窪田朋一郎のウィークリーマーケットトーク ~今週の振り返りと来週のポイント~
今週の東京株式市場:AI関連株と金融政策期待で最高値更新
今週の東京株式市場は、AIインフラ関連銘柄への期待感と金融政策への思惑から、週前半は日経平均株価が連日で最高値を更新する展開となりました。
週初は、米国株安の影響で警戒ムードがありましたが、半導体製造装置関連や光ファイバー関連銘柄への買いが活発となり、相場を押し上げました。25日には日経平均が初めて5万8000円台に乗せ、大幅な上昇となりましたが、理由としては日銀の次期審議委員がリフレ派とみられる人選であったことで、日銀の利上げ観測が後退し相場を押し上げました。
26日には一時5万9000円台を記録し、6万円の大台に接近。ただ木曜日以降は、米エヌビディアの決算を受けた材料出尽くし売りに押されました。
個別銘柄では、週前半は半導体関連のアドバンテストやディスコ、電線株のフジクラや古河電気工業などが買われました。一方で、銀行株は日銀の金融政策への思惑から値動きが激しくなりました。
今後は、AI関連技術の進展や日銀の金融政策、為替動向などが相場の焦点となりそうです。
今週の個別銘柄解説:半導体と金融政策が相場を動かす
アドバンテスト(6857):
上場来高値を更新しました。米国半導体株の好調や、主要顧客のエヌビディアの好決算が追い風となりました。半導体関連株への投資マネーが流入し、株価を押し上げています。注目されていたエヌビディアの決算は、次の第1四半期の売上高コンセンサスが729億ドルに対し会社の新ガイダンス780億ドル前後が提示され良好でしたが、成長がピークアウトするとの見方から利益確定売りに押され、アドバンテストもその流れに押される展開となりました。
キオクシアホールディングス(285A):
協業相手の米サンディスクに関する空売りレポートの影響を受け、急反落しました。半導体株全般が堅調な中で逆行安となっています。
日本製鉄(5401):
ユーロ円建て転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行を決定し、約6000億円の調達を行うことを発表しました。USスチール買収に関するブリッジローンの返済に充当する予定です。将来の株式希薄化リスクが意識され、4日続落となっています。
みずほフィナンシャルグループ(8411):
高市首相が日銀総裁との会談で追加利上げに難色を示したとの報道を受け、大幅に3日続落しました。銀行業界全体に売り圧力がかかり、業績拡大期待の低下が見られます。
住友金属鉱山(5713):
5連騰で上場来高値を更新しました。米国の関税政策の混乱による金価格上昇や、米国とイランの核協議を控えた地政学リスクへの思惑から買いが入っています。銅価格の堅調さも追い風となっています。
上記の銘柄などをサクッと動画で解説している動画を2/27(金)21:00に
松井証券YouTubeマーケットナビで公開予定です。
下記リンクから是非ご覧ください。
来週の注目トピック
米・小売売上高:
米国商務省が毎月発表する経済指標です。市場のコンセンサス予想では、前月比で+0.1%前後とかなり控えめな数字が中心となっています。直近の12月実績が前月比0.0%(予想0.4%を大幅に下回る横ばい)だった流れを引き継ぎ、個人消費の勢いがやや失速気味であることを反映した慎重な見通しです。特にコア小売売上高(自動車・ガソリン・建材・飲食サービスを除くコントロールグループ)については、さらに弱めの数字を予想する声が多く、全体として「横ばい〜やや弱め」のムードが支配的です。今後のFRBの利下げ姿勢にどのような影響を与えるのかに注目が集まります。
米・ISM非製造業景気指数:
米供給管理協会(ISM)が毎月発表する経済指標で、非製造業セクターの景況感を示します。
1月実績が53.8(予想53.5を上回り、前月比横ばい)と堅調に推移した流れを受け、市場コンセンサスでは52.0〜53.0前後のやや低下予想が主流となっています。50超えの拡大継続はほぼ確実視されていますが、雇用指数が50.3とギリギリ拡大圏に留まったことや、新規受注の減速、輸出注文の急落、関税影響への懸念コメントが増えている点から、勢いの鈍化を織り込んだ慎重な見方が広がっています。
米・雇用統計:
米国労働省が毎月発表する最も注目度の高い経済指標の一つです。
1月の実績が+130,000人(予想70,000人を大幅上回り)と意外に強く、失業率も4.3%へ低下した流れを受け、次回市場コンセンサスは+60,000〜70,000人前後とやや控えめな数字が中心となっています。失業率は4.3〜4.4%程度で横ばい〜微増予想が多く、労働市場の勢いが1月の反発から再び鈍化するとの見方が主流です。背景として、2025年の大幅下方修正(年間雇用増が181,000人に激減)で基調的な弱さが露呈した一方、1月のヘルスケア・建設中心の回復が一時的か本物かを測る重要な指標です。全体として「堅調だが勢い鈍化」のムードで、FRBの利下げ観測を左右しやすい最重要イベントの一つです。