貸株サービス 取引ルール

1.貸株口座開設基準

2020年9月25日夕方以降に証券口座の開設申込をされたお客様は、同時に貸株口座の開設申込もされています。その場合の権利取得設定に関しては「権利取得優先」があらかじめ設定されています。

2.手数料

利用手数料は無料です。

3.サービス時間

貸し出しは、貸出設定の内容に応じて自動で行われます。
貸出設定は、次のデータ一括処理時間(夕方、夜間、早朝)を除いて変更できます。(※)

夕方データ一括処理時間 … 15:30頃~17:00頃
夜間データ一括処理時間 … 02:15~03:15頃
早朝データ一括処理時間 … 06:00~06:30の一部の時間帯

  • 権利確定日を迎える銘柄は、権利付最終日の6営業日前の引け後から当日の引け後までの間、貸出設定の変更が制限されます。詳細は「8.権利確定日および貸出停止の取扱い」をご確認ください。

4.取扱銘柄

以下を除く各市場に上場する国内株式や上場投資信託等のうち、当社が指定する銘柄が対象です。

  • 松井証券(8628)
  • 外国株(国内取引所上場ETF含む)
  • インフラファンド
  • ベンチャーファンド
  • ETN(上場投資証券)
  • 単元未満株
  • その他、現物取引の非取扱銘柄

5.貸出・返却設定

貸出設定は、お客様サイト(クラシック/日本株)【日本株】-【現物売】の「貸株設定状況」ボタンまたはお客様サイト【株式取引】-【貸株サービス】で確認できます。当日の貸出数量は、現在保有している数量と貸出設定の設定内容から、夕方のデータ一括処理にて決定します。

貸出設定には、各銘柄に共通して適用する「基本設定」と、銘柄ごとに適用する「銘柄別設定」の2つの設定方法があります。「基本設定」では権利取得設定(貸株金利優先、株主優待優先、権利取得優先)を、「銘柄別設定」では銘柄ごとの権利取得設定と貸出数量をそれぞれ設定できます。

貸出中の銘柄の返却設定は、銘柄別設定で「全部貸し出さない」または「一部貸し出さない」と設定することで返却が行われます。

基本設定

貸株対象となっている各銘柄に共通して適用する設定方法です。権利確定日での取扱いを指定する権利取得設定を設定できます。
<初期設定>
証券口座と同時に貸株口座を開設された場合は「権利取得優先」があらかじめ設定されています。それ以外の場合は、貸株口座開設のお手続きの中で権利取得設定を選択することができます。以降、貸株の対象銘柄を買付・入庫等された場合は初期の設定が適用されますが、口座開設後も変更できます。変更された権利取得設定は、毎月第1営業日の夜間データ一括処理にて適用します。

権利取得設定は次の中から選択できます。

貸株金利優先 貸株金利の取得を優先し、権利確定日も貸し出しを続けます。株主優待等の株主の権利は得られません。配当金は貸株配当金相当額(配当金から所得税15.315%を除いた84.685%分※)としてお支払いします。
株主優待優先 株主優待の取得を優先し、株主優待がある銘柄の場合、すべての権利確定日に全数量を一旦返却します。返却された期間は貸株金利が得られません。
株主優待がない銘柄の場合は貸し出しを続けますが、その場合、株主の権利は得られません。
権利取得優先 株主の権利取得を優先し、株主優待がない銘柄であっても、すべての権利確定日に全数量を一旦返却します。返却された期間は貸株金利が得られません。
  • 資本払戻の場合(一部資本払戻であれば、その一部に対して)は、全額お支払いします。

銘柄別設定

各銘柄に個別で適用する設定方法です。上記の権利取得設定の他、貸出数量を設定できます。変更された設定は、いずれも毎営業日の引け後、夕方データ一括処理にて適用し、設定日から起算して3営業日目から設定内容に応じて、貸し出しまたは返却が行われます。

  • 貸株口座の開設申込後、貸株口座が開設済になる前でも銘柄別設定は可能です(証券口座と同時に貸株口座を開設された場合は、初回ログイン時以降にお客様サイトから設定が可能です)。新たに株式を買付けした場合は、約定後ただちに設定可能です。
  • 貸株対象外の銘柄も銘柄別設定が可能です。当該銘柄が貸株対象になった場合は、あらかじめ設定していた内容が適用されます。貸株対象外の銘柄は、【貸株設定状況】画面の貸株金利欄がハイフンで表示されます。

