FXにおけるロットの意味は?計算方法や決め方、注意点

2022/5/13

FXに対して「専門用語が多く難しく感じる」といった印象を持っている人は多いでしょう。「ロット」もその専門用語の一つで、FX会社やトレーダーの間でよく使われますが、これからFXを始める方にはなじみのない方が多いのではないでしょうか。

本記事ではロットの定義や計算方法、実際の取引での使い方について解説します。ロットが理解できればより計画的にトレードできるようになるでしょう。

  • 松井証券 FXでは原則「ロット」表記はございません。本コンテンツは一般的なFX取引の用語として「ロット」に関して解説します。

そもそもFXとは?という方はこちらをご覧ください

FXのロットとは?

「ロット」は一般的には「生産や販売の最小単位」を表す製造業の用語として使われます。では、FXにおける「ロット」とは何を意味するのでしょうか。

FXにおけるロットとは、取引における通貨量の単位

ロットとは「単位やまとまり」を意味し、FXでは取引する通貨量の単位を指します。実際のトレードでは、ロット数ごとに外貨を購入したり売却したりします。1ロットが最低取引単位とされている場合には、それを下回る注文はできません。

1ロット当たりの通貨量はFX会社によって異なりますが、1ロット=1,000 通貨あるいは1ロット=1万通貨と定められていることが一般的です。1ロット=1,000通貨とされている場合、ドル/円の1ロットは1,000ドルを意味します。また、FX会社によってはロットあたりの通貨量が通貨ペアごとに異なるケースもあるため、注意が必要です。
なお、松井証券 FXでは最低取引単位が1通貨となっており、少額から取引を始めることが可能です。

【関連ページ】松井証券 FX 業界最小!1通貨単位から取引可能

ロットとレバレッジの違い

「ロット」はFXで取引する際の通貨量の単位です。一方「レバレッジ」は少ない資金で大きな金額の取引ができる仕組みです。たとえば10万円のお金を預け入れて取引する場合には、レバレッジが10倍であれば100万円、20倍では200万円の取引ができます。

【関連ページ】松井証券 FX FXのレバレッジとは?

紙幣の束を示した図

日本国内のFX会社であれば最大で25倍のレバレッジをかけた取引ができます。これは、実際にはレバレッジそのものを直接設定するのではなく、ロット数を調整することにより結果として希望するレバレッジでの取引ができる仕組みになっています。

  • 松井証券 FXの個人口座では、当社が設定したレバレッジコースから、証拠金率(必要証拠金)を事前に選択することができます。

具体的な計算方法を見てみましょう。以下はレバレッジを求める際に使われる計算式です。

<レバレッジ=為替レート×通貨量÷口座に入金した資金>

たとえば、1ドル=100円のときに1万円を入金してドル/円を2,000通貨取引したとしましょう。計算式に当てはめるとレバレッジは、100円×2,000通貨÷1万円=20倍となります。また1,000通貨取引した場合は100円×1,000通貨÷1万円=10倍です。このように、ロット数が変わることでレバレッジも変動します。

FXのロットの計算方法やpipsとの関係は?

FXで実際に売買をする場合には、ロットの計算方法についても知っておくことが重要です。ロット同様によく用いられる「pips」との関連性についても説明します。

ロットの計算方法

自己資金やレバレッジから、1度の注文で取引できる最大のロット数がわかります。計算方法は以下です。

<ロット=口座に入金した資金÷為替レート×レバレッジ>

たとえば取引に使う資金として10万円を用意したとしましょう。1ドル=100円のときに、レバレッジ10倍でドル/円を取引する場合には、10万円÷100円×10倍=1万ドルと求められます。1ロット=1,000通貨の場合には、最大で10ロットの取引が可能です。

電卓を用いて計算をしようとする図

ロットとpipsの関係性

pips(ピップス)とは、FXにおける値動きの最小単位です。異なる通貨ペアでも共通の単位で変動幅を表すことができます。円を含んだ通貨ペアでは、「1pips=0.01円(1銭)」、ユーロ/ドルのような 円以外の外国通貨同士のペアでは「1pips=0.0001ドル)」と表示されます。

FXの取引における損益のは以下の計算式により求められます。

<損益=エントリー金額からの値動き(pips)×通貨量(ロット)>

たとえば、ドル/円で1ロット=1,000通貨の取引を行い、1pips値動きがあった場合は、1pips(0.01円)×1,000通貨=10円の利益または損失となります。

