バフェット氏が率いたバークシャー社の保有銘柄トップ10|銘柄の選定基準とは?
投資に関する情報収集をしている人なら、一度は「ウォーレン・バフェット」の名前を聞いたことがあるでしょう。著名な投資家として知られているバフェットの投資手法を参考にして、継続的に利益を出せるようになりたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
本記事では投資の神様と呼ばれたウォーレン・バフェット氏が築き上げた投資会社、バークシャー・ハサウェイが保有している銘柄や、バフェット氏の投資の考え方などを詳しく紹介します。バークシャー・ハサウェイが注目している銘柄を知っておけば、最新の市場動向を予測する際に役立つかもしれません。
バフェット銘柄とは?
バフェット銘柄とは一般的に、ウォーレン・バフェットが長年CEOを務めた投資会社「バークシャー・ハサウェイ」の保有する銘柄のことを指します。
投資の神様「ウォーレン・バフェット」とは
ウォーレン・バフェットは、世界で成功している投資家のひとりです。世界の長者番付にも度々名を連ねており、ジム・ロジャーズやジョージ・ソロスと並んで世界三大投資家と呼ばれることもあります。11歳から株式投資を始め、2025年末に95歳でバークシャー・ハサウェイのCEOを退任するまで、長年にわたり投資の第一線で活躍し続けたことから「投資の神様」や「オマハの賢人」として多くの投資家に知られています。
なお、ウォーレン・バフェットには慈善家としての顔もあり、これまでの寄付総額は数百億ドルにものぼるようです。
米投資会社「バークシャー・ハサウェイ」とは
バークシャー・ハサウェイは、ウォーレン・バフェットが長年CEOを務めた世界最大級の投資会社です。
設立は1888年で、元々は紡績業を主力事業としていました。しかし、1960年代以降にバフェットが主要株主になってからは、さまざまな企業を買収しながら投資会社として成長を遂げています。保険事業を中心として、鉄道やエネルギー、家具や菓子など幅広い業種の子会社を傘下に収めているのが特徴的です。
バークシャー社が保有する銘柄は、一般的に「バフェット銘柄」や「バフェット関連株」といわれています。バフェット銘柄は、バフェットのこれまでの投資実績を背景に、安定的かつ長期的な成長が期待できる銘柄として市場から注目を浴びることが多くなっています。
実際に、2020年8月以降にバフェットが日本の総合商社(三菱商事・三井物産・住友商事・伊藤忠商事・丸紅)に投資した際には大きな話題を集めました。その後、これらの商社の株価は大きく上昇しています。2025年8月には三菱商事の持ち株比率が初の10%台まで上昇したと発表。同社の株価は1年超ぶりに高値を付けるなど、彼の発言は市場に大きな影響を与えています。
バークシャー社が保有している銘柄
ここでは、バークシャー社が保有している割合の多い銘柄の種類や、それぞれの銘柄の特徴などを詳しく解説します。
バークシャー社が保有している上位10銘柄
ここでは、2026年2月17日発表のバークシャー社のポートフォリオから、上位10銘柄を紹介します。以下の表は、大口の機関投資家が四半期ごとに米証券取引委員会(SEC)に提出する報告書「フォーム13」を参考に作成したものです。なお、フォーム13に掲載されているのは米国上場銘柄のみであり、日本株は含まれていません。
| シンボル | 銘柄名 | 業種 | 保有金額 (単位:千ドル) |
保有割合 |
|---|---|---|---|---|
| AAPL | アップル | IT | 61,961,735 | 23% |
| AXP | アメリカン エキスプレス | 金融 | 56,088,378 | 21% |
| BAC | バンク オブ アメリカ | 金融 | 28,451,276 | 10% |
| KO | コカ-コーラ | 食料品 | 27,964,000 | 10% |
| CVX | シェブロン | 石油 | 19,837,131 | 7.2% |
| MCO | ムーディーズ | 金融 | 12,602,556 | 4.6% |
| OXY | オクシデンタル ペトロリアム | 石油 | 10,894,391 | 4% |
| CB | チャブ | 保険 | 10,689,854 | 3.9% |
| KHC | クラフト ハインツ | 食料品 | 7,896,644 | 2.9% |
| GOOGL | アルファベット A | サービス | 5,585,842 | 2% |
(出典:Berkshire Hathaway Inc Q4 2025 13F Holdings)
合計約2,420億ドル(約37兆円)を情報技術・金融・生活必需品・エネルギーと幅広い業種の銘柄に投資しているのが特徴です。保有割合は上位10銘柄で約88.3%と、バークシャー社の株式ポートフォリオの大部分を占めています。
2025年第4四半期は、バークシャー社にとって大きな転換期となりました。長年CEOを務めたバフェット氏が退任し、後任としてグレッグ・アベル氏が就任。アベル氏は、2018年からバークシャー社の副会長を務めており、2024年2月に公開された株主への手紙ではバフェット氏から「あらゆる面で、明日にでもCEOに就任する準備が整っている」と強い支持を受けていました。CEO交代後初となる2026年5月の四半期報告書の発表に注目が集まります。
また、ポートフォリオの中身については、2025年第4四半期にアマゾン株の保有比率を75%以上引き下げました。一方で、アメリカの新聞社 ニューヨーク・タイムズの株を新たに取得し、これがバフェット氏のCEOとしての最後の新規投資となりました。
第1位:「アップル」