貸出数量は次の方法で設定できます。

全部貸し出す 現在保有している全数量を貸し出します。新たに買付けを行った場合、買付け分も自動で貸し出されます。初期設定では、こちらの設定が有効となります。
全部貸し出さない 現在保有している全数量を貸し出しません。新たに買付けを行った場合、買付け分も貸し出されません。こちらの設定では、貸株金利は得られませんので、ご注意ください。
一部貸し出さない 現在保有している数量にかかわらず、貸し出さない数量を直接指定し、その残りを貸し出します。単元未満の数量を設定することはできません。貸出数量を計算する時点で、保有している数量を上回る設定となっていた場合、すべて貸し出されませんので、ご注意ください。

貸出数量の設定により、通常時に貸し出す数量が決定します。権利取得設定は、その数量について権利確定日前に一旦返却するか、貸し出しを続けるかを指定します。組み合せて設定することで、権利にかかわらず常に手元に残しておきたい数量を指定することや、貸株金利と株主優待両方の取得を図ることなどが可能です。

例:銘柄Aを1,000株保有していた場合

貸出数量設定 権利取得設定 通常時 権利確定日前
すべて貸し出す 貸株金利優先 貸出数量:1,000株 貸出数量:1,000株
株主優待優先 貸出数量:1,000株 ・銘柄Aに優待がある場合
貸出数量:0株
・銘柄Aに優待がない場合
貸出数量:1,000株
権利取得優先 貸出数量:1,000株 貸出数量:0株
すべて貸し出さない 貸株金利優先 貸出数量:0株 貸出数量:0株
株主優待優先 貸出数量:0株 貸出数量:0株
権利取得優先 貸出数量:0株 貸出数量:0株
一部貸し出さない(※ここでは300株貸し出さない設定) 貸株金利優先 貸出数量:700株 貸出数量:700株
株主優待優先 貸出数量:700株 ・銘柄Aに優待がある場合
貸出数量:0株
・銘柄Aに優待がない場合
貸出数量:700株
権利取得優先 貸出数量:700株 貸出数量:0株

6.貸株金利の計算方法

貸株金利は銘柄ごとに日々計算を行い、翌月の第1営業日の夜間データ一括処理でまとめて入金します。
金利計算は、受渡が完了している数量が対象となります。
銘柄ごとの金利は、市場の動向から当社の判断により随時変更します。

銘柄ごとの貸株金利の計算方法は、次のとおりです。

貸株金利 日次 受渡ベースの貸出数量 × 当日の評価額 × 銘柄ごとの金利 ÷ 365
  • 小数第3位を四捨五入
月次 日次の計算結果を合計し、1円未満を切り捨て

貸し出しを行ったすべての銘柄の貸株金利を合計した入金額は、お客様サイト(クラシック/日本株)【日本株】-【現物売】-「貸株設定状況」ボタンまたはお客様サイト【日本株】-【貸株サービス】で確認できます。
なお、銘柄ごとの詳細は次の画面でそれぞれ確認できます。

銘柄ごとの詳細 掲載画面
銘柄ごとの入金額 お客様サイト(クラシック/日本株)【貸株レポート】-【貸株金利】
銘柄ごとの貸出数量 お客様サイト(クラシック/日本株)【貸株レポート】-【貸出履歴】またはお客様サイト【貸株サービス】-【貸株レポート】
銘柄ごとの金利 お客様サイト(クラシック/日本株)【貸株設定状況】-【貸株銘柄情報】またはお客様サイト【貸株サービス】-【貸株銘柄情報】
貸株取引の明細(個別取引明細書) お客様サイト(クラシック/日本株)【貸株レポート】-【貸出履歴】またはお客様サイト【貸株サービス】-【貸株レポート】-【貸出履歴】

入金額は翌月の入金予定額から15か月前まで、金利は2営業日後の適用予定から60か月前までの履歴をそれぞれ確認できます。

貸株対象の銘柄を買付けまたは入庫した場合は約定日から起算して3営業日目から、貸出中の銘柄を売却または口座振替・出庫した場合は、受渡日・実行日の前営業日まで、貸株金利の計算が行われます。

