相場下落は続くのか?乱高下に備える投資術

相場下落は続くのか?乱高下に備える投資術

10月の株式市場は、大きく値を崩す展開となっています。9月、米トランプ大統領が米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に合意したことから、トランプ政権の保護主義的な貿易政策が落ち着くと見たマーケットはリスクオンに傾き、日経平均株価も24,000円を超える水準まで大きく上昇しました。しかしながら、10月4日にペンス副大統領が、ハドソン研究所でトランプ政権の対中政策に関する包括的な演説を行い、政治や経済、軍事な具体例を挙げて中国を名指しで非難したことから、米中間の緊張が今後さらに高まるとの見方が広がりました。既に、米中貿易戦争の影響が日本企業の業績にも表れ始めていますが、今後、更に影響が拡大することへの懸念から、アジアの株式市場は軒並み大きく下落しました。日本市場でもその影響は大きく、日経平均株価は月初から3,000円ほど下落しています。

投資部門別売買動向をチェック

投資部門別売買動向を見ても、その動きは把握できます。9月に大きく買い越していた海外投資家は、10月以降、大きく売り越しに動いています。その規模は、現物と先物合わせて1.6兆円と非常に大きなものであり、その売り圧力を個人投資家と日銀が買い支えている状況です。

米中間の貿易戦争を抜きにしても、リーマン・ショック以降に行われたゼロ金利、及び量的緩和によって株式市場やリスク資産は実体経済の回復以上に大きく上昇しました。しかしながら、折からの米国の利上げにより、このサイクルが逆回転を始める可能性があります。引き続き株式市場も、神経質な値動きが続くと考えた方がいいでしょう。

投資部門別売買動向

  • 東京証券取引所発表の投資部門別売買状況(株式)データから松井証券作成。2018年10月26日時点。

相場の乱高下に備えるには

相場下落で利益が狙えるインバース(ベア)型ETF

では、このような局面で個人投資家はどのように対処したらよいのでしょうか?一つには、インバース型と呼ばれる、原指数と反対の値動きをするETFが挙げられます。原指数には日経平均株価やTOPIX、中国H株指数などがあるため、このようなETFを購入して指数の下落に備える、という方法があります。ただし、インバース型ETFは株価が上下変動を繰り返すと価格が徐々に乖離して、利益がすり減ってしまう可能性があります。株価の下落時は、価格変動が大きくなる傾向がありますから、大きくリバウンドした日に買い付けして短期間で利食いする、といった使い方が望ましいと言えます。

銘柄コード 銘柄名 対象指標
1456 ダイワ上場投信-日経平均インバース・インデックス 日経平均インバース・インデックス
1571 NEXT FUNDS日経平均インバース・インデックス連動型上場投信 日経平均インバース・インデックス
1580 日経平均ベア上場投信 日経平均インバース・インデックス
1357 NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 日経平均ダブルインバース・インデックス
1360 日経平均ベア2倍上場投信 日経平均ダブルインバース・インデックス
1366 ダイワ上場投信-日経平均ダブルインバース・インデックス 日経平均ダブルインバース・インデックス
1459 楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型 日経平均ダブルインバース・インデックス
1457 ダイワ上場投信-TOPIXインバース (-1倍)指数 TOPIXインバース(-1倍)指数
1569 TOPIXベア上場投信 TOPIXインバース(-1倍)指数
1356 TOPIXベア2倍上場投信 TOPIXダブルインバース(-2倍)指数
1368 ダイワ上場投信-TOPIXダブルインバース(-2倍)指数 TOPIXダブルインバース(-2倍)指数
1465 ダイワ上場投信-JPX日経400 インバース・インデックス JPX日経400インバース・インデックス
1468 JPX日経400ベア上場投信(インバース) JPX日経400インバース・インデックス
1471 NEXT FUNDS JPX日経400インバース・インデックス連動型上場投信 JPX日経400インバース・インデックス
1466 ダイワ上場投信-JPX日経400 ダブルインバース・インデックス JPX日経400ダブルインバース・インデックス
1469 JPX日経400ベア2倍上場投信(ダブルインバース) JPX日経400ダブルインバース・インデックス
1472 NEXT FUNDS JPX日経400ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 JPX日経400ダブルインバース・インデックス
1573 中国H株ベア上場投信 ハンセン中国企業株ショート指数
  • 2018年10月29日現在

米中貿易戦争の影響を受けにくい銘柄に着目

その他では、米中貿易戦争の影響を受けづらいセクターに投資する、といった手法も考えられます。下のグラフは年初からの業種別騰落率を指数化したものですが、影響を大きく受ける非鉄金属や海運と言った業種が多く下落する一方、電気・ガス業や医薬品と言った業種は値を保っています。米中間の緊張が続いている間は、このような業種に属する銘柄に着目してみるのもいいでしょう。

業種別騰落率

  • 市場データより松井証券作成。2018年10月26日時点

松井証券シニアマーケットアナリスト 窪田朋一郎

2001年、松井証券に入社。マーケティング部を経て現職。
ネット証券草創期から株式を中心に相場をウォッチし続け、投資家動向にも詳しい。

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