アップルはiPhoneやMacBook、Apple Watchなどのハードウェアや各種ソフトウェアの販売を主力事業としている、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる世界最大のテクノロジー企業の一角です。
米国市場に上場している企業等の時価総額で第2位(2026年2月25日時点)となっており、マグニフィセント・セブン(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft、NVIDIA、Tesla)の一角を担う巨大IT企業として一般的に認知されています。
バークシャー社が初めてアップルの株式を取得したのは2016年。その後、毎年順調に買い増しを続け、一時はポートフォリオの半数を占めていましたが、現在は23%まで減少しています。
第2位:「アメリカン・エキスプレス」
アメリカン・エキスプレスは、ニューヨークを本拠地とする大手クレジットカード会社で、ステータス性の高さで知られている「アメリカン・エキスプレス・カード」を発行しています。
バークシャー社は1964年からアメリカン・エキスプレス投資を開始しており、株が暴落したタイミングにおいて何度か買い増しをしていることから、割安株投資の典型例といわれています。
第3位:「バンク・オブ・アメリカ」
バンク・オブ・アメリカは、アメリカにおいて最大級の店舗数と資産を保有する、米国を代表する金融機関です。創業は1784年で歴史も古く、現在では世界各国の個人、企業、機関投資家に対して幅広くサービスを提供しています。
2009年には、リーマンショックで経営危機に直面した「メリルリンチ」を買収し、投資銀行としても大手になりました。
第4位:「コカ・コーラ」
コカ・コーラは、アトランタに本社を置く、世界最大の清涼飲料水メーカーです。コーラ飲料の中で世界トップシェアを誇る「コカ・コーラ」はバフェット氏の好物としても知られています。
コカ・コーラは、配当金を64年連続で増配しており、「配当王(50年以上連続増配している銘柄)」と呼ばれる銘柄のひとつです。
第5位:「シェブロン」
シェブロンは世界180カ国以上に拠点を持つ、石油関連企業です。エネルギー関連製品を取り扱う国際石油資本(石油やガスに関する探査・採掘・生産から、輸送・精製・販売に至るまで幅広く手がける、石油系巨大企業複合体の総称)として知られています。
シェブロンは、「配当貴族(25年以上増配を続ける銘柄)」と呼ばれる銘柄として、多くの投資家から注目を集めています。
ウォーレン・バフェットが銘柄を選ぶ基準
バフェットの投資戦略を取り入れるには、単に表面的な銘柄を真似るのではなく、投資に関する根本的な考え方を学ぶことが重要です。
継続的に利益を生み出している企業
バフェットが投資する銘柄は、継続的に利益を生み出しており、業績が安定している企業という傾向があります。バフェットは自身の過去の経験に基づき、一時的なトレンドではなく、長期的な視点で投資を重視しているからです。
財務諸表を読み解いて、長期的に安定して稼げているか、過去の市場の危機を乗り越えてきた実績があるか、負債の増減などを確認し将来を予測します。
バフェットは基本的にROEが高い企業を評価しています。ROEとは(自己資本利益率)は、投資家が投下した資本に対し企業がどれだけの利益をあげているかを表したものです。一般的にROEが10%以上の企業は、効率的に利益をあげており「稼ぐ力がある企業」とされています。
有能な経営者がいる企業
バフェットは経営者が有能でなければ、企業の継続的な成長は実現できないと考えています。そのため、ニュースやIR、証券アナリストレポートなどに載っている発言を通して、経営者の能力を見極めたうえで投資をしています。
シンプルで理解しやすい事業内容
「自分が理解できるビジネスである」かも、バフェット銘柄の選定基準のひとつとなっています。なぜなら、自分が理解できる企業でなければ、企業分析をして将来の業績や成長を予測するのが難しくなってしまうからです。そのため、バフェットは、スタートアップ企業やトレンド銘柄などへの投資には積極的ではありません。
株価が割安のタイミング
バフェットの投資戦略は、割安な株を見つけ長期保有する「バリュー投資」を主軸としています。バリュー投資では、市場が企業の実力を過少評価しているときに株を買うことによって、企業価値が見直されたときの値上がり益を狙えます。例えば、本来1,000円の価値があると考えられる株を300円の時に買い、値上がりを待つといった手法です。
なお、投資の世界では、株価の割安・割高を判断するために「PER」や「PBR」といった指標が用いられます。PERとは株価収益率(Price Earnings Ratio)のことで、株価が「1株当たりの当期純利益」の何倍になっているかを表したものです。一般的に、PERが15倍未満なら割安とされています。
PBRは株価純資産倍率(Price Book-value Ratio)のことで、株価が1株あたりの純資産の何倍になっているかを示す指標です。PBRが1倍を下回ると割安とされています。一般的なバリュー投資ではこれらのPERやPBRなどの指標を重視することが多くなっています。
バフェット銘柄は長期投資に適した銘柄
バフェットは企業の健全性や競争力、経営者の質など、企業の基本的な強みに焦点を当てて銘柄を選定しています。そのため、バフェット銘柄に選ばれているのは、経営が安定しており、継続的に配当を出している企業が多くなっています。バフェットが投資している銘柄や、投資に対する考え方を知っておけば、長期投資をする際の指標のひとつとして役立つかもしれません。
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