スイングトレードとは?FXにおけるメリット・デメリットを解説!

2022/3/16

FXの「スイングトレード」について、耳にしたことはあっても詳しいことがよくわからないという方は多いのではないでしょうか。

スイングトレードはトレードスタイルの一種で、数日から数週間の期間で取引を完結させる、初心者にも比較的おすすめのトレード方法です。

本記事ではスイングトレードについて、他の取引手法との違いやメリット・デメリット、実践するためのポイントについて解説していきます。

そもそもFXとは?という方はこちらをご覧ください

スイングトレードとは

FXで利益を出すためには自分に合った取引方法を身につけることが重要です。スイングトレードの特徴や、他のトレードスタイルとの違いについて説明します。

スイングトレードの特徴

スイングトレードは、ポジション(建玉)を数日から数週間にわたって保有する取引手法です。

FXではチャートを分析し売買のタイミングを判断するのが一般的ですが、短期の取引になるほど相場状況を予測するのが難しくなります。というのも、チャートは中長期で見ればトレンドや動きのクセというのを見つけやすいのですが、短期になると動きも激しくなり短期のトレンドも頻繁に転換したりすることで動きを掴みづらくなるからです。時間軸が短いほど、細かいチャートの動きに注目して頻繁に売買をしなければ利益を出しにくくなります。

一方スイングトレードでは、中長期的な目線で「トレンド」とよばれる相場の方向性を分析するため、値動きの傾向が把握しやすくなります。価格が上昇トレンドの際に「買い」、下降トレンドでは「売り」を行う「順張り取引」をメインに利益を狙うのが基本となります。

スイングトレードとほかのトレードスタイルとの違い

FXの一般的なトレードスタイルはスイングトレード以外に一般的には三つあり、エントリー(新規の取引)から決済までの期間の長さによって分類されます。

徐々に上昇する折れ線グラフ

一つ目はスキャルピングです。スキャルピングでは数秒から数分のごく短い時間の中で何度も売買を行い、少ない利幅を着実に積み上げていくことを狙います。長期間ポジションを保有しないため、相場に大きな変動があっても即座に決済することができれば、損失の拡大を防ぐ利点があります。

一方でスイングトレードと比べて取引回数はかなり多くなります。しかし、スプレッドに開きがある通貨などは利益が出にくく、一度のトレードミスで積み上げた利益を大きく減らす可能性もあるのです。常にチャートを見ながら瞬間的に売買のタイミングを決定しなければならないため、判断力も問われます。上級者向けのトレードスタイルといえるでしょう。

二つ目がデイトレードです。ポジションの保有期間はスキャルピングよりは長いですがスイングトレードよりは短く、数十分〜1日の間で売買を行います。

基本的に日をまたいでポジションを持つことはないため、寝ている間に海外市場で急激な相場変動が生じたとしても大きな損失がでるリスクも避けることができます。

1日に何度も取引を行うケースも多く、実力があれば成績が安定し大きく利益を出せる反面、相場状況を読み間違えてしまうと1日で大きな損失を出してしまうこともある手法です。

三つ目はポジショントレードです。数週間以上の期間で売買を行う方法で、長い場合は決済までに1年ほどかけることもあり、スイングトレードよりも決済までの期間は長くなります。長期的な視点で投資を行うため、目の前の値動きに一喜一憂せずに取引できるメリットがあります。

また通貨の金利差を利用して得られる、スワップポイントを積み重ねることができるのも特徴の一つです。
ただし予想とは反対方向にトレンドが推移した場合、長期間にわたって損失が拡大する可能性があります。チャートの値動きで判断するテクニカル分析ではなく、マクロな経済の動きを捉えるファンダメンタルズ分析が重要となるため、FXの経験や周辺知識が必要とされるという点では初心者には難しいトレードスタイルといえるでしょう。

それぞれのトレードスタイルの違いをまとめると以下のようになります。

取引期間 取引回数
スキャルピング 数秒から数分 多い
デイトレード 数十分から1日 多い
スイングトレード 数日から数週間 少ない
ポジショントレード 1週間から1年 少ない

【関連ページ】FXのデイトレードとは?短期間で売買するメリットや注意点を解説!

スイングトレードのメリット・デメリット

効果的なスイングトレードを行うためにはメリット・デメリットを把握することが大切です。順に説明していきます。

メリットもあればデメリットもあるFX

スイングトレードのメリット

スイングトレードは主に数日から数週間かけて取引をする方法で、短期の値動きはあまり気にする必要がありません。トレード回数が少ないため、チャートで細かい値動きを見続けなくてもよく、時間的・精神的に余裕を持ったトレードができます。スキャルピングのような瞬時の判断力が必要とされることがないぶん、腰を据えて冷静な取引ができるでしょう。

スイングトレードは日中忙しいサラリーマンや主婦の方など、FXに使える時間が限られている方でも取り組みやすい方法です。株式投資の場合午前9時から午後3時までの間しか取引ができませんが、FXは24時間近く取引できるという利点が元々あります。自分の都合の良い時間に取引できると言う意味でスイングトレードはFXのメリットをさらに活かせる方法だといえます。