7.株式取引等への影響

通常取引による売却

貸株口座を開設し、貸出中となっている銘柄についても制約を受けることなく売却できます。

口座振替・出庫

特定口座から一般口座への振替や、先物・オプション口座への代用有価証券の振替、贈与の申込み等を行う場合は、対象となる銘柄の貸出設定を変更し、貸し出しを停止したうえでお手続きください。
貸株口座が開設済みかつ貸出中の場合、出庫の実行日は、通常より1営業日繰り延べられます。

口座閉鎖

貸株口座の閉鎖は、お客様サイト【口座管理】-【各種口座開設状況】の貸株口座より、お手続きください。貸出中の残高があっても閉鎖できます。その場合、一旦「閉鎖中」の状態となり、貸出中となっていた残高の返却の受渡し(T+2)が完了するとともに「閉鎖済」となります。
未入金の貸株金利や貸株配当金相当額がある場合、貸株口座の開設状況にかかわらず、入金予定日に入金されます。入金されるまでの間、総合口座は閉鎖できません。

8.権利確定日および貸出停止の取扱い

権利確定日前の貸出停止・設定制限

権利確定日を迎える銘柄の場合、権利付最終日の6営業日前の引け後から当日の引け後までの間、貸出設定の変更を制限し、権利付最終日の1営業日前の引け後から当日の引け後までの間、新たな貸し出しを停止します。
貸出設定の変更制限から権利付最終日の制限解除までの流れは、以下のとおりです。

T-6 権利付最終日
6営業日前
以下の貸出設定の変更を制限します。
・「全部貸し出さない」への変更
・「一部貸し出さない」の貸し出さない数量の増加
・「株主優待優先」、「権利取得優先」への変更
T-1 権利付最終日
1営業日前
すべての貸出設定の変更を制限し、新たな貸し出しを停止します。
T 権利付最終日
当日
貸出設定の変更制限を解除します。
  • いずれも引け後の夕方データ一括処理以降

貸し出しを停止している銘柄には【貸停】が表示されます。この状態では、貸出数量設定の設定内容や、新たに買付けた数量等にかかわらず、貸出数量は増えません。

権利取得設定による返却

権利取得設定で「権利取得優先」または「株主優待優先」を設定している場合、権利確定日に受渡しとなるよう権利付最終日に返却します。
権利確定日前後での返却から貸し出しの再開までの流れは、以下のとおりです。

T 権利付最終日 通常の権利や整数倍の分割・併合(※)等の場合、権利確定日に受渡しとなるよう、権利取得設定や株主優待の有無に応じて返却します。
・株主優待がない銘柄:「権利取得優先」の場合
・株主優待がある銘柄:「権利取得優先」または「株主優待優先」の場合
T+1 権利落ち日 効力発生日に受渡しとなるよう、返却した残高の貸し出しを再開します。
T+2 権利確定日 返却した残高の受渡日です。
T+3 効力発生日 貸し出しを再開した残高の受渡日です。貸株金利の計算は、当日から再開します。
  • 併合は、売買単位の変更を伴う単元未満が発生しない場合のみ

銘柄異動による貸出停止・返却

以下の銘柄異動が発生する場合、貸出設定の設定内容にかかわらず、原則公表された段階で新たな貸し出しを停止し、一定期間後に貸株の対象銘柄から除外、返却します。

  • 非整数倍の株式分割、株式併合(※)、有償増資が発生する場合
  • 会社合併、株式交換、株式移転、上場廃止等の理由により、非存続会社となる場合
  • ライツ・オファリング等により、新株予約権が付与される場合
  • 株式併合は、売買単位の変更を伴わない単元未満が発生する場合のみ

その他貸出停止

権利確定日を迎える銘柄や銘柄異動以外にも、当社の判断により貸し出しを停止する場合があります。貸し出しを停止している銘柄には【貸停】が表示されます。この状態では、貸出数量設定の設定内容や、新たに買付けた数量等にかかわらず、貸出数量は増えません。

9.税金

貸株サービスによって得られる貸株金利、ならびに権利確定日に貸し出しを続けて配当金の代わりに受け取る貸株配当金相当額は、いずれも雑所得として課税の対象となるため、確定申告が必要な場合があります。詳細は所轄の税務署へご確認ください。

