円高ドル安とは?メリットやデメリット、生活や株価などへの影響

2024/12/19

「円高ドル安」とは、「アメリカのドルに対して円の価値が上がること」を意味します。ニュースでよく耳にするものの、普段の生活や投資にどのような影響を与えるのか、イメージしにくい人もいるでしょう。

円高ドル安は輸入品が安くなる、気軽に海外旅行に行けるようになるといった家計に嬉しいメリットをもたらす一方、輸出企業にとっては逆風となることもあります。

本記事では、円高ドル安の仕組みや、生活・株価に及ぼす影響をわかりやすく解説します。

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円高ドル安の覚え方

初心者の方は、円の数値が低くなれば円高、高くなれば円安と覚えるのがわかりやすいでしょう。例えば「1ドル=150円」から「1ドル=140円」に変化した場合は円高ドル安、「1ドル=150円」から「1ドル=160円」に変化した場合は円安ドル高です。

円高ドル安の場合、同じ1ドルを交換するのに必要な円の数が少なくなり、円の価値が相対的に高くなったことを意味します。一方、円安ドル高の場合、1ドルを得るためにより多くの円が必要になるため、円の価値が相対的に低下したといえます。

円高ドル安が与える影響

円高ドル安は、私たちの生活や企業活動にさまざまな影響を与えます。円の価値が高まることで恩恵を受ける面もあれば、逆にデメリットとなる場合もあります。

生活への影響

円高ドル安になると、海外の商品やサービスを安く購入できるようになります。

1ドル=150円のとき、アメリカで100ドルのカバンは15,000円で購入できます。

一方、1ドル=100円になれば、カバンは10,000円で購入可能なので、日本円では買いやすくなるといえます。

また、円高ドル安が進むと、海外旅行でも同じ金額の円でより多くの買い物ができるようになります。 例えば「1ドル=150円」のときよりも、「1ドル=100円」のときの方が、日本円をより多くのドルと交換できるので、購入できる商品の量も増えます。

国内企業への影響

  • メリット
  • 円高ドル安は、原材料や部品、食糧、エネルギーなどを輸入している企業や、輸入品を国内で販売している企業に有利に働きます。原材料費や商品仕入れ価格が安くなるため、業績にプラスの効果をもたらし、株価の上昇につながることもあるでしょう。

    また、海外旅行の費用が割安になるため、旅行会社や航空会社にもプラスの影響をもたらすことがあります。

  • デメリット
  • 一方で、国内でモノをつくり、海外への輸出を中心に行っている企業にとっては、円高ドル安が業績にマイナスの影響を与える場合があります。アメリカなどで得たドル収入を円に換算する際、円高が進むとその金額が目減りしてしまうからです。例えば、海外で稼いだ100万ドルを日本円に換える場合、1ドル=150円のときと1ドル=140円のときでは、円換算した売上高が大きく異なります。

    製造業などの輸出企業にとって、円高ドル安は売上や利益の減少要因であり、業績悪化や株価の下落を招く可能性があるでしょう。

FXや外貨預金における円高ドル安の影響は?

円高ドル安は、投資家にも大きな影響を及ぼします。適切な対処をするためにも、為替変動の仕組みを理解しておくことが重要です。

外貨預金への影響

円高ドル安が進むと、外貨預金で預けた元本部分に為替差損が発生する可能性があります。為替差損とは、為替レートの変動によって生じた損失のことです。

例えば、米ドルを1ドル=150円のときに購入したあと、円高ドル安が進み1ドル=140円になったとすると、1ドルにつき10円の損失が生じます。

ただし、為替レートが変動した時点では、あくまでも評価額が下がったに過ぎず、預金を円で引き出さない限り損失は確定しません。

円高ドル安になった場合も焦って引き出すのではなく、為替相場の動向を予測しながら、円安ドル高の方向に進むまで預金を続けるのも一つの方法です。また、長期間運用で、為替差損を利息である程度カバーできる可能性もあるでしょう。

FXへの影響

FX取引においても、円高ドル安が大きな影響を及ぼします。例えばドル/円の取引において「買い」でエントリーし、その後円高ドル安が進むと、外貨預金と同様に為替差損が発生します。

ただし、FXは現物の外貨をやり取りするわけではなく、売買代金の差額だけをやりとりする「差金決済取引」なので、売りからエントリーし、差益を狙うことも可能です。例えば1ドル=150円のときにドルを売り、1ドル=140円のときに買い戻せば、1ドルあたり10円の利益を得られます。

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株価への影響

円高ドル安は、企業の業績を通じて株価にも影響を与えます。国内輸入企業の場合、円高により輸入コストが削減されるため業績にプラスに働き、結果として株価が上昇する要因となることがあります。一方、国内輸出企業では、円高が売上の目減りや利益の圧迫につながるため、株価にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。

また、米国株に目を向けると、円高ドル安の状況では、少ない円で米国株を購入するチャンスが生まれます。その後、円安ドル高に転じた場合は、株価が変わらなかったとしても為替差益を得られるかもしれません。

例えば、株価100ドルの米国株を、1ドル=130円のときに1株購入したとしましょう。このとき必要な購入資金は13,000円です。その後、1ドル=150円まで円安が進んだときに売却した場合は、売却額が15,000円となり、株価が100ドルのままで変わらなかったとしても2,000円の利益を得られます。

ただし、すでに米国株を保有している場合、円高ドル安により円建ての評価額が下がるため、円換算での含み損を抱えるリスクがあります。

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「円高ドル安を正しく理解して投資に生かそう」

円高ドル安は、日常生活や経済だけでなく、資産運用にも大きな影響を与えます。特に、外貨建ての商品を取引する際には、為替変動が損益に直結するため、その仕組みをしっかり理解することが重要です。

投資したい商品が、円高ドル安によってどのような影響を受けるのかを把握することで、リスクを回避し、利益を狙いやすくなるかもしれません。

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