FXの取引時間はいつ?おすすめの時間帯と取引を避けたいタイミング

2023/1/17

ほぼ24時間常に相場が動き続けているFXは、専業のトレーダーだけではなく、スキマ時間でトレードに取り組んでいる人もいます。自分のライフスタイルに合わせて取り組めるのが、FXの大きな魅力の一つです。一方で、自由度が高いぶん、初心者の場合、どの時間に取引すべきなのか迷ってしまうこともあるでしょう。

この記事では、FXの取引をするのにおすすめの時間帯や、取引を避けたほうがよい時間帯をご紹介します。取引時間帯ごとの特徴を正確に把握し、日々のトレードに役立てましょう。

そもそもFXとは?という方はこちらをご覧ください。

FXの取引時間の概要

FXの取引時間に関する基本的な知識として、まずは取引ができる時間帯・取引できない時間帯を押さえておきましょう。

FXの取引時間の概要

FXの取引ができる時間

FXは、基本的に平日・祝日のほぼ24時間取引ができるようになっています。FX会社によって多少異なりますが、一般的な取引時間は、月曜の午前7時前後から土曜の午前6時前後までです。

FXの舞台となる「外国為替市場」では、電話やインターネットを使って取引がされています。ただし、証券取引所のように、取引する場所が実際に存在しているわけではありません。その時間帯に中心となって取引をする銀行が存在しており、世界各地でいずれかの銀行が取引をしている限り、外国為替市場での取引もできるようになっています。代表的な外国為替市場としては、東京、ロンドン、ニューヨーク、シドニーなどがあげられます。

平日は常にいずれかの市場が動いているため、仕事に行く前の早朝や仕事終わりの深夜など、ライフスタイルに合わせて取引できるのがFXの魅力の一つです。

ただし、サマータイムの間は、取引時間が変動します。サマータイム制度とは、太陽が出ている時間を有効活用するために、欧米で取り入れられている時間制度です。サマータイムでは、時計の時刻が1時間早く進められるため、FXの取引時間も1時間前倒しとなります。

一般的な区分けは以下の通りです。

  • 米国標準時間(冬時間):11月の第1日曜日から3月の第2日曜日まで
  • サマータイム(夏時間):3月の第2日曜日から11月の第1日曜日まで

サマータイムの具体的な取引時間はFX会社によって異なるため、確認しておくとよいでしょう。

FXを利用できる時間を教えてください。(Q&A)

FXの取引ができない時間

土曜日や日曜日は、世界中ほぼすべての外国為替市場が一斉に休みとなるため、FXの取引はできなくなります。

ただし、その間は取引ができなくても、為替レートは変動し続けている点には注意しなければなりません。というのも、イスラム圏では休みが土日ではなく金曜日となっており、中東の一部の地域では、取引が行われていることがあるためです。

なお、FXでは原則として祝日の取引は可能ですが、元日だけは世界中の外国為替市場が休場となるため取引はできません。

FXの取引が活発になる時間帯

世界中にある各外国為替市場がオープンしてからの数時間は、活発に取引が行われる傾向にあります。時間帯ごとの特徴を詳しく見ていきましょう。

市場ごとのFXの取引が活発な時間帯

東京時間(8時~10時) 東京、香港、シドニー、シンガポール
ロンドン時間(16時~19時) ロンドン、フランクフルト、チューリッヒ
ニューヨーク時間(21時~2時) ニューヨーク

8時~10時

8時~16時は、東京為替市場での取引が中心となるため、東京時間と呼ばれています。日本や中国、オーストラリア、シンガポールなど、アジアやオセアニアの市場参加者が多いのが特徴です。

中でも、8時~10時は仲値が発表されるため、値動きが活発になる傾向があります。仲値とは、金融機関が外国為替を取引する際の基準レートのことです。

特に「ゴトー日」と呼ばれる5と0のつく日は日本企業の決済が増え、海外への支払いのためにドルが多く買われやすくなります。仲値が決まる9:55にかけてドル高円安が進む傾向があるため、それを利用した取引をするトレーダーもいるようです。

また、東京時間はオーストラリアや中国の経済指標が発表される時間帯でもあります。米ドルやユーロなどを含む通貨ペアの値動きは落ち着いている一方、豪ドルやNZドルなどを含む通貨ペアの値動きは大きくなりがちです。

