PERとは?目安や計算式、活用する際の注意点をわかりやすく解説

2026/4/15(更新)

PERとは、株価が1株当たりの純利益の何倍になっているかを示す指標で、株価の割安・割高を判断する際に用いられます。

株式投資では、安く買って高く売ることで利益を得ることが基本ですが、どの株が「安い」のかを判断するのは難しいと感じる方も多いでしょう。PERの考え方を理解しておけば「割安な銘柄」を見つけやすくなるかもしれません。

本記事では、PERの目安や計算方法、そして実際に活用する際の注意点をわかりやすく解説します。

PER(株価収益率)とは?

PERとは、正式には「Price Earnings Ratio(株価収益率)」といい、株価が1株当たりの純利益の何倍になっているかを示す指標です。PERは株価の割安・割高を判断する際に用いられ、PERが高いほど、投資家はその企業の将来性や成長性を高く評価していると考えられます。

PERの計算方法は?

PERは次の式で計算できます。

PER = 株価 ÷ EPS(1株当たりの純利益)

EPS(1株当たりの純利益)は、「当期純利益」を「発行済み株式数」で割ることで求められます。例えば、ある企業の株価が1,000円で、当期純利益が1,000万円、発行済み株式数が20万株である場合、EPSは1,000万円÷20万株=50円です。そして、PERは1,000円÷50円 = 20倍と計算されます。

また、PERは 時価総額÷純利益 という式でも求めることができます。時価総額は現在の株価×発行済株式数ですから、1株当たりで考えるか会社全体で考えるかの違いです。

PBRとの違いは?

PERと混同されやすい指標として、PBR(株価純資産倍率)があります。これらは株式投資における重要な指標ですが、それぞれ異なる視点から企業を評価するものです。

指標 計算式 評価基準 何がわかるか
PER 株価 ÷ EPS(1株あたり純利益) 収益力 利益に対する株価の割安・割高感、市場の成長期待
PBR 株価 ÷ BPS(1株あたり純資産) 純資産 資産価値に対する株価の割安・割高感

PERとPBR(株価純資産倍率)はどちらも企業の株価水準の割安・割高を評価するための指標ですが、PERは「収益力」、PBRは「資産価値」を基準とする点が大きな違いです。

PBRは一般的に1倍が目安とされ、1倍を下回ると割安、上回ると割高と判断されます。PERは株価をEPS(1株当たりの純利益)で割って算出しますが、PBRは株価をBPS(1株当たり純資産)で割って求めます。純利益は、企業が1年間に得た売上から経費や税金などを差し引いて最終的に残った金額のことで、純資産は会社が持つすべての資産から負債を差し引いたものです。

PERとPBRは、それぞれ単独で利用するのではなく、併せて活用することが大切です。例えば、PERが業界平均より低く、PBRも1倍を下回る銘柄は、収益力・資産価値の両面から割安で利益が狙える可能性が高いと判断できます。

ROEの算出に用いる

PERはROE(自己資本利益率)の算出にも関連しています。ROEは、企業が株主からの出資である自己資本を使って、どれだけの利益を生み出しているかを示す指標です。

ROEの基本的な計算式は「当期純利益÷自己資本×100(%)」となりますが、株価指標を用いた「PBR÷PER」という計算式でもROEを求めることが可能です。

PERが高い業種・低い業種は?市場別ランキングTOP3

PERは業種によって平均的な水準が異なるので、割安・割高を判断する際は、同業種間での比較を行うのが有効です。

以下の表は、市場ごとにPERの高い上位3業種と下位3業種をまとめたものです。

プライム市場の業種別PER

上位3業種 PER(倍) 下位3業種 PER(倍)
非鉄金属 35.2 海運業 6.2
ガラス・土石製品 32.6 電気・ガス業 11.2
精密機器 29.0 空運業 11.8

スタンダード市場の業種別PER

上位3業種 PER(倍) 下位3業種 PER(倍)
精密機器 23.7 空運業 5.6
電気機器 21.6 海運業 5.9
小売業 21.1 不動産業 11.0

グロース市場の業種別PER

上位3業種 PER(倍) 下位3業種 PER(倍)
機械 468.6 証券・商品先物取引業 10.0
金属製品 118.0 非鉄金属 10.8
卸売業 84.1 空運業 11.6

業種や市場区分によってPERの水準は大きく異なることがわかります。PERで割安・割高を判断する際は、必ず同一業種・同一市場内での比較を行うことが重要です。

出典:日本取引所グループ「規模別・業種別PER・PBR(連結・単体)一覧 2026年2月」

PERの目安は?「高い」「低い」の判断のポイント

PERの一般的な目安は15倍

PERは一般的に15倍を目安とされており、PERが15倍を超える場合に株価は割高、反対に15倍以下であれば割安と見なされることが一般的です。「高い」「低い」のどちらが良いということは一概には言えず、業種によってもPERの水準は異なりますので、同業他社や業界平均と比較することが重要です。

