FXはやめとけと言われる理由は?失敗しやすい人の特徴やリスクを回避するためのポイント

2022/9/2
2025/7/29(更新)

FXに関して「危険」「やめとけ」といったネガティブな言葉を目にしたことがある人は多いでしょう。一方で「FXは投資初心者に向いている」といった意見もあります。

実際のところ、「FXはやめとけ」という意見は、FXに潜むリスクを強調したものに過ぎません。リスクに対する正しい理解・知識を持っていれば、FXでリターン(利益)を狙うことは十分に可能です。

本記事ではFXはやめとけと言われる理由やFXで失敗しやすい人、FXにおけるリスクを軽減する方法を解説します。

そもそもFXとは?という方はこちらをご覧ください

「FXはやめとけ」という意見の真相は?

「FXはやめとけ」という意見は、多くの場合、過去にFXで失敗した人や大きな損失を出した人の経験に基づいた意見であることが多いと考えられます。

投資のコストが上がる図

FXでは、リスクを十分に理解しないまま取引を始めた初心者が、短期間で資金を失ってしまうケースが少なくありません。為替相場は予測が難しく、軽い気持ちで始めると、あっという間に大きな損失を出す可能性もあります。このような点だけを考えると「やめておけ」という意見が出るのも無理はないでしょう。

しかし、一方で、FXは正しい知識と明確な戦略を持つことで、リスクをコントロールしながら取り組むことができます。「やめておけ」という意見を鵜呑みにするのではなく、メリットとリスクの両方を理解した上で、投資に取り組むことが重要です。

「FXはやめとけ」と言われる理由

「FXはやめとけ」という人の多くは、FXを正しく理解できていないことが考えられます。正しい知識を身につければFXにおけるリスクを回避することは可能です。

大きな損失を出すおそれがある

FXはレバレッジを掛けることができるため、大きな利益を狙える反面、為替レートの変動によって大きな損失を出す可能性もある投資商品です。特に初心者は、為替の知識や取引経験が乏しいため、相場の急変動に対応しきれないことも多くあります。

例えば経済指標の発表や要人発言、為替介入などによって急激に円高や円安が進んだときに、損切りができず、あっという間に手持ちの資金が減ってしまうこともあるでしょう。

適切なリスク管理をせずに取引を行うと、資金を一気に失うおそれがあるため、「やめとけ」と言われることがあります。

【関連リンク】FXにおける損切りとは?目安やルール、損失を抑えるためのポイント

レバレッジで資金以上の取引ができる

レバレッジとはてこの原理のことで、FXにおいては少ない資金でより大きな金額の取引を行うことができる仕組みを指します。「FXはやめておいたほうが良い」と考えている人の中には「レバレッジ=危ない」という認識の人もいるようです。

たしかに高いリターンを狙ってレバレッジを高くし過ぎると、少しの値動きで損失が大きくなり、ロスカットが執行されてしまうリスクがあります。
※ロスカットとは、証拠金維持率が一定水準を下回った場合に、保有するすべてのポジションが強制決済される仕組みのことです。証拠金維持率とは、必要証拠金に対する純資産の割合のことを指します。

しかし、ロスカットは本来、損失を一定の範囲内に収めるために、預け入れた証拠金以上に損失が膨らむような深刻な事態からトレーダーを守るための機能です。レバレッジを低く抑えることで、証拠金維持率を高く保ち、ロスカットされる可能性を下げるなど、正しく理解すれば、必要以上にロスカットを恐れる必要はありません。

【関連リンク】FXのレバレッジとは?計算方法やメリット・デメリットをわかりやすく解説 【関連リンク】FXにおけるロスカットとは?仕組みや計算方法、回避する方法を解説!