16時~19時

16時~2時は、欧州為替市場での取引が中心となるため、ロンドン時間と呼ばれています。

とりわけ、16時~19時は値動きが活発になりやすい時間帯です。ロンドン市場がオープンする16時以降、ヨーロッパのトレーダーがユーロやポンドなどの通貨を積極的に取引するようになるためです。19時を過ぎるとトレーダーが昼休みに入ることで、値動きは落ち着く傾向があります。

21時~2時

21時~6時は、ニューヨーク為替市場での取引が中心となるため、ニューヨーク時間と呼ばれています。アメリカの市場参加者が中心となって取引を行うのが特徴です。

特に、21時~2時の間は、ロンドンとニューヨークの2つの大きな市場が同時に開いている時間帯となるため、1日の中で最も取引が活発となります。「ニューヨークオプションカット」と呼ばれる通貨オプション(あらかじめ決められた期日や価格で通貨を売買する権利のこと)の権利行使期限である24時前後や、「ロンドンフィキシング」と呼ばれるロンドン為替市場の仲値が決まる翌午前1時前後は特に値動きが活発になるケースが多くなっています。

FXの取引を避けたほうがよい時間帯

初心者の場合、値動きが読みづらくなるタイミングでは取引を避けたほうが無難です。短期間で損失が大きくなる可能性もあるため、注意しましょう。

FXの取引を避けたほうがよい時間帯

日本時間の6時~7時

日本時間の早朝6時前後は、取引の参加者が少なく、流動性が低くなるため、取引を避けたほうがよいでしょう。流動性とは、取引のしやすさを表すもので、流動性が高いほど、希望する価格での取引が成立しやすくなります。反対に流動性が低ければ、売買が成立しなかったり、希望から大きくかけ離れたレートで売買が成立してしまったりする可能性があるのです。

また、流動性が低い状況では、短期間で急激に大量の資金が流れ込み、相場が大きく変動するリスクもあります。加えて、取引コストに当たる「スプレッド」が広がる可能性についても無視できません。明確な目的がない限りは、取引を控えたほうがよい時間帯です。

クリスマス

クリスマスは、欧米の多くの地域で休日の扱いです。東京為替市場が開いている時間帯に取引時間が限定されるため、多くのFX会社では取引時間自体が短縮されます。ロンドンやニューヨークなどの主要な外国為替市場が休場となり、流動性が低下することで、急激な価格変動が起きやすくなる点に注意しましょう。

年末年始

年末年始も、流動性が大きく低下する可能性が高いため、取引を控えたほうが無難です。相場が急変するリスクがあり、スプレッドも広がりやすくなります。

また、欧米や中国などの企業が決算を迎えることで、通常とは異なる値動きを示す傾向もあります。価格の予測がしにくいため、特に初心者は取引を避けたほうがよいでしょう。

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市場に影響のある経済イベントの前後

政策金利や米国の雇用統計、消費者物価指数、国内総生産(GDP)など、市場に大きな影響を与える経済指標が発表されるタイミングや、政府高官や中央銀行総裁などの要人による発言があったタイミングでは、初心者の場合、取引を控えたほうが無難です。

経済イベントの前には様子を見るためにトレーダーが取引を控え、その後一転して取引が活発になる、といった動きを見せることがしばしばあります。想定以上に大きく値が動くこともあれば、急にトレンドが転換することもあり、値動きの予測がしづらいのが特徴です。

取引時間ごとの特徴を把握することはFXの取引に必要不可欠

FXは平日ならほぼ24時間取引できるため、ライフスタイルに合わせて取り組みやすく、さまざまな局面で利益を狙えます。しかし、取引が活発で大きな利益を狙いやすい時間帯もあれば、慣れていないと値動きが読みづらい時間帯など、取引時間によって相場の特徴は大きく異なるため注意が必要です。

FXでは一度の大きな負けによって、これまで積み上げた利益がなくなってしまうことも珍しくありません。初心者のうちは特に、取引時間帯ごとの特徴を把握し、慎重に取引を行いましょう。

<監修者>

川口一晃

<プロフィール>

1986年銀行系証券会社に入社。銀行系投資顧問(現・三菱UFJ国際投信)や三洋投信で11年間ファンドマネージャーを務める。2004年10月に独立してオフィスKAZ代表取締役に就任。テレビ番組やラジオなどメディア出演は多数。現在、FMナック5「お金の世界の歩き方」でパーソナリティを務める。「SMAP×SMAP」では木村拓哉氏とも対談。著書も多数。また、テレビ朝日のドラマ「アイムホーム」をはじめ、フジテレビの月9のドラマの監修も担当。行動経済学学会会員。

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