TOPIXとは?日経平均株価との違い|計算方法や構成銘柄、活用する方法
2024/8/9
投資経験が少ない人でも、「TOPIX(トピックス)」という言葉を一度は耳にしたことがあるでしょう。TOPIXは日本国内の株式市場の値動きを表す、代表的な株価指数の一つです。
しかし、具体的な用語の意味や活用方法についてはあまりよくわからないという方もいるでしょう。また「日経平均株価」とは何が違うのか、気になっている人もいるはずです。
本記事では、TOPIXの基本知識や日経平均株価との違い、活用法などを初心者にもわかりやすく解説します。
TOPIX(東証株価指数)とは?
TOPIX(東証株価指数)とは、「Tokyo Stock Price Index」の略で、日本の株式市場全体を把握するために用いられる、代表的な株価指数の一つです。基準日となる1968年1月4日の時価総額(8兆6,020億5,695万1,154円)を100として、現在の時価総額を指数化しています。
従来は東証1部上場の全銘柄を対象として算出・公表されていましたが、2022年4月の東京証券取引所の再編に伴い、基本的にはプライム市場の銘柄が選出されています。
ただし、現在は旧市場区分からの移行期間中であるため、プライム、グロース、スタンダードの区分に関わらず、旧東証1部上場銘柄で、流通株式時価総額100億円未満の銘柄も含まれていますが、2025年1月末までの間に段階的に除外されていく仕組みになっています。
TOPIXは株式市場のベンチマークとして多く利用されています。ベンチマークとは、投資信託のインデックスファンドなどが運用成果の目安としている指標のことです。例えば、TOPIXをベンチマークとするインデックスファンドであれば、TOPIXに連動する形で基準価額が変動する傾向にあります。
TOPIXと日経平均株価との違い
TOPIX | 日経平均株価 | |
---|---|---|
算出元 | 東京証券取引所 | 日本経済新聞社 |
対象 | 継続:市場編成前の構成銘柄は継続採用 新規:プライム市場に新規上場する銘柄 |
プライム市場の中で選出された225銘柄 |
銘柄数 | 2,137銘柄 (2024年6月末時点) |
225銘柄 |
表示単位 | ポイント | 円・銭 |
算出方法 | 浮動株時価総額加重型 | 株価平均型 |
TOPIXと日経平均株価(日経225)は、構成銘柄や算出方法に大きな違いがあります。
TOPIXは上場銘柄の多くを含む、2,137銘柄で構成されているのに対して、日経平均株価はプライム市場の中から選ばれた225銘柄で構成されています。そのため、TOPIXの方が日経平均株価よりも、日本国内の株式市場全体の動きを反映しているといえるでしょう。
またTOPIX は各銘柄の時価総額に重み付けをした上で平均値を算出します。一方、日経平均株価は、各銘柄の株価の水準を調整した上で、一定の序数で割って求めます。基本的には株価が高い銘柄(値がさ株)の影響を受けやすくなるのが特徴です。
なお、S&P500やNASDAQ総合指数などの米国株の株価指数についても、TOPIX同様に時価総額加重型で算出しています。
TOPIXの計算方法
TOPIXは(算出時点の構成銘柄の時価総額÷基準時価総額)×100で計算できます。
算出時点の構成銘柄の時価総額は、算出時点での株価×各銘柄の浮動株比率×キャップ調整係数で求めることが可能です。浮動株比率とは、発行済み株式総数のうち、実際に市場で売買される可能性が高い株式の割合を指します。また、キャップ調整係数は、一部の構成銘柄の比率が高くなりすぎないよう、設けられている係数です。
TOPIXの構成銘柄
- TOPIXの上位10銘柄 (2024年6月28日時点)
銘柄名 | 業種 | 構成比率 | 時価総額(2024年6月28日時点) |
---|---|---|---|
トヨタ自動車 | 輸送用機器 | 4.43 % | 52兆4,235億円 |
三菱UFJフィナンシャル・グループ | 銀行業 | 2.63% | 22兆4,114億円 |
ソニーグループ | 電気機器 | 2.42% | 17兆4,619億円 |
日立製作所 | 電気機器 | 2.21% | 17兆1,970億円 |
三井住友フィナンシャルグループ | 銀行業 | 1.87% | 17兆1,532億円 |
東京エレクトロン | 電気機器 | 1.87% | 17兆9,811億円 |
キーエンス | 電子機器 | 1.79% | 15兆20億円 |
三菱商事 | 卸売業 | 1.62% | 14兆7,087億円 |
リクルートホールディングス | サービス業 | 1.61% | 14兆1,501億円 |
三井物産 | 卸売業 | 1.47% | 11兆6,493億円 |
TOPIXの構成銘柄は、大型株から中小型株まで多様な業種の幅広い銘柄が含まれています。上記の表からもわかるように、時価総額が大きく、日本を代表する大型株の銘柄が構成比率の上位を占めているのが特徴です。
投資におけるTOPIXの活用法
TOPIXの見方や計算方法だけではなく、実際の相場での活用方法も知っておくと、投資戦略の幅が広がるかもしれません。
マーケットのベンチマークとして利用する
TOPIX(東証株価指数)は、日本の株式市場全体の動向を反映するため、投資家にとって重要なベンチマークの一つです。自身のポートフォリオの評価損益を市場全体の動向と比較することで、相対的なパフォーマンスの確認ができます。TOPIXの動きと自分の投資成果を照らし合わせることで、投資戦略を修正しやすくなるでしょう。
セクター分析の指標にする
TOPIXは、市場全体の動向だけではなく、セクター別の動向を分析する際にも役立ちます。TOPIXの動きと業種別株価指数の動きを比較で、特定のセクターが市場全体に対してどのようなパフォーマンスを示しているかを確認可能です。
例えば、特定のセクターがTOPIXを上回る成績を示している場合、そのセクターへの投資が有望と判断できるかもしれません。逆に、TOPIXを下回る成績のセクターは、リスクを再評価する必要があるでしょう。
分散投資の手段の一つにする
日本株に投資したいがどの銘柄を選べば良いかわからない人や、なるべくリスクを抑えて投資したい人は、投資信託やETFを活用してTOPIXに投資するのも一つの手です。
投資信託は、投資家から集めた資金をひとまとめにして専門家が株式や債券などで運用する商品です。金融商品取引所に上場している投資信託はETFと呼ばれます。
TOPIXをベンチマークとする投資信託やETFに投資すれば、日本国内の幅広い銘柄に分散投資するのと同じような効果を得られるでしょう。分散投資をすると一つの銘柄が大きく値下がりしたとしても、ほかの銘柄の値上がり分でカバーできる可能性があるため、資産ポートフォリオ全体の価格変動リスクを低減する効果に期待できます。
「TOPIXとは多くの投資家が注目している株価指数」
TOPIX(東証株価指数)は、時価総額加重型で算出する、日本の株式市場全体を把握するための代表的な株価指数です。構成銘柄が多岐にわたり、より市場全体の動きを反映している点が日経平均株価との大きな違いであり、多くの投資家から注目されています。
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