継続的に勝つには勉強と経験が必要

FXで安定して利益を上げられるようになるためには、専門用語や取引手法、チャートの分析方法などの勉強が必要です。勉強時間を確保しなければならないため、副業感覚でやろうとしている人にとっては労力が大きく感じられるでしょう。

しかし、勉強しないと物事がうまくいかないのはFXに限りません。FX初心者が楽をして稼ぐ方法はないと心得たうえで、相場や取引手法について学びながら、少額の取引から徐々に経験を積んでいくことが重要です。

【関連リンク】FXの練習方法は?2種類の練習方法のメリット・デメリット

メンタル管理が重要になる

FXの市場は世界各国で開かれており、昼夜問わず取引が活発に行われています。土日を除き基本的に24時間取引が可能です。この点は、売買できる時間が9時から15時半に限られる株式取引(東京証券取引所の場合)とは異なります。

このため、自分の都合の良い時間に取引ができるというメリットがある反面、就寝中に重要指標の発表を受けて価格が大きく変動することも少なくありません。ポジションを持ち続けている限り常に価格変動のリスクにさらされますので、ポジションの大きさによっては精神的に大きなストレスを抱えることもあるでしょう。

しかし、例えば「24時間のうち、自分が最も落ち着いて取引できる時間」を定めて、多額のポジションを翌日に持ち越さないというルールをしっかり守ることで、メンタルをコントロールできるようになっていくでしょう。
※ポジションとは、新規で買い注文または売り注文をし、決済せずに保有している通貨のことを指します。

数十分から数時間ポジションを保有し、その日のうちに売買を終えるトレード手法であるデイトレードは、基本的に日をまたいで価格が変動するリスクを考慮する必要がありません。1日ごとに利益や損失を確定していくことができるため、精神的な負担を和らげることができる面もあるでしょう。

【関連リンク】FXのデイトレードとは?短期間で売買するメリットや注意点を解説!

悪質な情報や詐欺に注意が必要

FXに関する悪質な情報や詐欺の事例が後を絶たないことも、FXは「やめておけ」と言われる一因です。

「必ず儲かる」「誰でも簡単に稼げる」といった甘い言葉で誘惑し、高額な情報商材を売りつけたり、無登録業者での取引を勧めたりする事例があります。近年では、SNSをきっかけにFXでの投資を持ちかけられ、お金を騙し取られるケースも少なくありません。

FXの仕組みをよく理解していない初心者ほど、このようなトラブルに遭いやすい傾向にあります。「仕組みやリスクがわからないものには手を出さない」ということに加え、FXを始める際は金融庁の登録を受けた正規の業者であるかどうかを必ず確認しましょう。

参考: 登録業者一覧(店頭FX取引、取引所FX取引、店頭バイナリーオプション取引

FXで失敗しやすい人の特徴

FX取引は、個人の性格や取引スタイルによって成功のしやすさが大きく異なります。現時点でFXに不向きとされる人でも、弱点を克服すれば、利益を狙うことは可能です。

外貨が下がり頭を悩ませる男性

短期間で一攫千金を狙っている

FXではレバレッジを最大25倍かけられるため、少ない資金で大きな利益を狙うことができます。しかし、実際に大きな利益を得られるのはほんの一握りの人だけと考えたほうが良いでしょう。

一獲千金を狙って大きなレバレッジをかけ、相場が予測と反対方向に動いた場合、短期間で多くの資金を失ってしまう可能性があります。損失が拡大し、投資する資金がなくなれば、FX自体を継続できなくなることもあり得ます。

1度も負けずに勝ち続けようとする

FXではプロのトレーダーであっても、1回も負けずに勝ち続けることは不可能に近いとされています。FXで利益を得ているのは、勝ち負けを繰り返しながら、トータルの収支がプラスになっている人達です。適切な損切りによって損失を最小限に抑えるのが、FXで勝つためのコツといえるでしょう。

