の指数が広く採用されている理由は、この方式が「株式市場そのものの形」に近いからです。株式市場では、多くの投資家が企業の価値を分析し、売買を繰り返すことで株価が決まります。その結果として決まった時価総額は、市場全体の評価を反映していると考えられています。

つまり、時価総額加重型の指数に投資することは、「市場全体の知恵を借りる」投資方法ともいえます。このような考え方から、多くのインデックスファンドで時価総額加重型が採用されており、大型株の動向が、市場全体のトレンドや投資家の心理を左右しやすいといわれるのも、このような理由からです。

時価総額加重型指数の注意点

近年、NISAの普及や投資信託の運用コストが低いことなどを背景にインデックスファンドへの投資が増えていますが新たな課題も指摘されています。インデックスファンドは連動した値動きを目指す指数の構成銘柄を時価総額に応じて機械的に投資しますので、個別の企業が割高か割安かは判断しません。その結果、すでに株価が上がっている企業にはさらに資金が集まり、株価が下がっている企業からは資金が流出しやすくなる面があり、割高な銘柄が割高なままに、割安な銘柄が割安なままになりやすい、という状況を形成します。

実際に、アメリカの株式市場では、ここ数年「マグニフィセント7」と呼ばれる一部の巨大IT企業の存在感が強まっていることには、そのような背景もあると考えられます。このように、時価総額が大きいからといって必ずしも適正な評価とは限らず、何かのきっかけで株価が大きく調整するリスクもあります。反対に、優れた技術や将来性をもっているにもかかわらず、時価総額が低いために割安な株価のまま放置されているケースもあるでしょう。

株価の動きには、投資家の心理や短期的な市場のトレンドなども影響するため、時価総額の大小だけで判断せず、企業の実態を慎重に分析することが大切です。


日本と米国の時価総額ランキング

具体的にどのような企業が市場で高く評価されているのか、日本と米国の時価総額ランキングを見ていきましょう。

日本株の時価総額ランキング

2026年2月10日時点の日本株の時価総額ランキング上位10社は以下の通りです。


順位 銘柄 業種 市場 時価総額
1 トヨタ(7203) 輸送用機器 東証プライム 58兆6,625億円
2 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306) 銀行業 東証プライム 36兆663億円
3 ソフトバンクグループ(9984) 情報・通信業 東証プライム 26兆8,742億円
4 日立製作所(6501) 電気機器 東証プライム 25兆8,858億円
5 三井住友フィナンシャルグループ(8316) 銀行業 東証プライム 23兆6,613億円
6 ソニーグループ(6758) 電気機器 東証プライム 21兆8,933億円
7 ファーストリテイリング(9983) 小売業 東証プライム 21兆8,013億円
8 三菱商事(8058) 卸売業 東証プライム 20兆6,965億円
9 アドバンテスト(6857) 電気機器 東証プライム 20兆2,581億円
10 東京エレクトロン(8035) 電気機器 東証プライム 19兆5,727億円

日本を代表する製造業、金融、通信といった業界の企業が多くランクインしています。

米国株の時価総額ランキング

2026年2月10日時点の世界の時価総額ランキング上位10社は以下の通りです。


順位 銘柄 業種 時価総額
1 エヌビディア(NVDA) 精密機器 米国 4兆5,815億ドル
2 アップル(AAPL) 精密機器 米国 4兆179億ドル
3 アルファベットA(GOOGL) サービス業 米国 3兆8,544億ドル
4 アルファベットC(GOOG) サービス業 米国 3兆8,544億ドル
5 マイクロソフト(MSFT) サービス業 米国 3兆687億ドル
6 アマゾン・ドット・コム(AMZN) 小売業 米国 2兆2,216億ドル
7 メタ・プラットフォームズ(META) サービス業 米国 1兆6,966億ドル
8 ブロードコム(AVGO) 精密機器 米国 1兆6,141億ドル
9 テスラ(TSLA) 輸送用機器 米国 1兆5,955億ドル
10 ウォルマート(WMT) 小売業 米国 1兆98億ドル

※松井証券 米国株お客様サイトより

AI関連の半導体需要を背景に、テクノロジー企業が上位を占める結果となっています。トップ3であるNVIDIA、Apple、Microsoftの時価総額の合計は、日本の東京証券取引所の時価総額(2026年2月10日時点で1,349兆円)を上回るほどの規模になります。グローバルな競争力をもつ企業の評価額がいかに大きいかがわかるでしょう。


