【特集レポート】不安定な3月相場。損益上位口座が取引している銘柄とは?

3月の株式市場は、月初から大きく売られてスタートしました。前月まで株式市場の重しになっていた米国の長期金利の上昇は一服したものの、為替の円高傾向が続いた事から、輸出関連株を中心に売り物が続き、日経平均株価は3月5日に一時2万973円を付けるなど大きく下落しました。その後、中旬にかけて個人投資家の押し目買いや日銀のETF買い入れによりリバウンドしたものの、月末にかけてはトランプ政権が発表した保護主義的な貿易政策により、世界経済が大きく減速するとの見方から再び株価は大きく下落しました。また、これまで米国株式市場を牽引してきたFANG株(フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグル親会社アルファベット)の一角であるフェイスブックが、ユーザーのデータを不正に使用されたと疑われ大きく売られた事も下げを加速させる要因となりました。日本国内においても、森友学園問題が再燃した事により、安倍政権の支持率が急落するなど、日米共に政治的に不透明な状況が株価の大きなマイナス要因になっています。

下のグラフは東京証券取引所が発表する投資部門別売買動向です。海外投資家が1月第1週から継続的に売り続けている一方、個人投資家は押し目買いに動いている事がわかります。松井証券店内の信用買い評価損益率でみると、日経平均株価が大きく下落した3月23日時点でも-11.359%と、追証回避の売りが多く発生する-20%までには余裕があり、個人投資家と日銀のETF買いが相場を支えている状況です。これを執筆している26日時点では、海外投資家の売りは続いているとみられ、引き続き神経質な値動きが続きそうです。

<図①>投資部門別売買動向推移(個人・海外投資家) ※図①・②は松井証券作成。

投資部門別売買動向推移(個人・海外投資家)

投資成績別に見る売買銘柄の違い

今回は「投資成績によって売買する銘柄に差があるか?」についてお話したいと思います。下の表は、昨年の松井証券店内における現物の特定口座損益が、「上位30%の口座」と「下位30%の口座」、それぞれの売買代金ランキングです。
白色は双方で共通した銘柄ですが、注目したいのは黄色の差が出た銘柄です。損益上位口座では、日本たばこ産業やKDDI、トヨタ自動車など、高収益な大型株がランクインしている一方、損益下位口座ではレカムやリミックスポイント、ラクオリア製薬など成長期待で大きく買われた銘柄がランクインしています。一般的に個人投資家の売買は逆張り傾向を好みますが、高収益な大型株は株価が一旦値下がりしても割安感から買い戻される一方、成長期待が高い銘柄は一旦その期待が剥がれ株価が下落すると、株価が回復するまで時間がかかる傾向があり、利益に結び付けづらい傾向があります。

<図②>松井証券店内の特定口座損益成績別の売買代金ランキング

損益上位
8411 みずほフィナンシャルグループ
2914 日本たばこ産業
3197 すかいらーく
9433 KDDI
8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ
4755 楽天
7201 日産自動車
6758 ソニー
7203 トヨタ自動車
9984 ソフトバンクグループ
損益下位
8411 みずほフィナンシャルグループ
3323 レカム
8267 イオン
8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ
4755 楽天
3825 リミックスポイント
7201 日産自動車
6835 アライドテレシスホールディングス
3197 すかいらーく
4579 ラクオリア創薬

冒頭で記載した通り、直近の株価は不安定な値動きが続いています。足元の企業収益から見た株価水準は割安になりつつあり、更に下落した際には押し目買いのチャンスとも言えますが、その際の銘柄選別には、損益上位口座の売買データを参考にしてみてはいかがでしょうか。

松井証券シニアマーケットアナリスト 窪田朋一郎

2001年、松井証券に入社。マーケティング部を経て現職。
ネット証券草創期から株式を中心に相場をウォッチし続け、投資家動向にも詳しい。

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