窪田朋一郎のウィークリーマーケットトーク ~今週の振り返りと来週のポイント~

2026年05月08日

窪田朋一郎のウィークリーマーケットトーク ~今週の振り返りと来週のポイント~


GW前後の東京株式市場:日経平均は一時6万3000円台突破、AI関連株が牽引

ゴールデンウィーク前後の東京株式市場は、日経平均株価が大きく上昇し、史上初の6万3000円台を記録するなど、激動の展開となりました。
4月27日には半導体関連株を中心に買いが集まり、日経平均は6万円台を回復。しかし、28日には日銀の金融政策決定会合後で金融政策の現状維持に対する反対票が増えたことから早期の利上げ観測が広がり、主力銘柄に売りが出て反落しました。30日には原油高と金利上昇への警戒感から、日経平均は一時1000円近い下落を記録。しかし、5月1日には東京エレクトロンの好決算を受けて反発し、7日の連休明けには史上最大の上げ幅を記録し、6万3000円台に乗せました。
この間、AI・半導体関連銘柄が相場を牽引し、キオクシアホールディングスやソフトバンクグループなどが大きく上昇しました。一方で、原油価格の変動や円安進行、日米の金融政策への思惑など、外部要因による影響も大きく、物色される銘柄とそうでない銘柄の選別が進みました。今後は、企業決算の内容や中東情勢、為替動向、そして日米の金融政策の行方に注目が集まるでしょう。


今週の個別銘柄解説:急騰の銘柄と業績明暗

オリエンタルランド(4661)

株価が急落し、約7年ぶりの安値を記録しました。東京ディズニーシー(TDS)25周年イベント開始にもかかわらず、2027年3月期の業績予想が営業減益となり、市場予想を下回ったことが要因です。売上高は過去最高を見込むものの、ホテル修繕工事やコスト増が利益を圧迫しています。今後、チケット価格の見直しやアトラクション利用の有料時間指定サービスなどで収益改善を図る方針です。入園者数は増加傾向にありますが、混雑による顧客満足度低下のリスクもあります。株価回復には、客数と客単価のバランスの取れた成長が鍵となるでしょう。次の成長ドライバーとして、28年度に日本発のディズニークルーズが就航予定ですが、それまでまだ時間があるため、しばらくは軟調な値動きが続きそうです。

ソフトバンクグループ(9984)

AIロボティクスやデータセンター事業を手がける新会社「Roze」を米国で設立し、年内にも上場させる計画であることが報じられました。評価額1000億ドル(約16兆円)を目指すこの動きは、孫正義氏が主導し、AI分野への巨額投資負担を軽減する狙いがあるとされています。ソフトバンクGは最近、オープンAIへの追加投資や複数の企業買収を通じてAI分野への投資を加速させており、5000億ドル規模のデータセンター構想「スターゲート」も計画しています。しかし、中東情勢の不確実性や巨額投資への懸念から、一部で慎重な見方も出ています。

住友商事(8053)

2027年3月期の連結純利益見通しを前期比5%増の6300億円と発表し、2期連続で過去最高を更新する見込みです。市場予想をやや上回る業績予想に加え、7月1日付で1株を4株に分割し株式の流動性向上と投資家層拡大を図ることや、最大800億円(約1.8%)の自社株買いを実施すると発表しました。これを受け株価は制限値幅の上限まで急伸し、上場来高値を更新しました。業績面では、デジタル・AI事業や輸送機・建機事業の伸長が見込まれる一方、中東情勢の影響による減益要因も織り込んでいます。また、マダガスカルのニッケル鉱山事業の持ち分譲渡を決定し、約700億円の損失を計上する見込みですが、全体の損益への影響は軽微としています。これらの施策と堅調な業績見通しが投資家から好感されたと言えるでしょう。

任天堂(7974)

7日の株価は3日連続で下落し、2024年8月以来の安値を更新しました。メモリー価格高騰による「スイッチ2」の採算悪化懸念や、2027年3月期の業績伸び悩み予想が主な要因です。8日に予定される2026年3月期決算発表を前に、投資家の慎重姿勢が強まっています。新作ゲーム「スターフォックス」の発表は一定の支援材料となりましたが、市場では株価反転には力不足との見方が優勢で、大型のキラーコンテンツ不足が指摘されています。ただし、決算発表後は売り材料出尽くしによる買い戻しの可能性も期待されます。

キオクシアホールディングス(285A)

7日に急騰し、制限値幅の上限(ストップ高水準)まで買われました。前営業日比19.22%高の4万3410円まで上昇し、午前の取引では値が付かないという異例の事態となりました。同社の時価総額は約23兆7000億円に達し、日立製作所を上回って時価総額ランキング6位に浮上、ファーストリテイリングに迫る勢いを見せています。背景には、米国のフィラデルフィア半導体株指数(SOX)の最高値更新や、韓国サムスン電子の好決算があります。AIデータセンター向け需要拡大による半導体市況の強さが投資家の強い買い意欲を引き出しています。

上記の銘柄などをサクッと動画で解説している動画を5/8(金)21:00に
松井証券YouTubeマーケットナビで公開予定です。
下記リンクから是非ご覧ください。


来週の注目トピック

米CPI

12日(火)に発表される4月の消費者物価指数(CPI)は、インフレのピークアウトやFRBの利下げペースを占う上で、市場が最も注目する指標の一つです。米国の関税政策の影響もさることながら、イラン戦争後の原油高騰がどの程度転嫁されているかが注視されます。足元では今後の政策金利に先行すると言われているアメリカの2年債利回りが3.9%まで上昇していますが結果が予想を上回る水準の場合、インフレの再燃・FRBによる利下げ停止懸念から株価にはマイナスの影響が考えられます。

企業決算

ソフトバンクGや銀行など主力大型株の3月期決算発表が相次ぎピークを迎えます。実績値以上に2027年3月期の業績見通し(会社計画)が焦点です。強気な業績予想や市場予想(コンセンサス)を上回る計画が示されるか、AI関連の投資・需要の継続性に注目です。今回の決算会見に孫社長は登壇しない見込みですが、ソフトバンクGのAIに対する強気な見通しが投資家に受け入れられれば、日経平均のさらなる上値を試す展開が期待されます。


著者プロフィール

窪田朋一郎

窪田朋一郎

松井証券シニアマーケットアナリスト。
松井証券に入社後、WEBサイトの構築や自己売買担当、顧客対応マーケティング業務などを経て現職。ネット証券草創期から株式を中心に相場をウォッチし続け、個人投資家の売買動向にも詳しい。日々のマーケットの解説に加えて、「マザーズ信用評価損益率」や「デイトレ適性ランキング」「マーケットラボ アクティビスト追跡画面」など、これまでにない独自の投資指標を開発。


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