NISAのつみたて投資枠とは?成長投資枠との違いや対象商品、活用ポイント

2024/6/28

つみたて投資枠とは、2024年にスタートした新しいNISA制度における非課税投資枠の1つです。その名称から、積立投資に利用できることは理解しているものの、具体的にいくらまで投資できるのか、どうやって活用すれば良いのかなど、さまざまな疑問を抱えている人もいるでしょう。

本記事ではNISAのつみたて投資枠に関する基礎知識や活用方法を詳しく解説します。NISAで資産形成を始めようと考えている方はぜひ参考にしてください。

NISAのつみたて投資枠とは?

NISAのつみたて投資枠の特徴について、旧制度からの変更点を踏まえながら解説します。

つみたて投資枠の概要

つみたて投資枠とは、2024年1月からスタートした新NISAの非課税投資枠の1つです。旧制度における「つみたてNISA」を引き継ぐ制度で、積立投資による長期的な資産形成を支援するためのものとされています。積立投資とは、毎月・毎週・毎日など決まった間隔で一定の金額を投資する方法のことです。

通常であれば投資で得た利益には20.315%の税金が発生しますが、つみたて投資枠を使って購入した金融商品から得た売却益や分配金については非課税になります。

旧制度「つみたてNISA」と異なる点は?

旧制度の「つみたてNISA」とは、主に年間の非課税投資枠や非課税保有期間、投資可能期間が異なります。

2023年までの旧制度では、年間40万円(毎月約3.3万円)が非課税で投資できる上限でした。しかし、新制度では年間120万円(毎月約10万円)に上限が拡大されています。

また、非課税で保有できる期間は20年から、無期限に変更されています。これにより、非課税保有期間の終了期限に合わせて売却のタイミングを見計らう必要がなくなりました。新制度では、じっくり腰を据えて利益が出るまで保有し続けるといった戦略を取れるようになっています。

つみたてNISAでは、新規で投資できる期間が「2042年まで」とされていたため、運用を始めるのが遅くなるほど、非課税で投資できる金額が減ってしまうデメリットがありました。しかし、新NISAでは制度自体が恒久化されたため、いつ投資を始めても合計1,800万円まで非課税で投資できます。

なお、新制度への移行に伴い、非課税投資枠の再利用も可能になりました。1,800万円の非課税保有限度額の範囲内であれば、NISA口座で購入した商品を売却すると、翌年以降売却した分の非課税枠が再び使えるようになっています。

つみたて投資枠 つみたてNISA(旧制度)
制度の併用 つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能 つみたてNISAと一般NISAのどちらかを選択
非課税保有期間 無期限 20年
投資可能期間 恒久化 2023年まで
年間投資枠 120万円 40万円
非課税保有限度額 1,800万円 800万円
投資対象商品 一定条件を満たした投資信託
対象者 日本国内在住の18歳以上

NISAのつみたて投資枠と成長投資枠との違いは?

つみたて投資枠と成長投資枠は、主に年間非課税投資枠や非課税保有限度額、投資対象商品に違いがあります。

つみたて投資枠の年間非課税投資枠は120万円ですが、成長投資枠は倍の240万円です。

非課税保有限度額は1,800万円までと決められていますが、これはつみたて投資枠のみを利用する場合、もしくはつみたて投資枠と成長投資枠を併用した場合の金額で、成長投資枠のみを利用する場合は1,200万円までと少なくなります。

成長投資枠ではつみたて投資枠と同じ投資信託が購入可能ですので、2つの非課税枠を最大限に活用すれば、年間360万円まで同じ商品に投資することもできます。

後述しますが、つみたて投資枠で投資できる商品は、金融庁が制定した一定条件を満たした投資信託のみとなります。成長投資枠では投資信託以外にも株式やREITなどさまざまな商品に投資できるため、つみたて投資枠よりも多くの選択肢の中から投資先を選ぶことができます。

つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資枠 120万円 240万円
非課税保有期間 無期限
非課税保有限度額 1,800万円
うち1,200万円まで
対象者 日本国内在住の18歳以上
投資対象商品 一定条件を満たした投資信託 上場株式、投資信託など

NISAつみたて投資枠の対象商品は?

NISAのつみたて投資枠では購入できる商品があらかじめ指定されています。幅広い商品に投資したい場合は、成長投資枠も活用しましょう。

つみたて投資枠で購入できる商品

つみたて投資枠で購入できる商品は、金融庁の基準を満たした投資信託やETFに限定されています。具体的には以下のような基準を満たす、長期の積立・分散投資に適している銘柄が対象です。

  • 信託契約期間が無期限又は20年以上
  • 分配金の頻度が毎月ではない
  • 販売手数料・解約手数料・口座管理手数料が無料
  • 信託報酬が低い
  • つみたて投資枠で購入できない商品

つみたて投資枠では、金融庁がつみたて投資枠の投資対象商品として指定した商品以外は一切購入できません。また、投資信託のみを対象とするため、成長投資枠で購入できる国内外の上場株式や、REIT、ETFなどは購入できなくなっています。

NISAのつみたて投資枠の活用方法

NISAのつみたて投資枠で運用を始める場合は、少額での投資や長期投資を意識することで、大きな失敗を避けやすくなるでしょう。

少額から投資を始める

投資初心者がNISAのつみたて投資枠を活用する場合は、まず少額から投資をスタートしてみましょう。少額から始めれば、万が一運用に失敗しても、生活に影響が出るような大きな損失を被ることはほとんどないでしょう。

積立金額の変更は基本的にいつでも可能なので、投資に慣れてきてから徐々に積立金額を引き上げるようにしても遅くはありません。また、少額でさまざまな銘柄に投資することによって、投資のリスクを分散もできます。

松井証券であれば、毎月100円から投資信託の積立を始められます。

できる限り早めに投資を始める

つみたて投資枠を活用する上では、なるべく早めに投資を始めることも大切です。なぜなら、投資を始めるのが早ければ早いほど複利効果によって、より多くの収益を得られる可能性があるからです。複利効果とは、運用で得た分配金などの利益を再び投資することで、運用益が年々増大していく効果のことを指します。

NISAの運用期間は無期限なので、複利効果をうまく活用すれば、少額からコツコツと積立投資をしても、長期的な目線で大きな成果を狙えるでしょう。

【関連ページ】複利効果とは?単利との違いやデメリット、複利効果のシミュレーション

投資初心者こそNISAのつみたて投資枠を活用しよう

NISAのつみたて投資枠は、2024年からスタートした新NISAにおける非課税投資枠の1つです。従来のNISAよりも年間投資枠が拡大し、非課税保有期間も無期限となったことで、さらに長期的な資産形成に役立つ制度になりました。とくに金融庁の基準を満たした銘柄の中から投資先を選べる点や、少額から投資できる点は、初心者にとっても大きなメリットになるでしょう。

松井証券であれば、毎月100円から積立ができますので、この機会にNISAでの資産形成をスタートしてみてはいかがでしょうか。

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