窪田朋一郎のウィークリーマーケットトーク ~今週の振り返りと来週のポイント~
乱高下する東京市場 半導体株が主役に
今週の東京株式市場は、変動の激しい展開となりました。週初めの2日は、半導体主力株の大幅安が目立ち、日経平均株価は667円安と続落しました。しかし、3日には一転して2,065円高と急反騰し、史上最高値を更新。リスク選好の姿勢が鮮明となり、AI・半導体関連株への買いが目立ちました。
4日には再び427円安と反落。米国株市場でSaaS株(ネット上での情報処理サービス会社)の下落を受け、日経平均でも寄与度の大きい銘柄に売りが集まりました。ただし、個別株の物色意欲は活発で、値上がり銘柄数は多くなりました。
5日も475円安と続落。米半導体株安や貴金属相場の急落が重荷となり、日経平均の下げ幅は一時600円を超えました。半導体関連株が軒並み安となる一方で、決算発表に伴う個別株への物色意欲は旺盛でした。
週を通じて、半導体関連株の動向が市場全体の方向性を左右する要因となりました。また、為替市場での円安進行や衆院選の動向なども相場に影響を与えました。売買代金は連日8兆円を超える高水準となり、市場の活況ぶりが際立ちました。
来週は、米国の経済指標や企業決算、そして暗号資産やコモデティの動向にも注目が集まりそうです。投資家は引き続き、慎重な姿勢で市場と向き合うことが求められます。
今週の個別銘柄解説:好決算と懸念材料 明暗分かれる
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306):
2026年3月期第3四半期累計の純利益が前年同期比3.7%増の1兆8135億800万円と過去最高を更新しました。政策金利引き上げの追い風や、債券ポートフォリオの組み替えによる収益改善、手数料収入の増加が寄与しています。しかし、株価は利益確定売りに押される展開となりました。
この先、消費減税が実際に行われると、円安が加速するため日銀は追加の利上げを迫られる可能性がありますが、その場合銀行には追い風となりそうです。
任天堂(7974):
2026年3月期第3四半期累計の売上高が前年同期比99.3%増、最終利益が51.3%増と好調でした。新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」の販売が好調ですが、半導体メモリー価格高騰による収益圧迫懸念から株価は急反落しています。
任天堂は「Nintendo Switch 2」の普及を優先させるため、値上げが遅れる可能性は高く、株価が軟調な展開は持続しそうです。
清水建設(1803):
2026年3月期の業績予想を上方修正し、株価が初めて3,000円台に乗せました。国内建設工事の順調な進捗や収益性改善が寄与し、売上高、営業利益、最終利益ともに上方修正されています。
建設業界は人手不足で受注を絞り込んだ結果、受注価格の高騰は続いており、建設株には追い風となりそうです。
三菱重工業(7011):
2026年3月期の受注高と最終利益予想を引き上げました。エナジー部門やプラント・インフラ部門での受注見通し改善が背景にあります。株価は一時軟化したものの、持ち直す展開となっています。
選挙後の新政権が防衛費拡大のペースを速めるのかに注目が集まりそうです。
INPEX(1605):
原油価格の下落にもかかわらず株価が堅調です。イラン情勢を巡る警戒感後退で原油価格は下落しましたが、同社の高配当利回りなどが評価され、見直し買いが入っている様子です。ただ、中期的な原油価格の上昇は続いており、株価の下支え材料となりそうです。
上記の銘柄などをサクッと動画で解説している動画を2/6(金)21:00に
松井証券YouTubeマーケットナビで公開予定です。
下記リンクから是非ご覧ください。
来週の注目トピック
米・小売売上高
米国の消費者の購買活動を直接反映する重要な経済指標です。毎月発表され、自動車、食品、衣料品など幅広い商品カテゴリーの売上を含みます。この指標は、個人消費が米国GDPの約70%を占めることから、経済全体の健康状態を示す重要なバロメーターとなっています。投資家や政策立案者は、この数字を通じて消費者信頼感や経済の方向性を読み取ります。
コンセンサスは前月比で0.4%の増加が見込まれていますが、好調な米国の個人消費が持続しているのかに注目が集まりそうです。
米・雇用統計
米国の雇用統計は、労働市場の状況を包括的に示す最も注目度の高い経済指標の一つです。毎月第一金曜日に発表され、非農業部門雇用者数、失業率、平均時給などの重要なデータを含みます。この統計は、経済の健全性を評価し、将来のインフレ圧力や消費動向を予測する上で極めて重要です。また、連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定にも大きな影響を与えるため、世界中の金融市場で注目されています。
1月分は2/6(金)に発表予定でしたが、再び政府閉鎖の影響で2/11(水)に延期されていますのでご注意ください。
米国ではAIの普及でホワイトカラーの仕事を中心にリストラが活発化しています。失業率が高まっているようであれば、3月の利下げの可能性が高まりそうです。
米・CPI(消費者物価指数)
消費者物価指数(CPI)は、米国の物価水準の変化を測定する主要な指標です。都市部の消費者が購入する商品やサービスの価格変動を追跡し、インフレーションの動向を示します。食品、住宅、医療費など、幅広い項目が含まれており、経済全体の物価上昇率を反映します。CPIは、金融政策の決定、社会保障給付の調整、賃金交渉など、様々な経済活動に影響を与える重要な指標として、投資家や政策立案者に注目されています。
こちらも雇用統計と同様に延期されており、2/13(金)に発表されます。
足元のインフレは落ち着いてきていますが、コモディティ価格上昇の影響が出ていないかに注目が集まりそうです。