ひとつのトレンドを捉えてトレードすることが多いので、1回のトレードで得られる値幅が大きいのもスイングトレードのメリットです。同じ利幅を狙う場合でも、スキャルピングやデイトレードと比べ取引回数が少なく済みます。

またポジションを保有したまま日をまたぐ場合、スワップポイントに期待できるのもメリットといえるでしょう。

スイングトレードのデメリット

デメリットは数日間にわたりポジションを保有し続けることが多いため、相場が急変動した場合に影響を大きく受けるということです。すなわち、トレンドを捉えてトレードするのですが、そもそもトレンドの転換を捉えることは難しく、すぐに対応することが出来ないというリスクはあります。

一度に狙える値幅が大きい反面、ポジションを保有している間は為替変動の影響を受け続けるリスクに晒されているため、思惑と反対に価格が動いた場合の損失幅の拡大や要人発言や重要指標の発表、災害やテロなどの情報には常に注意が必要です。

スイングトレードのポイント

スイングトレードは仕組みを理解すれば、初心者の方でも利益に繋がるトレードスタイルです。ここではスイングトレードを行ううえで大切なポイントについて説明します。

時間足や通貨ペアなどを決める

スイングトレードでは長期的な為替の値動きを把握することが重要です。適切なタイミングでポジションを持つためには、テクニカル分析を用いて長期足のトレンドを見極めるようにしましょう。

時計とFXチャート

具体的には日足・週足に注目して長期足のトレンド方向を分析した後、1時間足や4時間足などを見ながらエントリーするタイミングを決めます。
相場状況には上昇トレンド、下降トレンド、レンジ相場の3種類がありますが、値動きの方向性が定まっていないレンジ相場は避け、トレンド相場のときのみエントリーするのも一つの方法です。また過去の高値や安値を結んで作られる「レジスタンスライン」や「サポートライン」の付近では値動きが反発する可能性があるためエントリーしない、またはラインを抜けたタイミングでエントリーするといった対策も有効でしょう。

日足・週足のトレンドは継続しやすいといわれているため、長期足の動きをもとに予測を立てるのは重要です。
また、通貨ペアを決めて取引するのもよいでしょう。初心者には、取引量が多く値動きが比較的安定している米ドル/円がおすすめです。米ドル/円の場合、為替に関わる情報が取得しやすく、相場変動の予測が立てやすいという利点もあります。

米ドル/円以外にも通貨ペアはあります。例えばポンド/円やトルコリラ/円といった通貨ペアの場合、通貨の流動性から為替レートの変動幅が大きくなることがあるため、一度の取引で大きな利益を狙いたい方にはおすすめですが、逆にそれだけのリスクもあることは忘れないでください。

【関連ページ】FX初心者におすすめの通貨ペア3選!

損切り(ロスカット)を設定する

損切りとは損失を拡大させないために見切りをつけてポジションを決済することです。スイングトレードでは一度の取引で狙える利益が大きくなる反面、損失も比較的大きくなりやすいため損切りをするタイミングが重要になります。

一方でロスカットとは、損失が拡大し取引金額に対する証拠金の割合が一定を下回った場合に、FX会社がトレーダーの保有しているポジションを強制決済する仕組みです。ロスカットが発生すると全てのポジションが決済され、損失が確定してしまいます。

そこで有効なのが決済の逆指値注文です。相場が変動し、予め自ら指定しておいた価格に達するとポジションを自動的に決済する方法で、ストップ注文とも呼ばれています。相場が不利な方向に動いた場合でも、ロスカットされる前に決済をすることができるため、損失を最小限に抑える事ができ、損失の幅も自分自身でコントロールできます。損切りの判断は上級者でも難しいといわれているので、トレードから感情を排除し計画的に利益を出すためにも逆指値注文は有効です。

中長期的にお金が増えていることを示す図

スイングトレードのリスクを理解して中長期的に投資することが重要

本記事ではスイングトレードの取引スタイルやメリット・デメリット、スイングトレードを行う際の注意点を説明しました。

スイングトレードは他の手法と比べて中長期的な投資方法となっており、日々の値動きをさほど気にせずに済むのがメリットです。トレード回数も少ないためチャートを見続ける必要がなく、日中忙しい人でもスキマ時間を使って取引できます。

また、スイングトレードを行ううえでは、通貨ペアを決めて取引することや長期の時間足を分析することが有効です。加えて、相場が急変動した時に大きく影響を受けるリスクがあることはしっかり理解しておく必要があります。

リスクを理解して取引を行えば、初心者の方にもおすすめの投資方法ですので、取引方法の一つとして参考にしてみてください。

<監修者>

川口一晃

<プロフィール>

1986年銀行系証券会社に入社。銀行系投資顧問(現・三菱UFJ国際投信)や三洋投信で11年間ファンドマネージャーを務める。2004年10月に独立してオフィスKAZ 代表取締役に就任。テレビ番組やラジオなどメディア出演は多数。現在、FMナック5「お金の世界の歩き方」でパーソナリティを務める。「SMAP×SMAP」では木村拓哉氏とも対談。著書も多数。また、テレビ朝日のドラマ「アイムホーム」をはじめ、フジテレビの月9のドラマの監修も担当。行動経済学学会会員。

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