累進配当銘柄とは?注目の銘柄やメリットについてわかりやすく解説

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2026年09月10日

累進配当銘柄とは?注目の銘柄やメリットについてわかりやすく解説

累進配当銘柄とは、減配せず配当を維持または増加させることを基本方針として掲げている企業の株式のことです。安定した配当収入が期待できることから、長期投資を志向する投資家に近年注目されています。

本記事では、累進配当銘柄の意味や具体的な注目銘柄、メリット、NISAとの組み合わせ方についてわかりやすく解説します。


累進配当銘柄とは?

累進配当銘柄とは、減配せず配当を維持または増加させることを基本方針として掲げている企業の株式のことです。企業が「配当を減らさない・増やし続ける」という方針をIR情報や中期経営計画などで明示することが多く、企業の業績が多少変動した場合でも減配を避け、株主への安定的な還元を継続することを目指す姿勢を示し、投資家にとって安定した配当収入が期待できる点が大きな特徴です。

累進配当を掲げる企業は、業績や財務体質に自信がある大企業であることが多く、安定したキャッシュフローを背景に継続的な増配を実現しています。特に近年はウォーレン・バフェット氏の投資で注目された5大商社が相次いで累進配当を導入したことで投資家の注目が高まりました。

日経累進高配当株指数とは?

日経累進高配当株指数(愛称:しっかりインカム)とは、日本経済新聞社が2023年6月から算出・公表を開始した株価指数です。国内上場銘柄のうち、実績ベースで10年以上累進配当(増配または配当維持)を継続している銘柄の中から、予想配当利回りが高い上位30銘柄で構成されています。

同指数はほかの配当関連指数と以下のような違いがあります。


指数名 選定基準 構成銘柄数
日経累進高配当株指数
(愛称:しっかりインカム)
10年以上累進配当を継続する銘柄の中から予想配当利回りが高い銘柄を選定 30銘柄
日経連続増配株指数 10年以上連続して増配を続けている銘柄の中から連続増配期間の長い銘柄を選定 70銘柄
日経平均高配当株50指数 日経平均株価の構成銘柄の中から配当利回りが高い銘柄を選定 50銘柄
日経株主還元株40指数 日経平均株価の構成銘柄の中から配当金と自社株買い、債務返済の総額の3年平均を時価総額で割った「株主還元利回り」が高い銘柄を選定 40銘柄

日経累進高配当株指数の最大の特徴は「減配しない」という方針の継続性と「高い配当利回り」の両方を採用基準としている点です。単に利回りが高いだけでなく、10年以上にわたって累進配当を続けてきた実績を持つ企業のみが採用されます。

なお、構成銘柄の定期見直しは毎年6月の最終営業日に実施されるため、最新の採用銘柄は日経平均プロフィルの公式ページでご確認ください。


注目の累進配当銘柄

日経累進高配当株指数採用銘柄の中から、予想配当利回りが高い順・累進配当期間が長い順にそれぞれ5銘柄を紹介します。

予想配当利回りが高い累進配当銘柄5選


銘柄名(コード) 株価 予想配当利回り 累進配当期間 権利確定月
ディップ(2379) 1,821円 5.32% 21期 2月/8月
矢作建設工業(1870) 2,120円 5.18% 13期 3月/9月
LIXIL(5938) 1,744.5円 5.15% 28期 3月/9月
TSテック(7313) 1,795.5円 5.12% 16期 3月
サンゲツ(8130) 3,170円 4.88% 12期 3月/9月

※2026年9月8日時点

連続増配期間が長い累進配当銘柄5選

以下では日経累進高配当株指数採用銘柄の中から、累進配当期間が長い順に5銘柄をご紹介します。


銘柄名(コード) 株価 予想配当利回り 累進配当期間 権利確定月
武田薬品工業(4502) 5,760円 3.54% 44期 3月/9月
三菱HCキャピタル(8593) 1,390.5円 3.66% 34期 3月/9月
科研製薬(4521) 3,905円 4.86% 30期 3月/9月
LIXIL(5938) 1,744.5円 5.15% 28期 3月/9月
サカタインクス(4633) 2,486円 4.02% 27期 12月

※武田薬品工業(4502)については、2026年3月期にタコ配(1株配当が1株利益を上回る状態)となっています
※2026年9月8日時点

累進配当銘柄に投資するメリット

累進配当銘柄には、通常の高配当株や成長株とは異なる固有のメリットがあります。長期投資を検討している方にとって特に魅力的なメリットを3つご紹介します。

配当収入の増加が期待できる

累進配当銘柄の最大の魅力は、保有し続けるほど配当収入が増加していく可能性がある点です。株式投資で得られる収益には、株価の値上がり益であるキャピタルゲインと、配当金などの保有中に得られる収益であるインカムゲインの2種類があります。累進配当銘柄は後者のインカムゲインを重視した投資に適しており、企業が累進配当の方針を継続する限り、毎年受け取れる配当金が維持または増加していきます。

たとえば、1株あたりの配当金が毎年5円ずつ増配される場合、1,000株を保有していれば10年後には年間で現在より50,000円多くの配当収入を受け取れる計算になります。長期保有を前提とした場合、こうした配当収入の積み上がりは資産形成において大きな効果をもたらします。

減配リスクが低く投資計画を立てやすい

通常の高配当株は、企業業績が悪化した場合に配当が減額・停止される「減配リスク」があります。一方、累進配当銘柄は「配当を減らさない」という方針を企業が公式に掲げているため、業績が多少変動しても減配が行われにくい傾向があります。

そのため受け取れる配当金の見通しが把握することができ、具体的な投資計画を立てやすい点も魅力です。老後資金の準備や定期的な収入の補完を目的とした長期投資において、安定した配当収入は大きなメリットをもたらします。ただし、累進配当はあくまで企業が掲げる方針であり、経営環境の大幅な悪化などによって方針が変更されるリスクはゼロではない点には留意が必要です。

