日経平均乱高下!歴代5位の急落からV字回復、そして金曜も…?
今週の東京株式市場:半導体関連が乱高下、米ハイテク決算を機に史上最高値
今週の東京株式市場は、史上最高値の更新と急落が交錯し高値圏での波乱となりました。売買代金は連日10兆円前後の記録的な大商いが続き、市場のエネルギーは依然として強力です。
週初22日はAI・半導体関連株が牽引し、日経平均株価は約2年9カ月ぶりとなる8連騰を記録しました。しかし23日は一転、上半期末を控えたリバランスの売りや、米ハイテク株安や韓国市場の急落も重なり、歴代5位の下げ幅となる2565円安を記録して7万円の大台を割り込みました。翌24日も米マイクロンの決算を控えた様子見ムードから、半導体主力株を中心に続落しました。
しかしながら、25日はマイクロンの好決算をきっかけに投資家心理が急改善し、半導体関連銘柄に猛烈な買い戻しが入りました。日経平均は一時3400円超も値を上げ、終値で7万2366円と、22日の水準を上回り史上最高値を塗り替えました。一方、26日はオープンAIの上場延期観測から再び売られました。
個別では、キオクシアやフジクラが連日巨額の売買代金をこなして注目を集めたほか、アドバンテストなどの値がさ株が相場を主導しました。今後も米国のハイテク景況感を注視しつつ、好業績銘柄を軸とした物色意欲が継続するかが焦点となります。
今週の個別銘柄解説: AIインフラの熱狂とIP戦略の分水嶺
TOTO(5332)
半導体製造装置向け部材に5年で800億円を投じると報じられ、22日にも上場来高値を連日で更新しました。既に390億円の投資を決定し、神奈川拠点で次世代「1ナノ」プロセス対応の研究開発を加速させます。ウエハー固定に不可欠な「静電チャック」への旺盛な需要を背景に、物色の矛先が装置本体から周辺部材へと広がる中、住宅設備大手から半導体関連の有力銘柄へと評価の軸足が移りつつあります。成長戦略への期待感から、市場では一段の上値追いが意識されています。
サンリオ(8136)
2027年3月期、3期連続の最高益更新を見込んでいます。ハローキティに加え、クロミやポムポムプリンなど複数のキャラクターが国内外で伸びる多層化戦略が実を結んだ形です。アジア・欧州でのライセンス事業が好調で、直近の利益率は30%を突破しました。不適切な報酬問題による決算延期の懸念を払拭し、実質増配も発表しました。IP(知的財産)関連はAIに可処分時間が取られるとの見方から軟調な銘柄が目立っています。しばらくは軟調な値動きが続きそうです。
任天堂(7974)
24日に続落し、2024年8月以来、約1年10カ月ぶりの安値を付けました。今週はアップルも製品の値上げを発表しましたが、半導体メモリーの過去に例のない価格高騰による採算悪化懸念に加え、次世代機「スイッチ2」の値上げに伴う販売鈍化への警戒感が重石となっています。新作ソフトのラインアップが期待を下回ったとの見方も多く、信用取引の投げ売りも加速しています。象徴的なのは、資金が一極集中する半導体銘柄を買うための換金売りの対象となっている点です。強力なIP(知的財産)を持ちながらも、現在はAI関連株シフトの影で売られる展開が続いています。
パナソニックホールディングス(6752)
AIデータセンター向けの新型蓄電装置を開発したとの報道を受け、24日に前日比6%超の急反発を見せました。子会社のパナソニックインダストリーが、瞬時の電力負荷変動に対応できる「スーパーキャパシタ」を開発し、2027年春から北海道千歳市で量産を開始する計画です。30年度までに生産能力を現在の最大3倍に引き上げる方針で、膨大な電力消費が課題となるAIインフラ市場において、新たな成長エンジンとしての期待が高まっています。装置単体から周辺デバイスへの需要波及を象徴する動きとして、投資家の強い関心を集めました。AIデータセンターは電力を大量消費しますが、その消費量には緩急があります。蓄電池はこの波を受け止め、電力インフラ整備コストを下げる効果が高いため、今後も高い需要が期待できそうです。
キオクシアホールディングス(285A)
25日の株主総会で、株価高騰を受けて近々、株式分割を発表する方針を示しました。最低投資額1000万円超の現状を改善し、投資家層の拡大を狙います。また、2027年春の米国市場(ADS)上場や、配当を維持・増額する累進配当の導入も公表。AI需要を背景に、好不況に左右されない長期契約モデルへの転換に自信を見せ、過去のシリコンサイクルからの脱却も期待されています。27年3月期の純利益は市場予想で5兆円に達する見込みで、日本首位の時価総額に相応しい還元と成長戦略の両立が、市場の期待をさらに高めています。
上記の銘柄などをサクッと動画で解説している動画を6/26(金)21:00までに
松井証券YouTubeマーケットナビで公開予定です。
下記リンクから是非ご覧ください。
来週の注目トピック
日銀短観
国内企業の景況感や設備投資計画を示す、日銀の金融政策を占う上で重要な指標です。6月の金融政策決定会合で利上げが実施された直後の調査結果となり、また、ホルムズ海峡の航行も徐々に再開する中で、企業の投資マインドや景気見通しにどう影響しているかが注目されます。この結果は年内の追加利上げの判断材料となるほか、特に大企業・製造業の業績見通しが良好であれば日本株への買い安心感にもつながります。
米雇用統計
今回は独立記念日の祝日に伴い、通常より1日早い木曜日に前倒しで発表されます。直近でFRB(米連邦準備制度理事会)のタカ派姿勢が強まっていますが、AIは雇用に悪影響を与えるとの見方が多かった中、雇用者数や時給の伸びが予想を上回ると、金融引き締めの長期化懸念からハイテク株や日米の株式相場全体に強い下押し圧力がかかる可能性があります。