ローソク足の基本パターン!組み合わせや注意点も解説

2024/11/1

FXや株式投資で継続的に利益を上げるためには、チャート分析などを用いて根拠のある取引が大切です。ローソク足は、チャート分析で用いられる指標の一つで、初心者の人でも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、見方や取引での活用方法がわからない人もいるでしょう。

本記事では、ローソク足の基本パターンや、よくある組み合わせなどを解説します。取引に活用する際の注意点も紹介しますので、投資判断の精度を高めたい人は参考にしてみてください。

チャートにおけるローソク足とは?

ローソク足は、為替や株価の値動きを表すチャートの一種です。日本発祥のこの手法は、視覚的なわかりやすさから多くのトレーダーに利用されています。

ローソク足の概要

ローソク足は、為替や株式市場における価格の変動をわかりやすく視覚化したチャートです。各足は指定した時間内の価格の動きを示しており、その形状を読み解くことで、売買のタイミングを図ることができます。

ローソク足の起源は18世紀の日本にさかのぼり、米相場を分析していた本間宗久(ほんま そうきゅう)が考案したとされています。この手法は、シンプルでありながらも情報量が豊富なため、今日では株式投資、FX、暗号資産などさまざまな金融商品の取引で活用されています。

ローソク足は、現在の価格だけではなく、トレンドの強弱や市場の心理を反映するため、多くのトレーダーが注目している指標です。買いの勢いが強いときや、売りの圧力が高まっているときなど、ローソク足の形状から相場のムードを把握できます。

ローソク足の基本的な構造

ローソク足は「始値」「高値」「安値」「終値」という4つの価格を1本の足で表します。始値(一定期間の最初についた価格)と、終値(一定期間の最後についた価格)で囲まれた四角い部分を「実体部」と呼びます。

始値より終値が高ければ実体部は赤(または白)で表され「陽線」、逆に終値が始値よりも低ければ青(または黒)で「陰線」として描かれます。

ローソク足の上部と下部に伸びる線は「ヒゲ」と呼ばれ、これらは一定期間内での最高値と最安値を示しています。ヒゲが長ければ、その期間中に価格の変動が大きかったことを意味し、逆に短ければ相場が安定していたと解釈が可能です。実体部が小さく、ヒゲが長いローソク足は「十字線」と呼ばれ、相場に方向性がないことを示唆します。

時間軸によってローソク足は変化し、1日の取引を表す「日足」、週ごとの動きを表す「週足」、月ごとの変動を示す「月足」などが存在します。さらに、短期間の値動きを捉える「時間足」や「4時間足」なども使われ、各時間軸に応じたトレード戦略が必要となります。

ローソク足がよく使用される理由

ローソク足が多くのトレーダーに使用されているのは、視覚的にわかりやすくほかのチャートよりも多くの情報を読み取れるためです。例えば、時間ごとの終値だけをつなげて折れ線で示した「ラインチャート」と比べると、ローソク足は相場の動きを細かく、また一目で理解しやすく表現しています。

さらに、ローソク足からはトレンドの勢いや市場の心理を読み取ることが可能です。例えば、陽線が連続することで「買いの勢い」が強いことが示され、一方で陰線が続く場合は「売り圧力」が増していると解釈できます。

このように、ローソク足の形状から、単なる価格の動きだけでなく、トレンドの強弱や転換点を視覚的に把握できる点が、ほかのチャートにはない利点です。

ローソク足の基本パターン

ローソク足には、トレーダーが売買の判断を行うために参考にするいくつかの基本的なパターンがあります。 それぞれ名称が付けられており、ローソク足の実体部の長さやヒゲの状態を確認することで、トレンドの勢いや反転の兆し、売買のサインなどを読み取ることが可能です。

以下の表や実際のチャートを見ながら、どのような相場なのか、どのタイミングで売買すれば良いのか、考えてみましょう。

ローソク足の組み合わせパターン

ローソク足を複数組み合わせたパターンは、相場の転換点やトレンドの強さを捉える手段として利用されます。ここでは、代表的な組み合わせパターンを紹介します。

包み足

包み足は、次のローソク足が前のローソク足を完全に包み込む形を取るパターンです。陽線が陰線を包み込む「陽線包み足」は、価格の下落が終わり、上昇に転じる強力なサインとされています。一方、陰線が陽線を包み込む「陰線包み足」は、上昇トレンドが終了し、下落トレンドに転じる可能性が高いとされます。

