株価の大暴落とは?なぜ起こる?どうしたらいい?過去の事例とともに解説
株価の大暴落とは、経済危機・地政学リスク・パンデミックなど、予測困難な出来事をきっかけに突発的に起こるものです。
本記事では、株価大暴落の原因・メカニズムや過去の事例から、暴落時に注意すべき行動や備え方まで、わかりやすく解説します。
目次
株価の大暴落とは?
株価の大暴落とは、株式市場において株価が急激に大幅な下落をする現象のことです。
歴史的には、経済の不安や特定の出来事、地政学的リスク、パンデミックなどが引き金になることが多く、投資家の心理に大きな影響を与えます。例えば、1987年のブラックマンデーや2008年のリーマンショックは、株価の大暴落の代表的な例として知られています。
これらの大暴落は、単に株価が下がるだけでなく、企業の倒産、失業率の上昇、消費の減退など経済全体にも深刻な影響を及ぼすことがあります。
株価が大暴落する原因・メカニズム
株価の大暴落は、さまざまな要因が複合的に絡み合って発生します。代表的な原因を以下にご紹介します。
経済危機
金融機関の破綻や不動産バブルの崩壊など、実体経済に深刻なダメージを与える出来事が株価の大暴落を引き起こすことがあります。
2008年のリーマンショックはその代表例で、米国の大手投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻をきっかけに世界規模の金融危機へと発展し、世界中の株式市場が急落しました。
経済の根幹を揺るがす危機は投資家心理を著しく悪化させるため、売りが売りを呼ぶ連鎖反応が起きやすくなります。
国際情勢(地政学リスク)
戦争・テロ・国家間の対立激化といった地政学リスクも、株価の大暴落を引き起こす要因となります。
2026年2月末頃に起きたアメリカのイラン攻撃が記憶に新しいですが、特に原油などの資源価格や貿易に直接影響を与えるような事態が発生すると、世界経済への悪影響が懸念されて株式市場が急落するケースがあります。
こうした事態は突発的に発生することが多く、市場参加者が対応する間もなく株価が大きく動くことが特徴です。
金融政策
中央銀行による金融政策の変更も、株価に大きな影響を与えます。
特に急激な利上げは、企業の借入コスト増加や投資家の資金調達コスト上昇につながるため、株価の下落要因となりやすいです。
一方、利下げ局面では株価が上昇しやすい傾向があります。市場の想定を超えるペースで金融政策が変更された場合は、株価が急激に反応することがある点に注意が必要です。
パンデミック
新型コロナウイルスのような世界規模の感染拡大は、経済活動を急停止させ株価の大暴落につながることがあります。
2020年のコロナショックでは、感染拡大への不安から世界中の株式市場が急落し、日経平均株価は約1ヶ月で約30%下落しました。
パンデミックは予測が難しく、発生直後は先行き不透明感が高まるため、投資家心理が急速に悪化しやすい点が特徴です。
パニック売り
上記のような出来事をきっかけに、投資家が一斉に株式を売却しようとする「パニック売り」が起きると、株価の下落が急加速します。
特に近年は自動売買の普及により、一定の価格水準を割り込むと自動的に大量の売り注文が出される仕組みが存在するため、下落の速度と幅がさらに大きくなりやすい傾向があります。
パニック売りは株価の実態よりも過剰に値を下げることがあり、後から振り返ると「売りすぎだった」と評価されるケースも少なくありません。
過去の株価大暴落の事例
株価の大暴落は、歴史上何度も繰り返されてきました。
暴落のパターンや回復の過程を理解し、いざというときに冷静な判断ができるよう、過去の事例を学んでいきましょう。
| 事例 | 時期 | 主な原因 | 下落幅 |
|---|---|---|---|
| ブラックマンデー | 1987年10月 | プログラム売買の連鎖・過熱相場の崩壊 | NYダウ約22%(1日) |
| バブル崩壊 | 1990年〜 | 金融引き締め・資産価値の低下 | 日経平均約63%(数年) |
| ITバブル崩壊 | 2000年〜 | IT企業への過剰な期待 | ナスダック約78%(数年) |
| リーマンショック | 2008年~ | 米大手投資銀行破綻・世界金融不安 | 日経平均約43%(半年) |
| コロナショック | 2020年2〜3月 | 新型コロナウイルスのパンデミック | 日経平均約30%(約1ヶ月) |
| 令和のブラックマンデー | 2024年8月 | 日銀利上げ・米景気懸念 | 日経平均約12%(1日) |
| トランプショック | 2025年4月 | トランプ大統領の相互関税発表 | 日経平均約15%(数日) |
ブラックマンデー
1987年10月19日(月曜日)、ニューヨーク証券取引所においてダウ工業株30種平均が1日で約22%下落するという史上最大の暴落が発生しました。
コンピューターによる自動売買が普及し始めた時代に、売りが売りを呼ぶ連鎖反応が起き、わずか1日で大量の売り注文が市場に殺到したことが原因です。
この出来事は「ブラックマンデー」と呼ばれ、株価の急落がいかに突発的に起こりうるかを世界に示した歴史的事件となりました。
バブル崩壊
1980年代後半、日本では株式・不動産価格が実態を大きく上回る「バブル経済」が形成されました。
1989年末に日経平均株価は約3万9,000円の当時の史上最高値を記録しましたが、日本銀行の金融引き締めをきっかけにバブルが崩壊し、その後数年をかけて日経平均は約63%下落しました。
日本経済はその後「失われた20年」とも呼ばれる長期停滞期に入り、日本の個人投資家にとって最も身近な大暴落事例のひとつです。
「日経平均株価」を知っていますか?
