FXの手法とは?取引手法からトレードスタイル、分析手法まで紹介

2023/6/30

FXをこれから始めようと思ったときに気になるのが、取引の手法ではないでしょうか。やみくもに取引をしていては、利益を得ることはなかなか難しいでしょう。継続的に利益を出すことは簡単ではありませんが、手法を学ぶことが大切です。

本記事では、FXにはどんな手法があるのか、どの手法を身につけるべきなのか、FXの代表的な取引手法や分析手法を紹介します。自分に合った手法を見つけるための参考にしてみてください。

そもそもFXとは?という方はこちらをご覧ください。

FXの基本の取引手法

FXには「順張り」と「逆張り」の2種類の取引手法があります。実際に取引を始める前にそれぞれの特徴や手法を理解しておきましょう。

順張り

順張りとは、相場の方向性(トレンド)に沿って売買をする取引手法のことです。相場が上昇基調の場合は「買い」、下降基調の場合は「売り」注文をします。例えば1ドル=130円だった為替レートが、135円、140円と上昇してきたタイミングで買い注文を入れるのが順張りです。トレンドの波に乗る形でエントリーをするので、初心者でも比較的取り組みやすいとされています。

ただし順張りは、相場に方向性がなく一定の値幅で推移するレンジ相場や、価格が乱高下する相場では利益が出にくい可能性があるため、まずは相場にトレンドが発生しているかを見極めることが必要です。

また、予測を誤ってトレンドが切り替わるタイミングで注文を出した場合には、損失を被る可能性があります。そのままにしておくと損失が拡大する可能性があるため、損切りのポイントを決めておくことも重要です。損切りとは、損失を抱えている状態で決済し、損失を確定させることを指します。注文するタイミングを誤ったときは、損切りをして早めに撤退することが大切です。

【関連ページ】FXにおける損切りとは?目安やルール、損失を抑えるためのポイント

逆張り

逆張りとは、相場が反転するタイミングを狙って売買する取引手法です。相場が上昇している場合は「売り」、下降している場合は「買い」の注文を入れます。1ドル=140円だった為替レートが、135円、130円と下降してきたタイミングで買い注文を入れるのが逆張りです。

主に逆張りは、一定の値幅の中で価格が上下している相場(レンジ相場)で用いられます。レンジ相場では価格に方向性がなく、利益を出しやすい状況は限られるため、こまめに利確することが大切です。利確とは、ある程度利益が出たタイミングで決済し、利益を確定させることを指します。

【関連ページ】FXにおける逆張りとは?順張りとの違いや注意点を解説!

FXのトレードスタイル

FXのトレードは1回あたりの取引時間によってスタイルが分かれます。自分に合ったトレードスタイルを見つけられれば、安定的に利益を狙えるようになるかもしれません。

スキャルピング

スキャルピングとは、数秒から数分程度の短期間で売買し、利益を積み重ねていくトレードスタイルです。
1日の間に数十回、数百回取引を繰り返すこともあります。

少しでも値動きのみられる相場であれば通貨ペアや時間帯を問わずに取引でき、利益を狙えることがメリットです。

また、ポジション(通貨を買っているまたは売っている状態のこと)の保有期間が短いため、トレード1回あたりのリスクが少ないのも特徴です。ポジション保有中に価格が大きく変動する可能性は低いといえます。

ただし、短時間で売買すべきかを素早く判断する必要があるため、売買タイミングを見極めるためにはチャートを注視し続ける必要があります。取引回数も多くなりがちなので、精神的にも負担が大きく、初心者向きとはいえないトレードスタイルです。

【関連ページ】FXのスキャルピングとは?特徴や注意点、初心者向けではない理由

デイトレード

デイトレードとは、その日のうちに注文から決済までの取引を完了させるトレードスタイルです。ポジションの保有期間はスキャルピングよりも長く、数時間から1日程度で、ポジションを翌日に持ち越さないことが特徴です。

スキャルピングと同様に、資金効率が良く比較的短期間で利益を積み重ねられるのがメリットです。ただしスキャルピングと比べると、少し余裕を持った売買ができるため、事前にある程度戦略を立てておいたり、予約注文を活用したりすればチャートを注視し続ける必要はありません。

また、1日で動く値幅の範囲内に損失が限定されることや、日を跨いでポジションを持ち越す間に価格が急落するリスクもないため、初心者でも取り組みやすい側面があります。

【関連ページ】FXのデイトレードとは?短期間で売買するメリットや注意点を解説!

