FXにおけるダイバージェンスとは?意味や見方、活用時の注意点

2022/9/26

FXで戦略的に取引するためにはチャート分析が欠かせません。「ダイバージェンス」は、FXの相場に時折現れる、相場分析に役立つサインの一つです。しかし初心者の場合、チャート上でどのようにダイバージェンスを見つけるか、具体的にどうトレードに活用するか、戸惑ってしまうかもしれません。

そこで本記事では、ダイバージェンスとはどのようなものなのか、実際の取引での使い方や注意点などを解説していきます。

そもそもFXとは?という方はこちらをご覧ください。

ダイバージェンスとは

ダイバージェンスはトレンドの転換を見極めるのに役立つサインとして活用できます。ここでは、ダイバージェンスの基本的な意味や、実際のチャート上での見つけ方を解説します。

ダイバージェンスの意味

ダイバージェンスとは「逆行現象」を意味する言葉です。オシレーター系のテクニカル指標が、実際の相場とは逆方向に向かって動いている状態を指します。

上昇するチャートを駆け上る男性

過去の値動きから将来の価格を予測する手法を「テクニカル分析」といいます。テクニカル分析に用いられる指標の一種として「買われ過ぎ・売られ過ぎ」といった相場の過熱感を見極める「オシレーター系指標」が挙げられます。通常であれば、オシレーター系指標とトレンドは連動する傾向がありますが、ダイバージェンスが発生しているときには、価格が示す方向性と、オシレーターが示す方向性の動きは連動しません。

たとえば、ローソク足の高値が上昇トレンドを示しているときにオシレーターの高値が切り下がっている場合や、ローソク足の安値が下降トレンドを示しているときに、オシレーターの安値が切り上がっている場合などは、ダイバージェンスが発生していると言えます。

ダイバージェンスは相場が急激な値動きから、穏やかな値動きへ変化することによって発生します。トレンド転換の兆候を知るのに役立ちます。

ダイバージェンスの見方

ダイバージェンスには「強気なダイバージェンス」と「弱気なダイバージェンス」の2種類があります。

強気のダイバージェンス

下降トレンドの際に発生するのが強気のダイバージェンスです。チャートは安値を更新しているにもかかわらず、オシレーターの安値は切り上がっている状態を指します。強気のダイバージェンスが発生した場合には買い注文をする目安となるでしょう。

弱気のダイバージェンス

上昇トレンドの際に発生するのが弱気のダイバージェンスです。チャートは高値を更新しているにもかかわらず、オシレーターの高値は切り下がっている状態を指します。弱気のダイバージェンスが発生した場合には、売りから入る目安となるでしょう。

ダイバージェンスとリバーサルの違い

ダイバージェンスは、トレンド転換の兆候を示すサインとなります。一方、トレンドの継続を示唆するサインとなるのが「リバーサル」です。リバーサルは「ヒドゥンダイバージェンス」や「コンバージェンス」と呼ばれることもあります。

ダイバージェンスは、価格が最高値(最安値)やそれに近いところに達しているときに出現するのが特徴です。リバーサルは、トレンド発生中の押し目や戻りを狙うところに出現します。

  • 「押し目」とは、上昇トレンドで一時的に価格が下落することを指します。反対に、下落トレンドで一時的に価格が上昇するのが「戻り」です。

それぞれ、トレンドラインの引き方が違います。ダイバージェンスでは、上昇トレンドのとき高値を結び、下降トレンドのときには安値を結ぶのに対して、リバーサルでは、上昇トレンドのとき安値を結び、下降トレンドのときには高値を結ぶといった具合です。

相場が過熱しているときはダイバージェンスを、トレンドが続いているときはリバーサルを意識するとよいかもしれません。

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ダイバージェンスにおすすめのインジケーター

ダイバージェンスを実際の取引に活用するためには、テクニカル指標についての理解を深めておくことが重要です。

MACD(移動平均収束発散)

MACD(移動平均収束発散)は、移動平均線の一種である指数平滑移動平均線を用いて、トレンドの強さや転換点を予測するテクニカル指標です。MACDとシグナル線と呼ばれる2つの線が交差するタイミングを、売買の注文を入れる目安として用いるのが一般的です。

通常、価格が上昇している場合は、MACDも上向きになります。しかし、価格上昇中にもかかわらずMACDが下落している場合は、ダイバージェンスが発生していると判断できるでしょう。