ニュースやSNSでよく話題になるけど、実はよくわかっていない…
日経平均株価って一体なに?わたしたちの生活とどう関わりがあるの?
そんな初心者のために松井証券が基本から丁寧に解説!
ITバブル崩壊
1990年代後半、インターネットの普及とともに関連企業の将来性を期待して、通信・IT関連企業の株価が急騰しました(= ITバブル)。
2000年前後にバブルが崩壊すると、米ナスダック総合指数は約78%下落し、多くのIT企業が経営破綻しました。日本でも新興市場を中心に株価が急落し、投資家に大きな損失をもたらしました。
過剰な期待による株価の膨張がいかに危険かを示す事例として、現在もAIブームなどと対比して語られることがあります。
リーマンショック
2008年9月、米国のサブプライムローン問題が金融システム全体に波及し、米国の大手投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻したことをきっかけに、経済活動は一気に冷え込み世界中の株式市場が急落しました。日経平均株価は約半年で約43%下落し、2009年3月10日にはバブル崩壊以降最安値の7,054円98銭(終値)を記録するなど、世界経済は深刻なダメージを受けました。
金融機関が抱えるリスクが連鎖的に拡大するシステミックリスクの恐ろしさを示した事例です。
コロナショック
2020年2〜3月、新型コロナウイルスのパンデミックを受けて、世界中の株式市場が急落しました。
経済活動の急停止への不安から投資家心理が一気に悪化し、日経平均株価は約1ヶ月で約30%下落しました。
しかし、各国政府・中央銀行による大規模な財政出動・金融緩和策が功を奏し、株式市場は比較的短期間での回復を見せました。パンデミックという予測困難な事態が株式市場に与える影響の大きさを示した事例です。
令和のブラックマンデー
2024年8月5日(月曜日)、日経平均株価は1日で約4,451円(約12%)下落し、下落幅としては史上最大を記録しました。
日本銀行の追加利上げの決定や米国の景気悪化懸念が重なったことで投資家心理が急速に悪化し、パニック売りが連鎖しました。その下落幅の大きさから1987年のブラックマンデーになぞらえて「令和のブラックマンデー」と呼ばれています。
しかし翌日には前日比3,217円(約10%)高と大幅な反発を見せ、暴落後の急回復という特徴を示した事例でもあります。
トランプショック
2025年4月、トランプ米大統領が主要貿易相手国に対する高率の相互関税を発表したことをきっかけに、世界の株式市場が急落しました。
関税による世界経済の減速懸念が一気に高まり、日経平均株価は数日間で約15%下落し、米国株も含め世界的な株安が連鎖しました。
特定の政治的意思決定が株式市場に与える影響の大きさを改めて示した事例として、記憶に新しい暴落のひとつです。
株価が大暴落した際に注意すべき行動
株価が大暴落すると、誰もが不安や恐怖を感じ、冷静な判断が難しくなります。しかし、そのような局面でとってしまいがちな行動が、後悔につながるケースは少なくありません。
ここでは、暴落時に注意すべき行動をいくつかご紹介します。
狼狽売り(パニック売り)
狼狽売りとは、株価の急落に恐怖を感じ、冷静な判断ができないまま慌てて株式を売却してしまうことです。
「これ以上損失が拡大する前に売りたい」という心理から生じますが、暴落後に株価が回復した場合、売却したタイミングが「最安値での売り」になってしまうリスクがあります。
歴史的に見ても、株価の大暴落の後には回復する局面が訪れているケースがほとんどです。長期投資を前提としている場合は、暴落時に慌てて売却するのではなく、あらかじめ決めておいた投資方針に従って冷静に判断することが大切です。
積立中断
株価が大きく下落すると、「このまま積立を続けても損をするだけでは」という不安から、積立投資を中断してしまう方もいます。しかし、積立投資の観点からは暴落時こそ安い価格で多くの口数を購入できるチャンスでもあります。長期的な資産形成の観点からは暴落時も積立を継続することが重要です。
ナンピン買いのしすぎ