スイングトレード

スイングトレードは、中長期間的な目線で取引をするトレードスタイルです。数日から数週間程度のスパンでポジションを保有します。多くの場合、テクニカル分析を用いて相場の流れを見極め、その流れに沿ってポジションを取ります。上昇相場であれば買い、下降相場であれば売りのポジションを取る、といった具合です。

スキャルピングやデイトレードよりも時間的に余裕を持った取引をできるのが特徴で、一回の取引で得られる利幅も大きくなる傾向があります。利益を最大化するために、ポジションを長期間保有することも珍しくありません。

ただし、ポジションを保有している間はリスクに晒され続ける点には注意が必要です。保有期間が長くなるほど価格変動に遭遇する可能性も高くなるため、大きな損失を被る可能性もあるでしょう。このようなリスクに備えて、ロスカットを設定しておくのもリスク管理の一つです。

ポジショントレード

ポジショントレードとは、数週間から数か月の長期間ポジションを保有し、大きなリターンを狙うトレードスタイルです。ポジショントレードでは為替差益だけではなく、スワップポイントによる利益を狙うことも可能です。スワップポイントとは2国間の金利差のことで、高金利の通貨を買い低金利の通貨を売り、利益を得られます。

ポジショントレードではスイングトレードよりもさらに多くの利益を狙える可能性がありますが、損失も大きくなりやすいため、ハイリスク・ハイリターンの取引です。適切なポジションをとるためには、ファンダメンタルズ分析も駆使しなければならず、初心者にはやや難易度が高いスタイルといえるでしょう。

FXの分析手法

FXでは買値と売値の差額が利益につながるため、いつ注文を出すかが重要です。タイミングを見極めるためにも、相場状況を分析する手法を学んでおきましょう。

テクニカル分析

テクニカル分析とは、過去の価格推移から今後の値動きを予測する分析手法のことです。

テクニカル分析は、トレンド系とオシレーター系の大きく2種類の指標に分けられます。移動平均線はトレンド系の代表的な指標です。
一方、RSI、ストキャスティクスなどはオシレーター系の代表的な指標として位置付けられます。
そして、ボリンジャーバンドやMACDはトレンド系とオシレーター系の両方を併せ持った指標です。

「経済指標や金融政策、戦争やテロなど、全ての事象はチャート上の値動きに反映されている」との考えに基づいた分析手法なので、テクニカル分析ではチャートの分析だけに集中できます。プロの投資家と同じ条件(=チャート)で分析できるため、経験を積めば初心者でも安定した利益を狙いやすい手法といえるでしょう。

ただしテクニカル分析の結果とは異なる値動きをする「だまし」が発生することもあります。そのため、複数のテクニカル指標を組み合わせて使うことが大切です。

テクニカル分析の詳細については以下の記事をご覧ください。

【関連ページ】FXのテクニカル分析とは?代表的な6つの分析指標と注意点

ファンダメンタルズ分析

ファンダメンタルズ分析は、経済状況や金融政策、政治などの動向を分析して相場を予測する分析手法のことです。例えば、要人発言や経済成長率・物価上昇率・失業率のような経済指標、金融政策などが相場にどのような影響を与えるのかを分析します。

ファンダメンタルズ分析は、長期的な相場を予測するときに特に有効な手法です。ただし、分析するのには時間がかかるうえ、どの情報がどこまで相場に影響するのかを判断するのは容易ではありません。取引の経験が浅い初心者にとっては難しい手法に感じることもあるでしょう。

「FXにおけるさまざまな手法の特徴を理解しよう」

FXにはさまざまな手法が存在しています。手法が確立できれば、安定した利益を狙える可能性があるため、まずはそれぞれの手法の特徴をよく理解しておきましょう。

どの取引手法も一長一短なので、どんな相場でも使える手法があるわけではありません。とはいえ、初心者のうちはあれもこれもと手を出すとうまくいかないケースも多いでしょう。実際の取引経験を通じて、まずは一つの手法を使い続け、慣れてきたらほかの手法も学んでみることをおすすめします。

<監修者>

川口一晃

<プロフィール>

1986年銀行系証券会社に入社。銀行系投資顧問(現・三菱UFJ国際投信)や三洋投信で11年間ファンドマネージャーを務める。2004年10月に独立してオフィスKAZ代表取締役に就任。テレビ番組やラジオなどメディア出演は多数。現在、FMナック5「お金の世界の歩き方」でパーソナリティを務める。「SMAP×SMAP」では木村拓哉氏とも対談。著書も多数。また、テレビ朝日のドラマ「アイムホーム」をはじめ、フジテレビの月9のドラマの監修も担当。行動経済学学会会員。

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