窪田朋一郎のウィークリーマーケットトーク ~今週の振り返りと来週のポイント~
2026年初 株式市場 乱高下の幕開け
2026年の東京株式市場は、初週から波乱の展開となりました。大発会から2日間で日経平均は2178円も上昇し、5万2000円台半ばまで急騰、半導体関連やAI関連の主力銘柄を中心に機関投資家の資金が流入し、TOPIXも史上最高値を更新しました。
しかし、週後半には一転して下落基調となります。中国が日本への輸出規制強化を発表したことで、関連する可能性がある銘柄に警戒感が広がりました。主力株への利益確定売りも重なり、日経平均は2日間で1400円超下落しました。
個別銘柄では、アメリカで世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2026」が開催されたこともあり、キオクシアホールディングスが連日売買代金トップとなるなど売買が盛り上がったほか、半導体製造装置関連やエネルギー関連株にも注目が集まりました。
週末にかけては、防衛関連やレアアース関連銘柄に買いが入るなど、物色の動きは継続。全体的には値動きの荒い展開となりましたが、売買代金は6兆円前後と高水準を維持し、投資家の物色意欲の強さがうかがえました。
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② 今週の個別銘柄解説:テック株高騰と地政学リスクの影響
キオクシアホールディングス(285A):
CES 2026開催を背景にメモリー需要拡大期待が高まり3連騰。米サンディスクの27%急騰も追い風でした。また、エヌビディアのAI向け新ストレージインフラ発表が好材料となっています。一部証券会社が投資評価を引き上げ、目標株価を1万6400円に上方修正。東証で売買代金トップを記録する日もあり、上場来高値に迫る展開に。
三菱重工業(7011):
利益確定売りを受けつつも底堅さを発揮しています。米国のベネズエラ攻撃や中国の対日輸出規制強化など地政学リスクの高まりが防衛関連株への資金流入を促進。週前半にかけては米ロッキード・マーチンの株価上昇も追い風となり、4200円近辺で売り物をこなす展開に。
アドバンテスト(6857):
米国株市場でのAI・半導体関連株の買い戻しを背景に、やや買い優勢。主要顧客である米エヌビディアへの期待から見直し買いの対象となっています。ただし、信用買い残の積み上がりが上値を重くしている状況です。
ソフトバンクグループ(9984):
米ハイテク株の反発を受けて続伸後に急落。傘下のアーム・ホールディングスも底値圏から回復傾向です。CES 2026でのフィジカルAIへの注目も追い風。2025年の売買代金が48兆円超で全上場企業首位を記録しました。今年のAI相場の行方を占う重要銘柄として注目されています。
みずほフィナンシャルグループ(8411):
他の銀行株とともに上昇しました。米長期金利上昇や日銀の利上げ継続期待が追い風に。地政学リスクの高まりにも関わらず金融市場への影響は限定的。貸出金利上昇への期待も高まり、事業環境改善期待から投資家の買い意欲が強まっています。
INPEX(1605):
米国のベネズエラ攻撃にも関わらず、WTI原油価格は横ばい圏で推移しています。ベネズエラの原油生産量が世界市場に占める割合が小さいことから影響は限定的。トランプ大統領の米国石油企業投入発言も増産思惑を誘っています。全体相場の上昇も追い風となり、他の石油関連銘柄とともに堅調な値動きを示しています。
来週の注目トピック
米・消費者物価指数(CPI)
1/13(火)22:30に発表の消費者物価指数(CPI)は、インフレ動向を示す重要な経済指標として注目されています。CPIの結果次第では、今後のFRBの金融政策に影響を与える可能性があり、特に予想を下回る結果となった場合、米国の利下げ期待が強まる可能性があります。
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米・小売売上高
小売売上高は、消費者の購買活動を直接反映する重要な経済指標です。来週の発表では、2025年11月分、12月分の前月比での増減が注目されています。クリスマスシーズンにあたる時期の小売売上高の結果は、アメリカの消費者信頼感や経済全体の健全性を示す指標として、金融市場や政策決定に影響を与える可能性があります。
アノマリー:1月効果
年初に資金流入が起こりやすいことから、1月の収益率は他の月よりも高くなりやすいとされています。この現象は特に小型株や前年のパフォーマンスが悪かった銘柄で顕著に見られる傾向があります。要因としては、年末の税金対策売りの反動や、機関投資家の新年度の投資行動などが挙げられます。近年では効果が弱まっているという指摘もありますが、依然として年初の相場動向を占う上で重要な指標の一つとされています。今週の東証グロース250指数は堅調で、先行きに期待が高まる展開となりました。