ユーロ/スイス(EUR/CHF)
買い裁量+自動売買戦略
為替研究所
実はリピート系自動売買の会社ではユーロ/スイスの取り扱いはほとんどない中、松井証券は取り扱っており、裁量も含めたFX会社(※)と比べてスプレッド・スワップポイント・取引単位も条件も非常に良いものでした。1単位取引も可能で、非常に少額からも取引可能です。また設定の自由度も高いので、ぜひ色々とやってみてください!
- ユーロ/スイスについて、アイネット証券、外為オンライン、FXブロードネット、みんなのFX、セントラル短資FX、IG証券と比較。2025年11月30日時点。
為替研究所さんに、ユーロ/スイスの自動売買設定を教えてもらいました。
過去の値動きから安値圏では裁量買いを、安値圏を上に抜ければ買いの自動売買設定を行うことで、スワップを受け取りながら効率的に利益を上げることが期待できる運用設定となっています。
① ユーロ/スイス 為替レート別フローチャート
1. 買い設定
裁量買い&0.94利確で自動売買シフト
| 注文レンジ | :0.91000~0.94500(合計注文本数:31) |
| 数量 | :0.1万通貨(1,000通貨) |
| 注文値幅 | :10.0pips |
| 益出し幅 | :50.0pips |
2. 裁量買い
上の設定は、買いのレンジとしては0.91-0.945で、その中間点(≒全部ポジションを持ったと仮定した場合の平均レート)は0.925となります。0.92前後のタイミングではその平均レートよりも低く、またこの辺りからはスイスの警戒度も大きく上がり、実際に過去のチャートで見ても反発することが多いので、0.92前後以下であれば、裁量買いでしばらくホールドするのが良いと考えています。
② 設定の背景と相場観に関するコメント
スイスフラン高是正の狙い(スイスの介入も含む)
2025年に入ると、米ドルはトランプ政権の不透明さから売られ、円は日本の財政状態や、石破政権時代は政局の不安定さ、高市政権になってからは積極財政での財政状態への懸念から売られ、消去法的に欧州買いとなり、特に安全資産とも考えられているスイスフランは大きく買われています。具体的には、スイスフランインデックス(スイスフランの強さを示す指標で、ドルインデックスのスイスフラン版)は11/29時点で124.5と、2011年に大規模介入を行った時に近い水準まで上昇しています。
ただし、スイス自体は政策金利を0まで下げ、またスイスフラン売り介入も行っていて、その買い通貨もユーロがほとんどだったという報道もあるように、スイス側もここまでのスイスフラン高は許容しておらず、実際に11月に0.92まで下げた時も、そこで反発しております(これが介入だったのかは現時点では不明ですが、個人的には介入じゃないかなあくらいで思っています)
また、スイスという国自体も消費者物価指数が0近辺で推移し、月によってはマイナスなど、デフレ一歩手前で、2026年の経済成長予想も0.9%に下方修正(6月時点では1.2%)したように、状況的に決して良いわけでもなく、「消去法でのスイスフラン買い」はどこかのタイミングで緩まるだろうと考えています(世界的に大きなリスクオフ材料が出たら別で、その点は運用のチェックポイントでも書きます)
こうした中では、特にスイスが意識している対ユーロでの通貨ペア、ユーロ/スイスはある程度底堅く推移するだろうと考え、まだタッチしたことのない0.91を下限に、一方で上限はここ最近の抵抗帯である0.945で考え、このような設定としました。
③ おすすめポイント
ポイント① 安値圏での買い戦略
ユーロ/スイスは史上最安値圏まで落ちており、その上で本当に「史上最安値レベル(0.92未満)」まで落ちると、為替介入の可能性も含め、反発しやすくなっています。こうした安値ゾーンの中で、本当に「史上最安値レベル」の時は裁量買い、そこよりは上だけどそれでも安値圏の時には自動売買でトレードし、高値は追わないというのがこの戦略です。
ポイント② 買いでスワップも貰える
ユーロ/スイスは松井証券だと買いで1万通貨あたり1日80~90円程度のスワップポイントが貰え、この戦略も買い戦略なので、スワップ的にはプラスのポジションとなります。なお、政策金利はECB(欧州中央銀行)が2.15%で、2025年6月以降は利下げが止まり、一部当局者からは「利下げサイクルは終了した」という発言もあり、もう一方のSNB(スイス国立銀行)は0%で、現時点ではマイナス金利の復活(過去にはマイナス金利の時代もあり)はハードルが高いとされているため、当面はこのくらいの水準が続くと考えられます。
ポイント③ 利幅は自動売買の王道、日足ATR程度(バックテストでも検証)
2023年以降で日足ATR(一日の変動幅)を取ると55pips程度であり、今回の利幅50pipsは、ちょうどATRくらいの水準となっています。一般的に自動売買ではATRくらいの利幅が最適な場合が多いのですが、別でもやっているNOK/SEKではATRより狭い20pipsが最適という結果が出た(そして実際に運用していても非常に調子が良い)こともあり、ユーロ/スイスについても利幅10pips刻みでバックテストを行いました。その結果は2025年は50pips、2023年と2024年は60pipsが最適と出て、「やはりATRくらいが良さそう」という結果が出たので、今回は50pips利幅を採用しています。
④ 運用のチェックポイント
- スイスフランはリスクオフ時に買われる通貨で、また買う通貨ペアはユーロなので、特に欧州圏発の大きなリスクオフ材料が出た場合には、一時的にドカンと下げるリスクがあります。上記の通りその時は為替介入などが行われる可能性は高いと考えていますが、それには当然タイムラグがあるので、一時的にドカンと下げた時、どこまで耐えるかを考える必要があります。
- 個人的には1,000通貨あたり40万円で運用を考えており、これは「全てのポジションを持った上で、重要節目の0.90を割って0.89まで落ちた時の必要証拠金(レバレッジ25倍で、スイス円195円前提で計算)が42.6万円程度なので、40万円入れておけば、利益やスワップである程度は耐えられるだろう」と考えたためです。ただし、「これなら絶対に大丈夫」というわけではないので、どこまでの下落に耐えるようにするかを考える必要があります。
- またユーロ/スイスは、長期で見ても下落基調にある通貨ペアで、下値については上記の通りある程度堅い(というかスイス側が死守してきそう)と思っていますが、それでも長期で下げている通貨に買いで入るという点は注意が必要です。
- 松井証券は1通貨刻みで自動売買できますが、スワップポイントは「小数点第4位を切り捨て、第3位まで計算」というルールのため、1万通貨あたり1円刻みのスワップレートだと、1通貨単位だと少数第4位で切り捨て対象となるのに対し、10通貨単位であれば少数第3位までになるため、最小単位としては10通貨単位での取引を推奨します。
- 記事執筆日:2025年11月29日
- 記事掲載日:2025年12月26日