インデックス投資とは?メリットやデメリット、失敗しないためのポイント
インデックス投資は、初心者でも取り組みやすい運用手法として紹介されることが多いです。特に積立投資と相性が良いとされていますが、具体的にどのような運用手法なのかわからず、実際に投資を始めるべきか迷っている人もいるでしょう。
そこで本記事では、投資信託のインデックス投資のメリット・デメリットを詳しく解説します。運用で失敗しないためのコツも紹介しますので、参考にしてください。
インデックス投資の基礎知識
そもそも「インデックス」とは何を指すのか、またほかの投資手法とどのような違いがあるのか、基本的な知識を身につけておきましょう。
インデックスとは?
インデックスとは、特定の市場動向を示す指数・指標のことです。例えば「株価指数」は、特定の株式市場や銘柄群の株価の動きを表しています。「債券指数」であれば、特定の公社債について値動きの傾向を知ることが可能です。
インデックスによって、さまざまな算出方法が用いられています。例えば代表的な株価指数であるTOPIX(東証株価指数)の場合は「(本日のTOPIX構成銘柄の時価総額 ÷ 昭和43年1月4日における東証市場第一部全体の時価総額) × 100」のような形で算出しています。
インデックス投資とは?
インデックス投資とは、特定のインデックスへの連動を目指す投資手法のことです。インデックス投資を行っている投資信託を「インデックスファンド」と呼びます。例えばTOPIXをベンチマークとするインデックスファンドであれば、基本的にTOPIXと同じ値動きを目指して運用されます。
一方、アクティブ投資は、ベンチマークを上回る投資成果を目指す投資手法です。アクティブ投資を行っている投資信託を「アクティブファンド」と呼びます。インデックスファンドは基本的にインデックスと同様の銘柄で構成されますが、アクティブファンドは運用会社に所属するファンドマネージャーが、独自に銘柄を選定している点が特徴です。調査や運用にコストがかかる分、インデックスファンドよりも信託報酬(投資信託の運用・管理にかかる費用)が高くなりやすい傾向があります。特にNISAなどで長期間運用する場合は大きな差となるため、銘柄選定時にはしっかりと確認しましょう。
インデックスファンドとアクティブファンドのどちらも、保有している銘柄が値上がりした時に売却することで利益を得ることができます。
主なインデックス
以下のように資産や地域などによって、さまざまなインデックスが存在します。
分類 | 具体例 |
---|---|
国内株式 | 日経平均株価やTOPIXなど |
外国株式 | NYダウ平均やS&P500など |
外国債券 | FTSE世界国債、シティ世界国債インデックスなど |
REIT | 東証REIT指数、S&P先進国REIT指数など |
同じ資産を対象とするインデックスであっても、構成銘柄などには違いがある点は理解しておきましょう。例えば、日経平均株価は東証プライム上場銘柄のうち、代表的な225銘柄の株価で構成されています。一方、TOPIXは東証プライムに上場しているすべての銘柄で構成されています。
インデックスファンドに投資するメリット
インデックスファンドは、手軽に分散投資ができる、少額から始められるなど初心者にとって嬉しいメリットが多くあります。
株式の知識がなくても始めやすい
インデックスファンドは、さまざまな指数・指標と同じ値動きを目指すので、値動きがわかりやすく、投資の初心者でも相場状況を把握しやすいメリットがあります。
また、個別の株式に投資する場合は、それぞれの銘柄を分析した上で購入する銘柄を選定しなければなりません。しかし、インデックスファンドであれば最初から銘柄の組み合わせが決まっているので銘柄選びや運用の手間がかからない点もメリットです。
少額から始められる
株式は100株単位で購入するため、数万円〜数十万円の投資資金が必要になることがほとんどです。一方、投資信託は、多くの投資家から集めた資金を、投資のプロがまとめて運用する仕組みになっています。そのため、少額からの購入も可能となっており、最低100円程度から購入できる証券会社もあります。
インデックスファンドは、投資初心者や、それほど多くの投資資金を用意できない人、万が一失敗したときのリスクを最小限に抑えたい人にもおすすめです。
リスクが抑えられる
インデックスファンドは、基本的にベンチマークとする指数・指標を構成する多数の銘柄と同じ銘柄で構成されています。そのため、1本のインデックスファンドを購入するだけで、複数の地域や銘柄に分散投資するのと同じ効果が得られる点もメリットです。分散投資で、特定の銘柄が値下がりしたとしても、ほかの銘柄の値上がり分でカバーできる可能性があり、結果として価格変動リスクを軽減できます。
インデックス投資は儲からない?おすすめしないと言われる理由は?
