IPOとは?POとの違いやIPO投資のメリット、注意点
2024/6/6
IPO投資は、上場直後や長期的な値上がりへの期待から、多くの投資家に注目されています。しかし、名前だけは聞いたことがあるものの、どんなメリットがあるのか、どうやったら投資できるのか、イメージがわかない人も多いかもしれません。
本記事ではIPOの基本的な定義やIPO投資のメリット・注意点などを詳しく解説します。株式投資に興味のある投資初心者の方は参考にしてください。
IPOとは?
まずはIPOの意味やIPOまでの流れ、よく似た言葉であるPOとの違いなど、基本的な知識を確認しておきましょう。
IPOの意味
IPO(新規公開株式)とは「Initial Public Offering」の頭文字を取ったもので、新たに証券取引所に上場し、一般の投資家が自由に売買できるようになることを指します。
未上場の段階で企業の株式を購入するためには、株の所有者と直接取引をしなければなりません。そのため、株式を購入できるのは、役員や役員の家族など必然的に少数の人に限られます。一方、IPOをすれば、証券取引所を通じて、証券口座を持つ多くの人が株式を取引できるようになるわけです。
IPOは新規で株式を発行する「公募」と、すでに発行済みの株式を売却する「売り出し」のどちらかの方法で行われます。企業の上場が承認されると、主幹事証券会社が公募価格や売り出し価格を決定します。
主幹事証券会社とは、上場や株式公開に向けたさまざまな手続きに関して、中心的な役割を担う証券会社です。
主幹事証券会社は、機関投資家の意見をもとに仮条件を設定し、その仮条件をもとに購入希望者から希望株数や価格を募り、最終的な公募価格を決定する流れが一般的となっています。
POとの違い
PO(Public Offering)とは「公募増資」のことです。IPOとPOの違いは、 IPOが新規で証券取引所に上場して株式を公開するのに対して、POはすでに証券取引所に上場している企業が、追加の資金調達を目的として、新たな株式を発行する点にあります。なお、企業がすでに保有する株式を売り出すこともPOに含まれます。
IPO投資のメリット
新規公開株に投資することを「IPO投資」と呼びます。IPO投資には、手数料や収益性など、さまざまなメリットがあります。
買付時の取引手数料が無料になる
一般的に証券会社を通じて株式の売買をする際は、手数料がかかります。取引する金額に応じて手数料が設定されているケースが多いため、高額の取引をする場合は手数料の負担が重くなることもあるでしょう。
一方、IPO投資では、抽選に当選した場合、買付け金額にかかわらず購入時の手数料はかかりません。売却時の手数料は証券会社によりますが、松井証券では1日50万円以下の取引にかかる手数料は無料であるほか、NISA口座で購入した場合は購入時だけでなく売却時の手数料も無料です。
成長が期待される企業への投資ができる
IPO投資では、今後の成長が期待される企業へ投資できる点がメリットです。
IPOをする際は幹事会社による審査が行われますが、その際に財務状況や企業の収益性や健全性など、さまざまな基準を満たす必要があります。そのため、IPO投資をすることで、安定した経営が行われている企業や、持続的な成長が期待される企業に投資すると考えることもできます。
長期的に見れば、新興企業の場合は、株価が数倍になる可能性もゼロではありません。数十年先を見据えながら、企業の成長に投資したい人にとって、IPO投資は大きなメリットがあります。
初値が公開価格を上回る可能性がある
IPOでは証券会社への上場前に抽選で購入者を募り、投資家は「公開価格」でIPO株を購入します。抽選で購入できなかった投資家が上場日に買い注文を出すことなどから、初値(新規上場後に最初に取引が成立した値段)が公開価格を上回ることがあるのです。
例えば、2018年4月20日に上場した「HEROZ」のケースでは、公募価格4,500円を大きく上回る49,000円の初値がつきました。公開価格で100株購入した後に初値で売却した場合、445万円の利益となります。
IPO株を公開価格で購入し、初値で売却することで、投資初心者でも短期的な利益を狙える可能性があります。
IPO投資の注意点
IPO投資には多くのメリットがありますが、抽選があるため必ずしも購入できるとは限らない点や、一般的な投資と同様に損失を出す可能性がある点には注意が必要です。
