自動売買の戦略
リピート系自動売買を活用するコツや理解しておくべきポイントをご紹介します。
自動売買で人気の通貨ペア
リピート系自動売買は、一定の値幅で上下する“レンジ相場”でこそ最大限の効果を発揮するものです。松井証券マーケットアナリストの鈴木翔が、金融政策などの観点から、レンジ相場が期待できる、自動売買で取引しやすい通貨ペアを紹介します。
ユーロ/ポンドが注目!
ユーロ圏とイギリスは地理的に近く、貿易・金融面での結びつきも強いため、ユーロとポンドは対ドルで似た動きをする特徴があり、ユーロ/ポンドは2017年以降、レンジ相場が継続しています。
ECB(欧州準備銀行)は2026年6月の理事会で、2023年以来となる利上げを決定し、ユーロ圏の政策金利(預金ファシリティ金利)は2.25%となりました。先行きの金融政策についてラガルド総裁は「イラン戦争にさらなる強い対応を取る必要はない」と発言し、当面は様子見姿勢が続くとみられています。
BoE(英国中央銀行)は2026年6月の会合で、4会合連続となる政策金利の据え置きを決定し、イギリスの政策金利は3.75%となっています。先行きの金融政策については「必要に応じて行動する用意がある」と、前回会合の文言が据え置かれましたが、景気減速や労働市場の緩みがインフレ圧力を抑える可能性があり、当面は様子見姿勢が続くとみられています。
米国とイランが停戦及びホルムズ海峡を巡る協議再開で合意したことを受け、原油価格は米国とイスラエルがイランを攻撃する前の水準付近まで下落しています。これにより、ECB・BoEともに、当面は大幅な政策金利変更には踏み切りにくい状況です。
ユーロ/ポンドの値動きを見通すうえで重要となるのは、イギリス政治の動向です。イギリスでは、スターマー首相が6月22日に辞任を表明しました。財政状況が厳しい中、為替市場では次期首相候補とみられるバーナム氏の財政規律に対する姿勢が注目されています。財政拡張への懸念が高まれば、ポンド安圧力が強まりやすいでしょう。
目先は、イギリスの政治・財政不安を背景に、ユーロ/ポンドは上昇(ユーロ高ポンド安)を見込んでいます。(2026年6月29日時点)
ユーロ/ポンド・2015年~2026年の推移(月足)松井証券FXアプリより
| 国 | ユーロ圏 | 英国 |
|---|---|---|
| 中央銀行 | 欧州中央銀行(ECB) | イングランド銀行(BOE) |
| 通貨 | ユーロ(EUR) | ポンド(GBP) |
| 政策金利 | 2.25% | 3.75% |
| 金融政策 市場の織り込み |
2026年 1回の利上げ | 2026年 政策金利据え置き |
| GDP見通し 出所:IMF WEO |
2026年 1.1% 2027年 1.2% |
2026年 0.8% 2027年 1.3% |
| インフレ目標 | 2% | 2% |
- 2026年6月29日時点 Bloombergより松井証券作成
注文値幅・益出し幅の考え方
自動売買は、一定の値幅で売買を繰り返し、中長期的な視野でコツコツと利益を積み重ねるトレードに向いています。
その過程で、ご留意いただくポイントをご紹介します。
➀益出し注文と反対方向への推移
益出し注文と反対方向に価格が推移すると、一時的に評価損が増えるケースもあります。しかし、リピート系自動売買においては、それは仕組み上当たり前であることを覚えておきましょう。
リピート型の自動売買は、下がっているときに買い(または上がっている時に売り)、レンジ相場で価格が上がったとき(または価格が下がったとき)に決済をすることを狙った取引手法です。
そのため、例外的なケースもあるため注意は必要ですが、設定した値幅で推移している間は、そのまま決済タイミングが訪れるのを待つというスタンスも求められます。
むしろ、評価損が見えた時点で慌てて損切りしてしまうと、その注文の益出し機会を逃してしまうことにもつながります。
短期的な動きではなく、中長期的なレンジ相場をねらっていきましょう。
➁慣れるまで注文値幅は広め、益出し幅は小さめで
設定した値幅の中で売買を繰り返す点は、自動売買の最大のメリットです。
そのため、最初に注文値幅と益出し幅をどのように設定にするかが重要です。
注文値幅が広いと、ポジションが少なくなり、その分価格の推移に備えた証拠金も少なくて済みます。
注文値幅が狭いと、ポジションが多くなり、それぞれの価格の推移に備えて証拠金も多く必要になります。
益出し幅を広めに設定すると、一度に得られる利益は大きくなりますが、益出し機会が巡ってこないうちは価格の推移を見守るのみになってしまいます。
一方で益出し幅を狭く設定すると、ポジションの増えすぎは防ぐことができますが、一度に得られる利益は少なくなってしまいます。
中長期的な相場の見立てをもったうえで、自動売買を活用していきましょう。
(注文値幅と益出し幅の関係)
| 益出し幅 大 | 益出し幅 小 | |
|---|---|---|
| 注文値幅 大 (証拠金 少) |
ポジション・証拠金は抑えられるが決済の機会が得づらい | ポジション・証拠金を抑えつつ、小さい値動きでも利益を確保! |
| 注文値幅 小 (証拠金 多) |
ポジションが増え、証拠金も増えるので多めの資金とロスカットに備えた管理が必要! | |