時価総額を投資判断に活用するときの注意点

時価総額は便利な指標ですが、時価総額だけでは、その企業の市場の評価である株価が適正な水準であるかどうかまではわかりません。投資判断に用いる際には注意すべきポイントがあります。

時価総額が「大きい=良い」ではない

時価総額が大きいからといって、必ずしも優良な投資先とは限りません。業績が伴っていない場合、市場で過大評価されている可能性があります。

例えば、1980年代後半の日本のバブル期では、市場の期待が先行して、実際の業績や企業価値以上に株価が上昇し、その後、価格が急落する結果となりました。

株価の動きは、投資家の心理や短期的な市場のトレンドなども影響するため、時価総額の大小だけで判断せず、企業の実態を慎重に分析する必要があります。

ほかの財務指標と組み合わせて使う

株価が割安なのか割高なのか、企業の収益性や財務の健全性はどうかといった点まで見極めるには、他の財務指標と組み合わせて分析することが重要です。以下の指標を併用することで、より多角的な企業分析が可能になります。


PER(株価収益率) 株価が1株当たり純利益の何倍かを示す指標。企業の利益水準に対して株価が割安か割高かを判断する目安になります。
ROE(自己資本利益率) 自己資本に対してどれだけの利益を生み出したかを示す指標。企業の収益性の高さがわかります。
キャッシュフロー 企業が自由に使える現金のこと。潤沢な企業は、経営の柔軟性が高いと評価できます。

これらの指標を総合的にチェックすることで、投資判断の精度が向上するでしょう。それぞれの指標についてはこちらのページも参考にしてください。

成長フェーズによる見え方の違いに注意する

時価総額を投資判断に用いるときは、企業の成長フェーズによる見え方の違いにも注意しましょう。創業して間もないスタートアップ企業やベンチャー企業は、まだ十分な利益や実績が出ていなくても、将来性への期待から株価が上昇し、時価総額が高くなることがあります。

一方で、すでに成熟期に入った大企業は、安定的な収益を上げていても、大きな成長が見込みにくいため株価が伸び悩み、時価総額が停滞する場合があります。企業の成長段階を理解することも、適切な投資判断につながるでしょう。


時価総額に関するよくある質問

時価総額が高いことのメリットは?

時価総額が高いことは、一般的に市場での評価が安定しており、株価の急激な変動が起こりにくい点がメリットです。出来高が多く、売買が成立しやすいため、希望する価格で取引しやすい面があります。また、事業基盤が強く、M&Aなどの対象になりにくく経営が安定することや、倒産のリスクが比較的低い傾向があると言えるでしょう。インデックスファンドの組み入れ対象になりやすく、長期投資のコア資産として選ばれやすい点も魅力です。

時価総額が意味ないといわれる理由は?

時価総額は企業規模を測る指標として有効ですが、それだけで投資判断をすると誤解を招く場合があります。株価と発行株式数の掛け算にすぎないため、利益水準や財務内容、成長性を直接反映しているわけではありません。また、一時的な株価上昇で過大評価されることもあります。そのため「時価総額だけ見ても意味がない」と言われることがあり、PERやROE、キャッシュフローなど他の指標と併せて見ることが重要です。

時価総額と株価の関係は?

時価総額と株価は密接に関係していますが、同じ意味ではありません。時価総額は「株価×発行済株式数」で算出されるため、株価が上がれば時価総額も増加します。ただし、発行済株式数が多い企業と少ない企業では、同じ株価でも時価総額は大きく異なります。株価だけを見ると割高・割安を誤認する可能性があるため、企業全体の規模を把握する指標として時価総額を併せて確認することが重要です。


時価総額を理解して投資判断に活かそう

時価総額は、企業の規模や市場での評価を一目で把握できる便利な指標です。企業の株価と発行済株式数を掛け合わせて算出でき、大型株や中型株といった分類の基準にもなります。

ただし、時価総額の高さがそのまま企業の優劣を決めるわけではありません。投資を検討する際は、PERやROEといったほかの財務指標と組み合わせたり、企業の成長ステージも考慮に入れたりしながら、総合的に判断しましょう。

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著者プロフィール

松井証券WEBサイト編集チーム

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