無理な資金で取引をしている

FXに限らず、投資は余裕資金で行うべきといえます。借金をしてまで利益を出そうとする人は、ハイレバレッジのトレードによる一発逆転を狙いがちです。一時的に利益が出せたとしても、損を出してはいけない資金であることや借金返済のプレッシャーが頭をよぎり、焦ってトレードしてしまうなどして最終的に良い結果とならない可能性が考えられます。

感情に左右されやすい

感情的になりやすい人は、先ほどの「メンタル管理」についての説明で紹介したような自分で決めたトレードルールを作ったとしても、それを守れなくなってしまう場合は、FXに向いていないかもしれません。

利益を出しているときにさらなる利益を期待して利益確定のタイミングを逃す、損失が出ているときには根拠なくポジションを持ち続け、損切りができない、といったことを繰り返して、なかなか利益を出せない状況に陥ってしまう可能性あります。

FX取引が向いている人の特徴

FX取引にはリスクが伴いますが、正しい知識と心構えがあれば、効率よく資産を増やせる可能性もあります。ここでは、FX取引に比較的向いている人の特徴を紹介します。

上昇する外貨を見つめる男性たち

コツコツと勉強を続けられる

FXで成功するためには、継続的な学習が不可欠です。経済の動向、為替相場の特徴、チャート分析の手法など、学ぶべきことは多岐にわたります。新しい知識を積極的に吸収し、それを実際の取引に活かそうと努力できる人は、着実にスキルアップし、安定した取引に繋がりやすいでしょう。 マネーサテライトのFX投資情報動画も参考にしてください。

【関連リンク】マネーサテライト FX投資情報動画

一発逆転のギャンブルをしない

FXはギャンブルではありません。FXを冷静な分析と戦略に基づいた投資として捉え、一発逆転を狙わない堅実な姿勢で取り組める人は、無理なリスクを取らず、着実に利益を積み上げていける可能性が高いです。

感情のコントロールができる

FX取引は、相場の変動によってメンタルが大きく揺さぶられることがあります。しかし、感情に流されず、常に冷静な判断を保てる人は、事前にトレードルールを決めて、それを守り、衝動的な取引を避けることができます。このような自律的な行動は、損失を最小限に抑え、利益を最大化するためには不可欠な要素です。

FXのリスクを回避するためのポイント

FX取引にはリスクがつきものですが、適切な対処法を知っていれば、リスクを最小限に抑えられるかもしれません。「FXはやめとけ」という声に惑わされず、リスクを回避しながら取引をするためのポイントを解説します。

余裕資金で行う

生活資金や、近い将来に必要になるお金でトレードをするのは避けたほうが良いでしょう。生活資金を投資してしまうと精神的に余裕がなくなり、トレードの判断を誤るおそれがあります。損失が出た場合には、負けた分を取り戻そうとして大損するといった悪循環に陥ることは避けなければいけません。

余裕資金でトレードをすれば、万が一大きな損失が発生したとしても、生活への影響を抑えることができますし、正しい判断をして利益を上げる機会を逃さないためにも重要なことです。

なお、松井証券では、1通貨単位の少額から取引可能で、余裕資金の範囲内で無理なく始められます。

【関連リンク】業界最小!1通貨単位から取引可能

自動売買機能を利用する

FXのリスクを抑えながら効率的に取引を行う方法の一つに、自動売買機能の活用があります。自動売買とは、あらかじめ設定したルールに従って自動的に取引を行う仕組みです。人間の感情に左右されずに取引できるため、冷静な判断を保つのが難しい相場変動時でも安定した運用が期待できます。

松井証券のFXサービスでは、あらかじめ「注文する値幅」や「注文を仕掛ける範囲(レンジ)」などを設定し、設定したルール通りの注文を繰り返すリピート系の自動売買サービスを提供しており、初心者でも簡単に設定できる仕組みが整っています。

自動売買機能は、忙しくて相場を細かくチェックできない方や、感情的な取引を避けたい方に特に有効です。ただし、設定した条件が相場状況に合わなくなるリスクもあるため、定期的にルールを見直し、必要に応じて調整することが大切です。