インデックス投資は儲からないといわれることもありますが、決して「ほかの投資方法よりも劣っている」わけではありません。しかし、メリットだけではなくデメリットもあることを理解しておかなければ、意図しない取引につながる可能性があります。
インデックス投資のデメリットは、アクティブ投資や個別株への投資と比べると、大きなリターンは得にくい点です。投資においてリスクとリターンは基本的に比例するため、リスクが小さいといわれるインデックス投資は、得られるリターンも少なくなりやすいといえます。そもそも市場全体の値動きに連動した運用を目指すインデックスファンドの性質上、「1年で3〜4倍」のような極端に大きなリターンは望みにくいことを理解しておきましょう。
また、インデックスファンドは安定したリターンが狙えると言われていますが、ほかの金融商品と同様に元本割れするリスクもゼロではありません。市場全体の値動きの影響を受けやすいため、景気の悪化やバブルの崩壊などにより市場が落ち込めば、運用成績も悪化します。
例えば、米国の代表的な株価指数である「S&P500」は、30年以上の長期で見れば右肩上がりに成長を続けています。しかし、常に右肩上がりというわけではなく、2008年のリーマンショックや、2020年のコロナショックにより数日で20%近くの下落を経験しています。もしS&P500をベンチマークとするインデックスファンドを購入した直後にこのような暴落が発生した場合には、損失が生じ、元本割れする可能性があるでしょう。
インデックス投資はどちらかといえば、時間をかけてじっくり資産を増やしていきたい人と相性の良い投資方法です。短期的な目線で売買をすると、大きなリターンを得にくかったり、元本割れしてしまったりする可能性があるので、注意しましょう。インデックス投資で失敗しないために注意すべきポイントについては、次の見出しでも詳しく解説していきます。
インデックス投資で失敗しないためのポイント
リスク許容度を理解する
インデックス投資で失敗しないためには、自分のリスク許容度を理解し、それにあった銘柄や投資戦略を選択しましょう。リスク許容度とは「どのくらいの価格変動なら受け入れられるか」を表したもので、年齢や収入、保有資産、投資の目的などによっても異なります。
リスク許容度が低い場合は、国内債券型インデックスファンドや全世界型インデックスファンドを選択すると良いでしょう。リスク許容度が高い場合は、先進国株式型のインデックスファンドに投資して、積極的にリターンを狙うのも一つの手です。リスク許容度に応じたポートフォリオを構築することで、投資の精神的な負担を減らすことができるでしょう。
分散投資を行う
インデックスファンド自体、分散投資の効果を得られる商品の一つではありますが、複数のインデックスに投資でさらにリスクを分散できます。例えば、国内株式のインデックスファンドだけでなく、海外株式や債券のインデックスファンドにも投資で、地域や資産クラスごとのリスク分散を図ることが可能です。これにより、一国の経済状況や市場の動向に左右されにくい、より安定した投資ポートフォリオの構築が可能となります。
低コストのファンドを選ぶ
インデックス投資で成功するためには、低コストのファンドを選ぶことも重要なポイントです。投資信託のコストには、信託報酬や販売手数料などがありますが、これらのコストが高いと投資のリターンが減少してしまいます。連動を目指すインデックスが同じであれば、なるべく運用コストの低いファンドを選ぶことで、長期的にみてリターンを最大化できる可能性があります。
定期的にポートフォリオを見直す
投資環境や自身のライフステージの変化に応じて、定期的にポートフォリオを見直すことも重要です。例えば、リスク資産の割合が増えすぎている場合は、リバランスが必要になることもあるでしょう。リバランスとは、商品の価格変動によって資産配分が崩れてしまった場合に、資産の売買で元々設定した資産配分に戻すことです。
また、年齢やライフステージの変化によってリスク許容度が変わることもあるため、定期的な見直しを通じてポートフォリオの維持が求められます。
松井証券ではご自身で設定したモデルポートフォリオの比率になる様に自動でリバランスを行うことができる機能を提供しています。
これから資産運用を始める人にはインデックス投資がおすすめ
インデックス投資は、手軽に分散投資ができ、値動きがわかりやすい特徴があるため、投資初心者でも取り組みやすい投資手法の一つです。ただし、元本割れするリスクがないわけではないため、長期的な目線で運用や、リスク許容度に合わせたポートフォリオの構築などを心がけましょう。
インデックスファンドの購入を検討している方は、松井証券での口座開設をおすすめします。松井証券では、毎月100円から投資信託の積立が可能です。とくにNISA口座の取引なら、投資信託だけではなく日本株や米国株の取引手数料も無料なので、コストを抑えて投資に取り組めます。