ナンピン買いとは、保有している株式の価格が下落した際に、平均取得単価を下げることを目的として追加購入することです。「暴落で安くなったから、今がチャンス」と判断して追加投資を行うこと自体は必ずしも間違いではありません。しかし株価がさらに下落した場合、損失がより大きく膨らんでしまうリスクがあります。
また、暴落時は生活資金や緊急時の予備資金まで投資に回してしまうケースもあり、いざというときに資金が用意できない状況に陥ることもあります。追加投資を行う際は、余裕資金の範囲内で行うことを徹底しましょう。
暴落時への備え方・とるべき対処法
株価の大暴落は、いつ・どのタイミングで起きるかを正確に予測することは誰にもできません。だからこそ、暴落が起きる前から備えておくことが重要です。ここでは、暴落時への備え方やとることのできる対処法をいくつかご紹介します。
分散投資
特定の銘柄・資産・地域に集中して投資していると、その対象が暴落した際に資産全体が大きなダメージを受けてしまいますが、株式・債券・不動産(REIT)・コモディティなど、値動きの異なる複数の資産クラスに分散することで、特定の資産が暴落しても他の資産がカバーする効果が期待できます。
また、国内だけでなく海外にも分散することで、特定の国や地域の経済状況に左右されにくいポートフォリオを構築することができます。
投資信託やETFを活用すれば、少額から複数の銘柄・地域に手軽に分散投資することが可能です。暴落リスクを軽減するうえで、まず取り組みたい備えのひとつといえるでしょう。
損切りラインの設定
損切りとは、保有している資産の価格が一定水準まで下落した際に、それ以上の損失拡大を防ぐために売却することです。暴落が始まると、「もう少し待てば回復するかもしれない」という心理から損切りのタイミングを逃しがちです。しかし、あらかじめ「購入価格から〇%下落したら売却する」というルールを決めておくことで、感情に左右されず冷静に対応することができます。
積立継続
暴落時に積立投資を継続することは、長期的な資産形成において非常に有効な戦略です。
積立投資では価格が下落した局面でより多くの口数を購入できるため、長期的には平均取得単価を下げる「ドルコスト平均法」の効果が発揮されます。
たとえば、毎月一定額を積み立てている場合、暴落によって基準価額が下がった月はより多くの口数を購入できます。その後価格が回復した際には、安く購入した口数分の利益が大きくなるため、長期的なリターンの向上が期待できます。暴落時こそ積立を継続する意義があるといえるでしょう。
松井証券では投資信託を100円の少額から積立購入することができ、購入時手数料も無料です。暴落時でも焦らず積立を続けられる環境として、ぜひご活用ください。
株価大暴落に関するよくある質問
株価の大暴落はいつ起こるの?
株価の大暴落がいつ起こるかを正確に予測することは、プロの投資家にも不可能です。
過去の暴落を振り返っても、ブラックマンデーやリーマンショック、コロナショックなど、歴史的な暴落の多くは経済危機・地政学リスク・パンデミックといった突発的な出来事をきっかけに発生しており、事前に察知することは非常に困難です。また、そうした出来事をきっかけにパニック売りが連鎖することで、下落がさらに加速するケースも少なくありません。
だからこそ、暴落が起きてから慌てるのではなく、分散投資や損切りラインの設定など、日頃からの備えが重要です。
NISAで積立中に暴落したらどうなる?
NISA口座で積立投資をしている場合も、暴落時には基準価額が下落するため、一時的に資産評価額がマイナスになることがあります。
しかし、積立投資では価格が下落した局面でより多くの口数を購入できるため、長期的には平均購入単価を下げる効果が期待できます。暴落時こそ積立を継続することが、長期的な資産形成において重要です。
株価の大暴落は備えが肝心!松井証券で分散投資を始めよう
株価の大暴落はいつ起こるか予測できませんが、過去の事例が示すように、暴落後には回復する局面が訪れるケースがほとんどです。分散投資・損切りラインの設定・積立継続など、日頃からの備えが暴落時の冷静な判断につながります。
こちらの動画では、「歴史的株価乱高下」を経験した投資家たちのエピソードを再現ドラマでご紹介しています。当時の失敗を振り返り、そこから学ぶことで「次に来るかもしれない株価の乱高下」に備えられるような内容となっていますので、これからの資産運用にぜひご参考にしてください。