ユーロ/円
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通貨ペアの特徴
ユーロ/円は、EUの通貨である「ユーロ」と日本の通貨である「日本円」の組み合わせです。
ユーロは1999年1月に誕生し、欧州連合(EU)27カ国のうち20カ国が採用している通貨です。(2024年3月時点)取引量は米ドルに次いで世界第2位となっており、第2の基軸通貨ともいわれています。
様々な国がユーロを採用しているため、ユーロを採用している国で財政不安や政情不安が発生した場合、ユーロに影響を与えることがあります。過去にはギリシャの財政不安やイタリア・フランスで政治混迷があった際にユーロが下落する場面がありました。
欧州連合(EU)にとって、中国は最大の貿易相手国であり、経済の結びつきが強いです。中国経済が減速すると、中国との交易が鈍化することから欧州連合(EU)経済の減速要因となり、ユーロ安が進行する傾向があります。
魅力
一般的に取引量が多い(流動性が高い)通貨ペアは、取引量が低い(流動性が低い)通貨ペアに比べて買い手と売り手が多いことから、1)スプレッドが狭い、2)価格変動の振れ幅が小さい、といわれています。世界で2番目に取引量の多いユーロは、初心者の方にとっては取り組みやすい通貨といえます。
リスク・取引のポイント
欧州連合(EU)には2024年3月時点で27カ国が加盟していることから、1国または近隣諸国の政治リスクや地政学リスク、財政不安などがユーロに影響を与えることがあります。過去には、2010年代前半の欧州債務危機や2016年の英国のEU離脱、2022年のロシア・ウクライナ戦争が発生した際はユーロが大きく下落したことがあります。
注目指標・イベント
ECB理事会
ユーロ圏の金融政策を決定する会合です。約6週間に1回のペースで開催されています。
GDP(国内総生産)
国内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額です。
ユーロ圏のほか、ドイツやフランスのGDPも注目されています。
PMI(購買担当者景気指数)
製造業やサービス業の購買担当者を調査対象にした、企業の景況感を示す景気指標の一つです。
ユーロ圏のほか、ドイツやフランスのPMIも注目されています。
HICP(消費者物価指数)
消費者が購入するモノやサービスなどの物価の動きを把握するための統計指標です。HICPとはEU基準のCPI(消費者物価指数)のことです。ECBは食料品とエネルギーを除いたコアHICPの動向に注目しています。ユーロ圏のほか、ドイツやフランスのHICPも注目されています。
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直近の値動き
2023年8月~9月にかけては米ドル/円が上昇する一方、ユーロ/円は欧州経済の減速が意識され、横ばいで推移しましたが、基本的に米ドル/円と同じような値動きをする傾向にあります。直近では、ユーロ/円は日本との金利差拡大を背景に2020年以降上昇トレンドが継続しており、2008年以来の160円台を回復しました。