はらみ足

はらみ足は、前のローソク足の実体部分に次のローソク足がすっぽりと収まっているパターンです。はらみ足はトレンドのピークで現れることが多く、相場が転換する可能性を示唆します。高値圏で1本目のローソク足が陽線であるはらみ足が出現した場合は、買いの勢いが弱まり、下降トレンドに転換する可能性があると解釈できます。一方、安値圏で1本目のローソク足が陰線であるはらみ足が出現した場合は、売り圧力が緩和され、上昇トレンドに転換する可能性が読み取れるでしょう。

かぶせ線

かぶせ線は、1本目のローソク足が実体の長い陽線となり、その流れを引き継いで2本目のローソク足の始値は前のローソク足の終値よりも高くなったものの、終値が前のローソク足の実体の中心よりも安くなり、陰線を形成するパターンです。買いの勢いが続かなかったことを表しており、相場の高値圏で現れた場合は、下落トレンドへ転じる可能性があります。

切り込み線

切り込み線は、1本目のローソク足が実体の長い陰線となり、その流れを引き継いで2本目のローソク足の始値は前のローソク足の終値よりも安くなったものの、終値が前のローソク足の実体の中心よりも高くなり、陽線を形成するパターンです。売り圧力が弱まっていることを表しており、相場の安値圏で現れた場合は、上昇トレンドへ転じる可能性があります。

毛抜き天井

毛抜き天井は、上昇トレンドの終わりを示すパターンです。2本のローソク足がほぼ同じ高値で連続して形成されることが特徴で、上昇の勢いが弱まり、下降トレンドに転換する可能性が高いとされます。

毛抜き底

毛抜き底は、毛抜き天井の逆パターンです。安値圏で2本のローソク足がほぼ同じ安値で形成されることで、売り圧力の限界が近いことを示します。このパターンが出現した際は、下降トレンドから上昇トレンドへの転換する可能性があります。

赤三兵

赤三兵は、3本の陽線が連続して出現するパターンです。各ローソク足が前のローソク足の終値よりも高く始まることが特徴です。始値よりも相場の安値圏で発生すると、上昇トレンドへの転換を示唆しており、買いシグナルとして機能します。

黒三兵(三羽烏)

黒三兵は、3本の陰線が連続して出現するパターンです。各ローソク足が前のローソク足の終値よりも安く始まることが特徴です。相場の高値圏で発生すると、下降トレンドへの転換を示唆しており、売りシグナルとして機能します。

宵の明星

宵の明星は、三本のローソク足で構成されるパターンです。長い陽線をつけた次のローソク足が窓(前日終値と翌日始値の間にできる空間のこと)を開けて短い陰線として現れ、さらにその次のローソク足が陰線となった状態です。高値圏でこのパターンが出現すると、売り圧力が強まっており、上昇トレンドから下降トレンドへの転換を示唆します。

明けの明星

明けの明星は、三本のローソク足で構成されるパターンです。長い陰線をつけた次のローソク足が窓を開けて短い陽線として現れ、さらにその次のローソク足も陽線となった状態です。安値圏でこのパターンが出現すると、買いの勢いが強まっており、下降トレンドから上昇トレンドへの転換を示唆します。

ローソク足を見るときの注意点

「ダマシ」とは、相場分析で予測した方向と逆に相場が動くことです。分足など短期的な時間軸のチャートでは、ダマシが発生しやすい傾向があります。

例えば、ローソク足のパターンが現れたとしても、サイン通りの値動きをするとは限りません。ローソク足が示すサインとは逆の動きが起こるケースもあります。チャート上で陽線包み足が確認できたとしても、確実に上昇トレンドに転じるわけではなく、下降トレンドが継続する可能性もあるということです。

ダマシを防ぐためには、中長期の複数の時間軸でローソク足を確認することや、移動平均線やMACDなどほかのテクニカル指標も活用しながら価格を予測しましょう。

ローソク足のパターンをマスターして取引に活用しよう

ローソク足は、相場分析の精度を高めたいトレーダーにとって、大いに役立つツールの一つです。ローソク足の形状やパターンを理解で、相場の動きを捉えやすくなるでしょう。ただし、ローソク足の示すサインが全て正確であるとは限らないため、だましを避けるために足の期間を長くして見ることや、ほかの分析手法も活用して取引を有利に進めましょう。

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