ご注意

取扱銘柄

  • 貸株サービスで貸し出すことができるのは、特定口座、一般口座の残高のみです。NISA口座(旧NISA含む)、ジュニアNISA口座(課税ジュニアNISA含む)の残高は貸株の対象外です。

貸出・返却設定

  • 基本設定の変更が適用される対象は、現在の基本設定と同一かつ適用日当日に銘柄別設定の権利取得設定を変更していない銘柄となります。銘柄別設定により既に基本設定とは異なる権利取得設定を設定している銘柄や、適用日当日に銘柄別設定で基本設定と同一の権利取得設定に変更した銘柄は適用の対象外となります。
  • 翌月適用される権利取得設定は随時変更できますが、その変更予定が実際に適用されるのは、月に一度のみとなります。当月中に権利確定日を迎える銘柄の場合、変更内容が適用されるのは権利確定日の後となります。なお、銘柄別設定の権利取得設定であれば、変更が制限される権利付最終日の6営業日前の引け後から当日の引け後までの間を除いて、翌営業日に適用されます。当月中に権利確定日を迎える銘柄の権利取得設定を変更する場合はこちらをご利用ください。
  • 貸出中の銘柄を全株数売却または出庫等された後に再度買付または入庫等された場合、それまでに設定していた銘柄別設定の内容は無効となり、その時点での基本設定が適用されますので、必要に応じて設定変更をお願いします。
  • 権利確定日に貸し出しを行っていた場合、原則株主名簿には登録されませんので、株主優待の取得や株主総会への出席、議決権の行使等、株主としてのあらゆる権利を得ることができません。
  • 貸株の対象銘柄の貸し出しを行う場合、少数株主権等の行使や長期保有株主向けの優待など、株式等の継続的な保有を条件とした権利も取得、行使できなくなる場合があります。
  • 臨時株主総会の開催等により、決算日以外にも株主名簿へ登録され、株主が確定する場合があります。発行会社によっては、こちらも長期保有株主の条件に含める場合がありますので、継続的な保有の定義については、それぞれの発行会社へご確認ください。
  • 株主優待の有無は、株式会社QUICKの情報をもとに判定しています。こちらに含まれていない株主優待や、保有期間・数量等の取得条件については、権利取得設定の「株主優待優先」による返却の対象外となります。仮に含まれている場合であっても、発行会社の都合等により予告なく変更される場合があります。また、株主優待の権利確定月が「毎月」、「随時」となっている銘柄の場合も、返却の対象外となります。
  • 大量保有報告書を提出している銘柄について貸出・返却を行う場合、「当該株券等に関する担保契約等重要な契約」欄に必要事項を記載した変更報告書を提出する義務が生じる場合があります。
  • 口座開設完了後、保有している貸株対象銘柄は、口座開設時に「貸株口座開設基本設定」で指定した権利取得設定で、自動的に全数量が貸し出されます。貸し出しを希望しない銘柄がある場合は、開設申込後に銘柄別設定を行う必要があります。なお、貸株対象銘柄であっても、当社が貸し出しを停止し、【貸停】と表示されている銘柄について、貸し出しは行われません。
  • 貸株対象銘柄であっても貸株市場の需給の状況や当社が必要と判断した場合、貸し出しを行わないことがあります。貸株サービス利用中の場合、対象銘柄を自動的に返却します。

貸株金利の計算方法

  • お客様サイト(クラシック)【貸株レポート】-【貸株金利】またはお客様サイト【貸株サービス】-【貸株レポート】-【貸株金利】には、実際に入金のある銘柄と金額が表示されます。貸株金利の月間の合計が1円に満たない銘柄や金額については、同じ画面から出力できるCSVファイルにてご確認ください。

権利確定日および貸出停止の取扱い

  • 貸し出しが継続可能な整数倍の株式分割や併合等が発生しても原則貸出数量設定は変更されません。「一部貸し出さない」の設定数量も増減しませんので、必要に応じて設定変更をお願いします。
  • 売買単位の変更が発生する場合は、現在の設定内容にかかわらず、一律「全部貸し出す」に変更されますので、必要に応じて設定変更をお願いします。

リスクおよび手数料などについて