【関連リンク】FXの自動売買とは?メリットやデメリット、活用するポイント 【関連リンク】FXサービス 100円から自動売買

マイナーな通貨ペアは取引に慣れてからにする

トルコリラ(TRY)、南アフリカランド(ZAR)、メキシコペソ(MXN)といったマイナー通貨を含む通貨ペアの取引は、FXの取引に慣れてきてからが良いでしょう。

そうした通貨ペアは、短期間に大きな為替差益を得られる、多くのスワップポイントが得やすいといったメリットがある一方で、市場での取引量が少なく、大きな価格変動が起きやすいという特徴があります。

FX初心者には、取引量が多く、売買の成立のしやすさを表す「流動性」が高い「米ドル/円」のトレードがおすすめです。

【関連リンク】スワップポイントとは?仕組みや計算方法、メリットデメリット、運用のポイントをわかりやすく解説 【関連リンク】FX初心者におすすめの通貨ペア3選!通貨の特徴を徹底解説

自分の損切り・利確ルールを厳守する

「損切り」とは、自らポジションを決済し、損失を確定させることを指します。反対に、自らポジションを決済して、利益を確定させるのが「利確」です。

損切りや利確のタイミングを判断するのはFXの上級者でも難しいといわれています。感情に流されてしまって、タイミングを逃してしまい、その結果、損失を大きく広げてしまうこともあるでしょう。

損切りや利確は、機械的に淡々と行うことが理想です。トレードを始める前に、自分なりの損切りや利確のルールを設定しておくと良いでしょう。

【関連リンク】初心者必見!FXの始め方や注意点を具体的に解説!

感情に流されず冷静に取引する

FX取引では、相場の上下に一喜一憂せず、常に冷静な判断を維持することが重要です。価格が急激に変動する場面では、不安や焦りを感じることが多く、「もうこれ以上下がらないだろう」という根拠のない期待で損切りを遅らせたり、「もっと上がるはず」と欲を出して利益確定のタイミングを逃したりするケースが少なくありません。

感情的な売買は判断ミスを招き、損失につながる可能性が高いと言えます。事前に決めたルールに従って機械的に取引を行うことがリスク軽減につながるということを覚えておきましょう。

レバレッジや取引数量に注意する

FXのリスクを軽減するには、取引数量を増やしすぎないよう注意が必要です。取引数量が増え、レバレッジが高くなると、わずかな相場の変動でも大きな損失を被るリスクが高まります。場合によってはロスカットが発生し、意図しない損失につながることもあります。

そのため、特に初心者のうちは、小さな金額からなるべくレバレッジを抑えた取引を心がけることが大切です。レバレッジは資金効率を高められるという点で、FXの大きな魅力の一つですが、相場の値動きに慣れるまでは無理な取引は避け、損失を最小限に抑える運用を意識しましょう。

「FXはやめとけ」と言われることがあるが正しい知識で対処可能

「FXはやめとけ」という意見は、FXに潜むリスクを過度に強調したものに過ぎません。確かにFXでは損失を出すリスクが伴いますが、リスクを正しく理解し、適切な対策を講じれば十分にコントロールできるものです。

初心者の方は「余裕資金で取引をする」「損切り・利確のルールを守る」「適切なレバレッジで取引する」といったポイントを意識し、リスクを抑えた取引を目指しましょう。

<監修者>

木村佳子

<プロフィール>

一級FP技能士(国家資格)。NPO法人 日本FP協会上級資格CFP。IFTA国際テクニカルアナリスト連盟最上位資格MFTA®の日本で最初の女性取得者。早稲田大学大学院ファイナンス研究科専門職MBAファイナンス修士。日本ベンチャー学会。日本IR学会。生活経済学会。消費者行動学会正会員。YouTube 「木村佳子チャンネル」で資産運用情報を発信中。

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