購入するには抽選に当たる必要がある
IPO株は、証券会社ごとに一定数が割り当てられます。主幹事証券会社に多くの株数が割り当てられる傾向があります。購入希望者が多数になった場合は、各証券会社が抽選を行い、当選した場合のみ購入可能です。人気の銘柄ほど応募数が多くなり、購入できない可能性も高くなる点には注意しましょう。
IPOの抽選方法は証券会社によって異なり、申込株数に応じて当選確率が変化する場合や、一人一票で平等に抽選を行うケースなどがあります。
株価の下落の可能性がある
IPO株の初値は公開価格よりも高くなる傾向にありますが、人気のない銘柄の場合は、初値が公開価格を下回るケースもあります。IPO株を公開価格で購入できたとしても、購入時よりも株価が下がった状態で売却すると、損失が出る可能性があるため注意が必要です。
また、IPO株を初値がついた後に購入し、売却した場合も損失を出してしまう可能性があります。なぜなら、上場直後は相場が大きく乱高下し、価格の方向性を予測しにくくなる傾向があるからです。
初値がついた後にIPO株を購入する際は、やみくもに手を出すことは控え、事前にどのくらいの業績が見込めるのか、銘柄の評価についての情報収集を行ってから購入することを心がけましょう。
抽選の間の資金が拘束される
証券会社の中には、抽選に参加するために、購入資金相当額を証券口座に入金しておかなければならないケースもあります。この場合、抽選が終わるまでは資金を動かせなくなるため、複数のIPOの抽選に参加するためにはそれだけ多くの資金を用意しなければなりません。また、他の銘柄に投資する資金も限られるため、機会損失につながってしまう可能性もあります。
なお、松井証券では、IPOの抽選に参加する際の事前入金は不要です。当選確認後、購入申込期間最終日の15:30までに入金し、購入申し込み手続きをすれば、IPO株を購入できます。IPOにおいては、同一の銘柄に対して複数の証券会社から抽選の申し込みも可能なため少ない資金でなるべく多く抽選に参加する機会を得たい場合は、当選後に資金を用意すれば良い松井証券の口座開設を検討してみましょう。
IPO投資に関するよくある質問
IPO投資に関するよくある質問をまとめました。IPO投資を始める前に疑問点を解消しておきましょう。
IPO投資のチャンスは一年に何回ある?
IPO投資は、抽選に当選できた回数だけ、チャンスがあるといって良いでしょう。証券会社によってIPOの取扱数は異なるため、取り扱い数が多い証券会社で口座開設し、なるべく抽選機会を増やすことが重要です。
2023年は市場全体で92社のIPOが実施されましたが、松井証券では業界2位の70社を取り扱っています。
IPOの最低資金はいくらですか?
IPO投資に必要な資金は上場される株式の公募価格によって異なります。例えば、公募価格が3,000円であれば、3,000円×100株=30万円を用意する必要があります。
IPOの公募価格は「ブックビルディング方式」によって決定されるケースが一般的です。ブックビルディング方式では、機関投資家の意見を参考にして「仮条件」とよばれる、公募価格の値幅が決定されます。その後、一般投資家が仮条件の範囲内で購入希望価格と希望株数を決定し、その結果に基づいて証券会社が公募価格を決定する流れです。
IPO投資で税金はいくらかかりますか?
IPO投資で得た利益に応じて課税額が決まります。通常の株式取引と同様に、基本的には所得税と住民税、復興特別所得税合計で20.315%の税金がかかります。
「源泉徴収なし」の特定口座では確定申告が必要ですが、「源泉徴収あり」の特定口座なら確定申告は不要です。また、NISA口座を活用し、成長投資枠の非課税枠の範囲内でIPO投資をした場合は、どんなに利益が出たとしても、非課税になります。
IPO投資を始めるなら松井証券での口座開設がおすすめ
IPOとは、未上場企業が初めて株式を公開し、一般投資家が自由に売買できるようになることを指します。IPO投資には、成長が期待できる企業に投資できる、初値が公開価格を上回る可能性があるといったメリットがあり、初心者でも大きな値上がりに期待できる可能性があります。
一方で、IPO株を購入するためには、まずは抽選に参加しなければなりません。より多くの抽選機会を得たい人は、IPOの取扱実績が豊富で、抽選参加時の入金が不要な松井証券での口座開設を検討してみましょう。