FX初心者におすすめの通貨ペア3選!通貨の特徴を徹底解説
FXをこれから始めようと思ったときに気になるのが、取引する通貨の選び方ではないでしょうか。特に初心者は、損するリスクが低そうな利益の出しやすい通貨を選びたいところでしょう。
実際のところ、取引できる通貨ペアには数多くの種類があるため、何も知識がない状態で最適な通貨を選ぶのは簡単ではありません。
本記事ではFX初心者に向けて様々な通貨の特徴を解説するとともに、おすすめの通貨ペアをご紹介します。
FXにおける通貨ペアとは
そもそもFXにおいて、通貨ペアとはどのようなものを指すのでしょうか。まずはFXで取引できる通貨の種類について説明します。
通貨ペアとは取引を行う2種類の通貨の組み合わせのこと
FXは、異なる2国間の通貨を売買して利益を狙う取引です。取引する2種類の通貨の一方だけを買ったり売ったりすることはなく、片方の通貨を買えばもう一方の通貨を売る仕組みになります。売買をする通貨の組み合わせが「通貨ペア」です。
通貨ペアは、米ドルと日本円では「米ドル/日本円」、ユーロと米ドルならば「ユーロ/米ドル」のように表記することが一般的です。「/」の左側は購入する通貨を指し、「基軸通貨」とも呼ばれます。「/」の右側は「決済通貨」と呼ばれるもので、売却する通貨を表します。
たとえば「米ドル/日本円」を買うとは、基軸通貨の米ドルを買い、決済通貨の日本円を売ることを意味しています。実際に取引する際は「米ドル=USD」「英ポンド=GBP」のように、それぞれの通貨をアルファベット3文字で表記されます。
また、「米ドル/日本円」のように米ドルと取引する通貨ペアは「ドルストレート」と呼ばれます。一方、「ユーロ/英ポンド」のように米ドルが含まれない通貨ペアは「クロス通貨」と呼ぶのが一般的です。
メジャー通貨とは
通貨ペアに組み込まれる通貨には、大きく分けてメジャー通貨とマイナー通貨の2種類があります。
メジャー通貨とは、一般的にFX市場で取引量や取引参加者の多い通貨を指します。主に米ドル(USD)、ユーロ(EUR)、円(JPY)、英ポンド(GBP)、豪ドル(AUD)、スイスフラン(CHF)等がメジャー通貨とされており、特に取引量が多い米ドル、ユーロ、円は、世界三大通貨と呼ばれます。
メジャー通貨を取引する一般的なメリットは相場の値動きが安定していることです。取引に参加する人が多いため、売買の成立しやすさを表す「流動性」が高く、買値と売値の差額、つまり実質的な取引コストである「スプレッド」の幅も狭くなりやすいのもメリットです。
一方デメリットとしては、マイナー通貨に比べると値動きが緩やかで価格の変動率(ボラティリティ)が低いことがあげられます。短期間で大きな利益を得るには、取引量を増やすことなどが必要です。
マイナー通貨とは
マイナー通貨は、メジャー通貨とは反対に、FX市場での取引量や取引参加者が少ない通貨を指します。マイナー通貨の代表例は、トルコリラ(TRY)、南アフリカランド(ZAR)、メキシコペソ(MXN)等です。
マイナー通貨は変動率が高いため、短期間で大きな利益を狙えることが魅力です。また、通貨ペアの金利差を利用して、高金利の通貨を買い、低金利の通貨を売った場合に受け取れる「スワップポイント」が高くなりやすい点もメリットといえるでしょう。
しかし、流動性が低いためスプレッドが広がりやすく、取引にかかるコストが大きくなりやすいデメリットがあります。価格変動が大きい分だけ短期間で大きな損失を抱えるリスクもあるため、注意しましょう。
FX初心者におすすめの通貨ペア
実際に取引する通貨ペアを選ぶ場合、どのような点に着目するのがよいのでしょうか。FX初心者にもおすすめの通貨ペアをご紹介します。