もし変動幅が同じであっても、ロット数が大きければ損益も大きくなります。ドル/円で10ロット=1万通貨の取引を行い、1pips値動きがあった場合は、1pips(0.01円)×1万通貨=100円の利益または損失となります。

下表はpipsとロット数を変化させたときの損益を示したものです。ロット数が増えると利益も損失も大きくなり、ハイリスク・ハイリターンの取引になることが分かるでしょう。

  1,000通貨 1万通貨 10万通貨
1pips 10円 100円 1,000円
10pips 100円 1,000円 1万円
100pips 1,000円 1万円 10万円

【関連ページ】FXのpips(ピップス)とは?使い方と注意点について解説!

ロット数の決め方や注意点は?

ロット数をどのくらいにするかによって取引結果が大きく変わることがあります。ここではロット数の決め方や、決めるときの注意点について説明します。

ロット数の決め方

人それぞれお金の量が違う図

ロット数を大きくすると得られる利益は大きくなる反面、損失も大きくなるため、自分の取引に見合ったロット数を決めることが重要です。ロット数は用意する投資資金(口座に預け入れるお金)に対し、どれだけのレバレッジで取引するかによって変わってきます。

1ドル=100円のときに100万円を入金し、レバレッジ5倍で取引するケースを例にあげます。この場合、100万円×5倍=500万円の取引ができます。1ドル=100円のため、取引する通貨量は500万円÷100円=5万ドルです。1ロット=1,000通貨であれば5万ドルは50ロットです。

ロット数を決めるときの注意点

FXの取引を始めたばかりの方は、はじめはうまく利益を出せないことも多いでしょう。だからといって計画性なく闇雲に取引をしたり、必要以上に大きなリスクをとったりして投資資金を失ってしまう事態は避けたいところです。取引に慣れるまでは、許容できる損失を最初に決めて、その範囲でロット数を設定することをおすすめします。

トレーダーの間で有名な方法として「2%ルール」があります。1回のトレードでの損失が、常に投資に使える総資金の「2%以内」に収まるようにロット数を決めていく方法です。
仮に取引に失敗して資金を失ったとしても、全体の2%程度であればダメージは少なく、その後の挽回も見込める、と考えることができます。

2%ルールを適用した場合、最適なロット数は以下の式で求められます。

  • ロット数=総資金量×2%÷損切りまでの値幅

損切りとは、相場が予測と反対方向に動いたときに決済して損失を確定させることを指します。必要以上に損失を広げないようにするのが目的のため、取引を始める前にあらかじめ損切りするラインを決めておきます。

たとえば総資金が10万円の場合に、許容できる損失は10万円×2%=2,000円です。損切りまでの値幅が20pipsであれば、2,000円を20pips=0.2円で割った1万通貨が最適な通貨量です。1ロット=1,000通貨であれば10ロットとなります。

2%ルールはあくまでも目安です。ロット数を上げると2%ルールに到達し損切りをする回数が増えることにもなるため、リスクを最小限に抑えたい場合は最小のロット数で取引をスタートするのがよいでしょう。一般的に取引の最低単位を1,000通貨または1万通貨としているFX会社が多い中、松井証券 FXでは1通貨から取引を始められます。

【関連ページ】松井証券 FX 業界最小!1通貨単位から取引可能

貯金箱の中から少額を取り出す図

FX初心者は少ないロット数で取引を始めてみよう

FXにおいてロット数は重要な要素です。ロット数を変えるとレバレッジが変化し、損益にも影響してきます。ロットの仕組みを理解し、適切に投資資金を管理することがFXで失敗しないためのコツです。

初心者は「2%ルール」に基づいてロット数を決めるなど、少ないロット数から取引を始めるのがよいでしょう。

<監修者>

川口一晃

<プロフィール>

1986年銀行系証券会社に入社。銀行系投資顧問(現・三菱UFJ国際投信)や三洋投信で11年間ファンドマネージャーを務める。2004年10月に独立してオフィスKAZ 代表取締役に就任。テレビ番組やラジオなどメディア出演は多数。現在、FMナック5「お金の世界の歩き方」でパーソナリティを務める。「SMAP×SMAP」では木村拓哉氏とも対談。著書も多数。また、テレビ朝日のドラマ「アイムホーム」をはじめ、フジテレビの月9のドラマの監修も担当。行動経済学学会会員。

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