例えば、前述の市場別ランキングを見ると、プライム市場では上位の非鉄金属が35.2倍、ガラス・土石製品が32.6倍である一方で下位の海運業は6.2倍と、業種によるばらつきが見られます。また、成長期待の高いグロース市場では、最上位の機械が468.6倍に達するなど、市場区分によっても大きな差が見られます。

PERが「高い」場合、「低い」場合の判断ポイント

PERは「株価÷EPS(1株当たり純利益)」で計算されますが、PERの変動には、分子である株価と分母であるEPSの両方が影響します。PERが高い場合、低い場合に注意すべきポイントについてそれぞれ確認していきましょう。

PERが高い場合

株価が高いケース

企業の決算内容が予想を上回った場合や将来的な利益成長への期待が高まる場合など、株価が上昇するとPERも高くなります。特に成長企業では、現在の利益が少なくても将来の大きな成長が見込まれる場合に株価が上昇することがあり、PERが高くなりやすいと言えるでしょう。

EPS(1株当たりの純利益)が小さいケース

一時的な業績悪化や特別損失などで利益が減ると、EPSは減少し、PERが高くなります。この場合、一見PERは高く見えますが、たまたまその年が高かったということも考えられます。

PERが高い銘柄を見つけたら、株価が高いからなのか、EPSが小さいからなのか、そして過去からの推移も確認すると良いでしょう。

PERが低い場合

株価が低いケース

業績の悪化が予想されたり、将来性に不安があったりすると、株価が下落し、PERも下落します。あるいは、事業を展開する国・地域によっては、自然災害や地政学リスクを嫌気して株価が下落することも考えられます。

EPS(1株当たりの純利益)が大きいケース

企業業績が好調で利益が急増した場合、特別利益を計上した場合などは、EPSが一時的に増加し、PERの低下に繋がっているというケースが考えられます。また、業績は堅調で株価がその成長に追いついていないケースでは、株価の上昇余地があると見て買いのチャンスと考えることもあるでしょう。

PERが低い銘柄を見つけたら、株価が低いからなのか、EPSが大きいからなのかを見極めることが重要です。この場合も、一時的に低いのかどうかなどを確認するために、過去の推移を確認すると良いでしょう。

PERを活用できない場合

PERは、その数値を算出できないケースがあります。具体的には、赤字決算のため1株当たり純利益がマイナスになる場合です。そのためPERがマイナスの場合には、投資判断の材料として他の会社と比較することが難しくなります。

PERに関するよくある質問

PERに関して、初心者の方が疑問を感じやすい点を中心にQ&A形式でわかりやすくまとめます。

PERが低ければ低いほど「買い」なの?

必ずしもそうとは限りません。PERが低い理由には、「割安で投資チャンス」という場合もあれば、「業績悪化が予想されている」「成長性が乏しい」といったネガティブな理由の場合もあります。

例えば、PERが5倍と極端に低い企業は、市場から「今後利益が減少する」と予想されている可能性があります。低PER銘柄を見つけたら、なぜ低いのかを企業の決算資料やニュースで確認することが重要です。

PERが高い企業は割高だから投資しない方が良い?

一概にそうとは言えません。将来の成長が期待される企業(IT、バイオ、新興企業など)は、現在の利益は小さくても、将来の利益拡大を見込んで株価が上昇し、PERが30倍、50倍と高くなることがあります。

重要なのは「PERの高さに見合う成長が実現できそうか」を見極めることです。売上高成長率、新製品の開発や市場シェアの状況など、PERが高い理由を調べてみましょう。

マーケット情報で、PERが「−」や「N/A」と表示されるのはなぜ?

PERは「株価÷1株当たり純利益(EPS)」で計算しますが、赤字企業は純利益がマイナスになるため、計算結果もマイナスとなり、株価の割安・割高を測定する指標としては機能しません。そのため、証券会社のサイトなどでは「−」「N/A」「赤字」などと表示されることがあります。

ただし、赤字企業=投資してはいけない、というわけではありません。新規事業への先行投資や一時的な特別損失による赤字であれば、将来的に黒字転換して株価が上昇する可能性もあります。関心のある企業であれば赤字の理由を確認しておくとよいでしょう。

PERとは株価の割安・割高を判断する際に活用できる指標

PERとは、企業の株価を1株当たり純利益で割って求める指標で、株価の割安・割高を判断する際に役立ちます。一般的に15倍が一つの目安とされていますが、この基準は業種によって異なることに注意が必要です。

PERが低い企業を見つけた場合、即座に投資を決断するのではなく、まずその理由を慎重に分析しましょう。同時に、その企業の過去のPERの推移も確認し、現在のPERが一時的なものなのか、も長期的な傾向なのかを見極めることが大切です。

また、PERだけではなくPBRやROEなど、他の指標も活用して多角的な視点から企業を分析することで、より適切な投資判断ができるようになるでしょう。

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松井証券WEBサイト編集チーム

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