南アフリカランド/円

南アフリカランド/円

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通貨ペアの特徴

ランド/円は、南アフリカの通貨である「ランド」と日本の通貨である「日本円」の組み合わせです。日本における2024年3月の通貨ペア別取引金額では16位になっています。(出所:一般社団法人金融先物取引業協会)
南アフリカは、金やダイヤモンドのほか、プラチナや鉄鉱石などの産出が多く、鉱物資源の輸出が盛んです。中でもプラチナの埋蔵量は世界第1位を誇っており、ランドはプラチナ価格に連動することがあり、商品価格の上昇はランドの上昇要因となります。
一方、南アフリカ経済の弱点として、双子の赤字(財政赤字と経常赤字)が挙げられます。一般的に双子の赤字を抱えている国の通貨には売り圧力がかかりやすい傾向があります。今後、赤字が拡大した場合、南アフリカ国債の格下げやそれに伴う資金流出などからランド安が進行する可能性があるため、双子の赤字の行方には注意しておく必要があります。

魅力

ランド/円の魅力はスワップポイントです。2024年5月時点で南アフリカの政策金利は8.25%であり、日本の政策金利とは大きな差があります。この金利差から得られる利益であるスワップポイントが大きな魅力といえます。
南アフリカの中央銀行に当たる南アフリカ準備銀行は、インフレ加速局面では景気動向よりもインフレ抑制を優先することが少なくありません。コロナ禍以降は、インフレ抑制のために積極的な利上げを実施し、政策金利を2009年以来となる8.25%まで引き上げました。中銀の積極的なインフレ抑制姿勢は通貨安抑制要因となります。

リスク・取引のポイント

南アフリカは前述の通り、双子の赤字を抱えていることや他の新興国と比べて成長率が低いなど、ファンダメンタルズが良好とはいえない面があります。よって、世界的な景気後退局面や金融危機が発生した場合、急速にランド安が進む可能性がありますので、急激な価格変動には注意が必要です。

注目指標・イベント

金融政策委員会

南アフリカの中央銀行にあたる南アフリカ準備銀行(SARB)において、金融政策を決定する機関です。総裁、副総裁を含む計5名で構成されており、年6回会合を開きます。南アフリカ準備銀行は、インフレ・ターゲットを採用しており、現在の目標レンジは3~6%です。

GDP

国内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額です。

PMI(購買担当者景気指数)

製造業やサービス業の購買担当者を調査対象にした、企業の景況感を示す景気指標のひとつです。

CPI(消費者物価指数)

消費者が購入するモノやサービスなどの物価の動きを把握するための統計指標です。

経常収支

ある国が一定期間におこなった海外との経済取引のうち財やサービスの貿易、配当・利子の受け払いなどを記録したものです。一般的に経常黒字は自国通貨高要因、経常赤字は自国通貨安要因といわれています。

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直近の値動き

チャート画像

(出典:松井証券 お客様サイト)

コロナ禍以降は、南アフリカ準備銀行が大幅な利上げを実施する一方、日本は低金利を維持したことから低金利の円を売り、高金利のランドを買う動きが強まり、ランド/円は上昇傾向にあります。
ただ、米国の金融引き締め局面が長期化した場合は、ドル高基調が継続し、ランドなどの新興国通貨にとって逆風となる可能性があるため、今後の値動きには注意が必要です。

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