RSI(相対力指数)

RSI(相対力指数)とは、直近の一定期間の終値ベースで、上昇変動と下落変動のどちらの勢いが強いか計測するための指標です。0〜100までの間にラインを表示し、ラインがどの位置にあるかで相場の過熱度を分析できます。RSIが70%~80%を超えると買われ過ぎ、反対に20%~30%を割り込むと売られ過ぎといわれており、一般的には逆張りの指標として用いられます。

価格が上昇している中でRSIの下落が見られるときは、ダイバージェンスが発生していると判断できます。

  • 逆張りとは、相場の流れに逆らって売買することを意味します。
株のデータが表示される画面と男性

ストキャスティクス

RSI同様に相場の過熱感を把握する指標として用いられるのが「ストキャスティクス」です。ストキャスティクスでは0~100の間で「%K(パーセントK)」「%D(パーセントD)」という2本の線を表示し、2本のラインが80%以上で推移すると「買われすぎ」、20%以下で推移すると「売られすぎ」と判断します。「%K」、「%D」の2本の線の交わりが売買シグナルとなる点がRSIとの違いです。

価格が上昇している中で、ストキャスティクスが下落している場合、ダイバージェンスが発生しているといえます。

RCI(順位相関指数)

「日付」と「価格」それぞれに順位をつけ、両者にどれだけの相関関係があるのかを指標化したものが「RCI(順位相関指数)」です。RCIでは、+100%から-100%の数値の中にラインを表示し、どの水準にあるかで相場の過熱度を分析します。ラインが+80%以上であれば「買われすぎ」、ラインが-80%以下であれば「売られすぎ」と判断するのが一般的です。

価格が値上がりを続けている一方で、RCIが下降に転じるパターンでは、ダイバージェンスが発生しているといえるでしょう。

ダイバージェンスを使用して取引をするときの注意点

ダイバージェンスは視覚的に相場状況を分析できるため、使いやすいというメリットがあります。しかし、実際のトレードで利用する場合には注意すべき点もあります。

下降する棒グラフと注意マーク

トレンド転換が必ず起こるわけではない

ダイバージェンスは、トレンドの弱まりを知らせるサインにすぎません。つまり、「トレンドが弱まる=必ずトレンドが転換する」というわけではないということを理解しておきましょう。状況によっては、ダイバージェンスの有無に関係なく相場が変動する可能性があります。

ダイバージェンス以外のインジケーターと一緒に使用する

100%、確実に相場を予測できるテクニカル指標や、相場分析の手法は存在しません。ダイバージェンスだけに頼って取引をすると、ダマシにあう可能性が高まります。

  • ダマシとは、相場状況を分析して得られた結論とは違った方向に相場が変動することを意味します。

ほかのテクニカル指標と併せて用いることで、より正確にトレンド転換のタイミングを分析することが可能になるでしょう。

【関連ページ】FXのテクニカル分析とは?代表的な6つの分析指標と注意点

ダイバージェンスだけを狙って取引しない

ダイバージェンスの発生頻度はあまり高くありません。また、強いトレンドが発生しているとダイバージェンスが起きにくくなります。

ダイバージェンスだけを狙っていると、なかなか取引ができない事態に陥る可能性があるため、注意が必要です。

「ダイバージェンスを活用するときは冷静にエントリーポイントを見極めよう」

ダイバージェンスはトレンド転換のタイミングを見極めるのに有効な手法の一つです。FX初心者でも、売買のシグナルとして活用できるでしょう。

ただしダイバージェンスが発生したからといってすぐにエントリーするのは考えものです。ダマシの可能性もあるため、できるだけ他のテクニカル指標と併せて活用しましょう。トレードの根拠は一つでも多い方が、相場の予測精度を高め、失敗する確率を低減することにつながります。

<監修者>

川口一晃

<プロフィール>

1986年銀行系証券会社に入社。銀行系投資顧問(現・三菱UFJ国際投信)や三洋投信で11年間ファンドマネージャーを務める。2004年10月に独立してオフィスKAZ代表取締役に就任。テレビ番組やラジオなどメディア出演は多数。現在、FMナック5「お金の世界の歩き方」でパーソナリティを務める。「SMAP×SMAP」では木村拓哉氏とも対談。著書も多数。また、テレビ朝日のドラマ「アイムホーム」をはじめ、フジテレビの月9のドラマの監修も担当。行動経済学学会会員。

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