FX初心者はメジャー通貨の取引から始めるのがおすすめ
FXの取引に慣れていない初心者の場合は、メジャー通貨の取引から始めることをおすすめします。メジャー通貨は取引量が多く、売買の成立のしやすさを表す「流動性」が高いので、扱いやすいといえます。
一方、マイナー通貨では取引量が少ないため、重要な経済指標の発表時や戦争、災害など突発的な事件が起こった場合に、相場が急激に変動することがあります。その結果、「買いたいときに買えない」「売りたいときに売れない」といった状況になりやすいので注意が必要です。タイミングよく売買ができず大きな損失を被ってしまう可能性があります。
メジャー通貨では、スプレッドは売買するたびに発生する経費のようなもので、スプレッドが広いと利益を出しにくくなります。特に、1日の間で何度も取引を繰り返す「デイトレード」で、売買の回数が多くなればスプレッドが狭い方が有利にトレードを進められるでしょう。
FX初心者におすすめの通貨ペア3選
FXの初心者には以下三つの通貨ペアでの取引がおすすめです。初心者のうちは、取引する通貨ペアが多くなってしまうと、相場のチェックや注文状況を管理する手間がかかり、利益を出すチャンスを逃してしまう可能性があります。なるべく取引する通貨ペアを絞った方が、良い結果につながりやすいでしょう。
1 米ドル/円(USD/JPY)
一般的に、各国の経済状況や政策などは為替相場の変動要因として働きます。日本とアメリカの情報は入手しやすく、豊富な情報から相場の予測が立てやすくなるため、取引しやすい通貨ペアです。
価格の変動率も適度にあり、1日を通してある程度の値動きも期待できます。欧州や米国の為替市場でも活発に取引されているため、24時間好きなタイミングで取引がしやすいといえます。
2 ユーロ/円(EUR/JPY)
ユーロは世界において米ドルに次いで取引量が多い通貨です。ユーロ/円では、相場に方向性(トレンド)が表れることが多く、変則的な動きが少ない通貨ペアといえます。
3 ユーロ/米ドル(EUR/USD)
ユーロ/米ドルは、世界的に取引が行われている通貨ペアです。取引量が多いことから流動性が高く、値動きも緩やかなことが特徴です。一般的に、ユーロ/米ドルの相場では、トレンドが継続しやすいといわれています。ロンドンでの取引が活発になる時間帯に合わせて、値動きも活発になることが多いです。
FX初心者の場合は取引する通貨ペアをなるべく絞ったほうが無難
FXで取引できる通貨には、大きく分けてメジャー通貨とマイナー通貨の2種類があります。それぞれ取引量や価格の変動率、スワップポイントなどに違いがある点に注目しましょう。
初心者が取引する場合、情報収集の難易度や値動きの面から、世界的に取引量が多い米ドルやユーロのようなメジャー通貨を含んだ通貨ペアを選ぶのがよいでしょう。通貨ペアごとの傾向を観察しながら、自身のトレードスタイルに合った通貨ペアや、より身近な通貨ペアを選択してみてください。
松井証券では1通貨単位、100円程度から取引可能なため、まずは少額でいくつかの通貨ペアを取引してみることもできます。3つくらいのメジャー通貨のペアを試し、自分と相性の良いメイントレードの通貨ペアを見つけてみましょう。
【解説動画】マネーサテライト「通貨ペアと値動きの特徴」
<監修者>
木村佳子
<プロフィール>
一級FP技能士(国家資格)。NPO法人 日本FP協会上級資格CFP。IFTA国際テクニカルアナリスト連盟最上位資格MFTA®の日本で最初の女性取得者。早稲田大学大学院ファイナンス研究科専門職MBAファイナンス修士。日本ベンチャー学会。日本IR学会。生活経済学会。消費者行動学会正会員。YouTube 「木村佳子チャンネル」で資産運用情報を発信中。