上昇が続く豪ドル/NZドル 今後の見通しと対策は? 

※記事掲載日:2025年12月17日

2025年7月から、FX自動売買で人気の通貨ペアである「豪ドル/NZドル」のレートが上昇し、当社で紹介している自動売買設定の上限レンジを超過する勢いで推移しています。
そこで、本記事では松井証券マーケットアナリストの鈴木翔と、自動売買のインフルエンサーとして当社で紹介している為替研究所さん、サトウカズオさんに豪ドル/NZドルの今後の見通しと対策をお聞きしました。
どうしたらいいか分からないという方は、ぜひ参考にしてみてください。

豪ドル/NZドルの今後の見通し

夏までと比べ、オーストラリアが思った以上に強気&ニュージーランドが弱気のため高値圏推移と予想

ニュージーランドは、2024年8月から利下げを開始し、オーストラリアとの政策金利が2024年11月には逆転しました。
オーストラリアも2025年2月には利下げを開始するも、ニュージーランドがそれ以上のペースで利下げを継続するなど、2024年の夏から2025年3月までは高値圏で推移していました。

しかし、2025年4月の「トランプ関税ショック」で世界経済への見通しが悪化し、その中で「オーストラリアはそろそろ利下げを本格化、一方ニュージーランドはそろそろ利下げ打ち止め」という見通しもあり、4月には一時1.07割れまで落ちました。

ただ2025年7月にオーストラリア準備銀行(RBA)の「サプライズ据え置き」、8月のニュージーランド準備銀行(RBNZ)はかなりハト派の声明文でオーストラリアとニュージーランドのスタンスの違いが明確になり、その後の会合でも利下げ幅や声明文は豪の方が強気な状態で一貫したことで上昇し、2014年から10年以上続いていた「1.15の壁」も突破し、今に至ります。

こうした高値圏での推移は、「オーストラリアの弱気化」「ニュージーランドの利下げ打ち止めからの利上げ気運への転換」がないと大きくは変わらないと見ており、それらはいずれどこかで来るとは思うものの、11月のニュージーランド準備銀行(RBNZ)、12月のオーストラリア準備銀行(RBA)では望み薄で、そうなると来年の2月以降まで待つ必要があり、そこから先はまさに「今後のデータ次第(金融政策会合の定番フレーズ)」と思っています。

為替研究所ならどう対処する?

私は1.05~1.10が売りのコアレンジ、1.10~1.15までを売りのサブレンジとして運用し、逆に買いは1.081で利確される設定で運用しており、豪ドル/NZドルは既に売りしかなくなっていました(グルトレ設定などでは買いサポートも入れて運用していましたが、それも1.135で止まっています)

上でも書いたように、2026年2月以降は流れが変わる可能性もあるとは思うものの、少なくとも3か月程度は今の状態が続き、売りにはマイナススワップがあること、またテクニカル的に非常に重要な節目であった1.15も突破し、ここを抜けるとこれといった次の上値目途も見当たらないことから、全損切で対応しました。

なお、次の目安をあえて言えと言われると、1.20や史上最高値の1.38等を考えるにはさすがにまだ気が早いとは思うものの、ただ本当にそれくらいしか目途がなく、逆に「もし今後1.20に至る前に反落したら、そこが一つの目安になる」という感じで考えています。

記事を見ている方はどうしたらよさそうか?

今の高値圏は「オーストラリアの弱気化」「ニュージーランドの利下げ打ち止めからの利上げ気運への転換」がないと大きくは変わらず、それらはいずれどこかで来るとは思うが、いつ来るのかはよく分からない」というのが現状の私の予想です。

そのため、もし買いで自動売買をしているのであれば、一旦は付いていって良いと思うものの、裁量のトレンドフォロー戦略と同じように利確・損切タイミングを考えると良いと思います。

一方で、売りの自動売買であれば、一旦損切をして、「売り直したいと思った時に初めて出直し」というのが良いと思い、自分でもそうしていますが、もし耐えるのであれば、「いくらまで耐えるのか」「その時損失がいくらで、それは許容可能かどうか」を考えておくのが重要と思います。

最後に、上記はあくまで私の相場予想に基づくものですが、今の状況としては、「俺にはわからない。ずっとそうだ」「だからまぁせいぜい・・・・悔いが残らない方を自分で選べ」という進撃の巨人のリヴァイ兵長の名言がぴったり当てはまる瞬間なのかなと思っています(投資は常にこれ)

  • 記事執筆日:2025年11月20日

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