長期投資・NISAとの相性が良い

累進配当銘柄は、長期保有を前提とした投資スタイルと非常に相性が良い点も特徴です。配当が毎年維持・増加していく累進配当銘柄を長期保有し続けることで、安定的な資産形成が期待できます。

さらに、新NISAの成長投資枠を活用して累進配当銘柄を購入すれば、受け取った配当金に通常かかる約20%の税金が非課税となります。毎年増加していく配当収入をまるごと手元に残せるため、NISAとの組み合わせは累進配当銘柄への投資をより効率的なものにしてくれます。長期投資・累進配当・NISAの3つを組み合わせることで、着実な資産形成を目指せるでしょう。


累進配当銘柄に関するよくある質問

配当を多く出す銘柄は安全?

配当を多く出す銘柄が必ずしも安全とは言い切れません。配当の多さを判断するうえで重要な指標のひとつが「配当性向」です。配当性向とは、企業が当期純利益のうち何%を配当金として株主に還元しているかを示す指標で、以下の計算式で求めることができます。


配当性向(%) = ( 1株当たり配当額 ÷ 1株当たり純利益(EPS) )×100


配当性向が高いほど利益の多くを配当に充てていることを意味しますが、配当性向が100%を超えている場合は、利益以上の配当を支払っている状態(タコ配)であり、財務的な健全性に注意が必要です。一方、配当性向が低すぎる場合は、利益を内部留保として蓄積し将来の成長投資に充てている可能性もあります。

累進配当銘柄においても、配当方針の継続性を判断するうえで配当性向は重要な確認ポイントとなります。配当利回りの高さだけで判断するのではなく、配当性向や企業の財務状況・業績動向をあわせて確認することが、安定した配当収入を長期的に受け取るうえで大切です。

累進配当銘柄に投資する際の注意点は?

累進配当銘柄への投資においては、累進配当はあくまで企業が掲げる「方針」であり、将来にわたって必ず保証されるものではない点に注意が必要です。経営環境の大幅な悪化や業績の急激な落ち込みによって、長年維持してきた累進配当の方針が変更・撤回されるリスクはゼロではありません。

また、配当収入が安定していても株価自体が下落すれば資産全体としては損失が生じる可能性もあります。投資する際は企業の財務状況や業績動向を定期的に確認し、一銘柄への集中投資を避けながら分散投資を心がけることが重要です。


タマゴはひとつのカゴに盛るな

古くから伝えられてきた「タマゴはひとつのカゴに盛るな」という相場の格言。ひとつに盛ると、カゴを落としてしまった場合にタマゴが全部割れてしまいかねませんが、いくつかのカゴに分けてタマゴを盛っていれば、カゴを1つ落としてもすべてのタマゴを割ってしまうことは避けられます。集中投資を避け、リスクを分散させることの大切さを説く格言です。


高配当株との違いは?

高配当株とは、現時点での配当利回りが高い銘柄を指します。一方、累進配当銘柄は配当利回りの高さではなく、「配当を減らさず維持または増加させる」という企業の配当方針に着目した概念です。

高配当株は現時点での利回りが高くても、業績悪化によって減配が行われるリスクがある一方、累進配当銘柄は減配リスクが低く安定した配当収入が期待できる点が大きな違いです。なお、累進配当銘柄の中には現時点での配当利回りが必ずしも高くない銘柄も含まれます。

なお、松井証券では、配当利回りの高い銘柄について紹介する「高配当銘柄ランキング」を公開しています。配当利回りランキングや各銘柄の詳細情報を確認することができるため、累進配当銘柄との比較や投資判断のご参考にぜひご覧ください。

NISAで累進配当銘柄に投資できる?

累進配当銘柄は新NISAの成長投資枠を利用して購入することができます。新NISAの成長投資枠を活用すれば、年間240万円の投資上限額の中で、受け取った配当金や売却益にかかる約20%の税金が非課税となります。毎年増加していく配当収入を丸ごと手元に残せるため、長期保有を前提とした累進配当銘柄への投資においてNISAの活用は特に効果的です。

ただし、NISA口座で受け取る配当金を非課税にするためには、配当金の受け取り方法を「株式数比例配分方式」に設定する必要があります。株式数比例配分方式とは、証券会社で開設している口座で配当金を受取る方式で、各証券会社での保有残高にあわせてそれぞれの口座に配当金が入金されます。その他の受け取り方法を選択している場合は非課税の対象とならないため、事前に設定を確認しておきましょう。

松井証券ではNISA口座での株式取引や投資信託など取引手数料が無料です。松井証券でのNISA口座開設を検討してみてはいかがでしょうか。


累進配当銘柄への投資で安定した資産形成を始めよう

累進配当銘柄とは、減配せず配当を維持または増加させることを基本方針として掲げている企業の株式のことです。配当収入の増加が期待できる点や減配リスクが低く投資計画を立てやすい点から、長期投資を志向する投資家に注目されています。

また、新NISAと組み合わせることで、毎年増加していく配当収入を非課税で受け取ることができ、より効率的な資産形成が期待できます。ただし、累進配当はあくまで企業が掲げる方針であり、将来にわたって保証されるものではありません。企業の財務状況や業績動向を定期的に確認しながら長期的な視点をもって、安定した資産運用を目指していきましょう。


著者プロフィール

松井証券WEBサイト編集チーム

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「投資をまじめに、おもしろく」を目指して、株式投資(日本株・米国株)、投資信託、FX、NISA、先物・オプション取引などの用語解説や取引の魅力などについて発信し、皆さんの資産形成をサポートします。


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