JPX日経インデックス400(JPX日経400)とは?構成銘柄や投資するメリット、デメリットを解説
日経平均やTOPIXなど、株価指数は数多く存在しますが、「何を参考にすれば良いかわからない」と感じる投資初心者の方は少なくありません。
そんな方にぜひ知っておいていただきたいのが「JPX日経インデックス400(JPX日経400)」です。この指数は、株価だけでなく財務の健全性やガバナンスといった企業の中身にも注目して構成されています。
JPX日経インデックス400の基本的な特徴や、同指数に連動する商品に投資する際のメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
JPX日経インデックス400とは?
JPX日経インデックス400は、日本取引所グループ(JPX)と日本経済新聞社が共同で開発した株価指数です。
「JPX日経400」や「JPX400」とも呼ばれ、企業の財務の健全性や資本効率(ROE)などに優れた持続的な成長が期待でき、基本的には投資家にとって魅力的な企業400社で構成されています。
※構成銘柄は上場廃止や合併などにより変動することがあります。2025年7月時点では395社で構成されています。
TOPIXや日経平均株価(日経225)との比較
JPX日経インデックス400は、ROEや営業利益、時価総額といった財務指標や、ガバナンス体制などをスコアリングして構成銘柄が決定される点が大きな特徴です。
一方、TOPIXは東証プライム市場の銘柄を中心に構成されています。時価総額に重みづけをして平均値を算出するため、時価総額の大きい大型株の影響を受けやすいのが特徴です。
日経平均株価は、日本経済新聞社が選定した225銘柄で構成されています。株価平均型指数として知られており、株価の高い銘柄の影響を受けやすい点が大きな特徴です。
JPX日経インデックス400 | TOPIX | 日経平均株価 | |
---|---|---|---|
主な特徴 | 財務やガバナンスを評価し選定 | 市場全体の動向を反映 | 老舗企業や業界を代表する企業が中心 |
銘柄数 | 400銘柄 | 約1,700銘柄(東証プライム全体) | 225銘柄 |
対象市場 | 東証プライム、スタンダード、グロース | 東証プライム全体 | 東証プライムの代表銘柄 |
選定基準 | ROE、営業利益、ガバナンス体制等を重視 | 上場基準を満たしたすべての企業 | 市場流動性とセクター分類のバランス |
ウェイト算出方法 | 浮動株調整後の時価総額加重型 | 浮動株調整後の時価総額加重型 | 株価平均型 |
見直し頻度 | 年1回 | なし | 不定期 |
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JPX日経インデックス400の選定基準
東証プライム・スタンダード・グロース市場に上場する企業のうち、経営状況や一定の流動性、財務健全性などに関する一定の基準を満たした企業が選定されています。
具体的には以下の手順で選定を行います。
1.スクリーニング
2.定量的な指標によるスコアリング
3.定性的な要素による加点
4.構成銘柄の決定
スクリーニングでは、上場後3年未満や債務超過・赤字の企業、整理銘柄等を除いた上で、直近3年の売買代金や時価総額から上位1000銘柄を絞り込みます。
スクリーニングされた銘柄は、3年平均ROE・3年累積営業利益・時価総額に基づいたスコアリングが行われます(ウェイトは40%、40%、20%)。
さらに、社外取締役や女性役員の有無、IFRS採用、英文開示などのガバナンス要素で加点評価が行われ、最終的にスコアが上位の400銘柄を選定し、構成銘柄が決定されます。
JPX日経インデックス400の選定基準の詳細は、こちらを参照してください。
JPX日経インデックス400の入れ替え頻度
JPX日経インデックス400の構成銘柄は、企業の財務指標やガバナンス状況の変化に応じて、年1回(8月最終営業日)銘柄の入れ替えが実施されています。これにより、指数の質を維持・向上させ、常に「投資家にとって魅力的な企業」が組み込まれるように工夫されています。
JPX日経インデックス400の構成銘柄
JPX日経インデックス400の構成銘柄やそれぞれの累積採用回数は、日本取引所グループのウェブサイトで確認できます。
どんなにウェイトの大きい銘柄も、最大で構成銘柄全体の1.5%になるように調整されています。
JPX日経インデックス400に投資するには?
JPX日経インデックス400に連動する投資信託やETF(上場投資信託)を購入すると、この指数を構成する多数の企業に分散投資できます。
ETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買でき、売買の柔軟性が高いのが特徴です。一方、投資信託はつみたて投資枠に対応している商品もあり、少額からの積立投資に向いているという違いがあります。
指数に連動する成果を目指す「インデックスファンド」を選べば、信託報酬が抑えられることが多いため、長期で運用した際のコスト負担も軽減できます。
JPX日経インデックス400に投資するメリットとデメリット
JPX日経インデックス400は投資対象として魅力的な指数ではあるものの、必ずしも利益につながるとは限りません。投資手法に合わせて活用方法を考えてみましょう。
JPX日経インデックス400に投資するメリット
JPX日経インデックス400は、収益力やガバナンスに優れた会社が厳選されているため、自然と収益性や資本効率の高い優良企業に投資ができる点がメリットです。構成銘柄は毎年8月末に入れ替えが行われるため、市場の変化に合わせた質の高いポートフォリオを維持できます。
「どの株を買えば良いかわからない」「個別株はリスクが高そう」と感じる初心者は、JPX日経インデックス400に連動するETFや投資信託を選んでみるのもひとつの手です。
JPX日経インデックス400に投資するデメリット
JPX日経インデックス400の選定基準は厳格であるため、急成長中のベンチャー企業や新興市場の銘柄は対象外となりやすく、成長性を重視する投資スタンスの方には合わない場合があります。
また、JPX日経インデックス400自体の知名度は、TOPIXや日経平均株価などの指数に及ばないため、ETFや投資信託の中には取引量が少ないものもあります。取引量の少ない銘柄を選ぶと希望した価格での売買が難しくなる可能性もあるため注意が必要です。
【関連リンク】グロース株とは?バリュー株との違いや見つけ方JPX日経インデックス400の特性を理解して優良企業に投資してみよう
JPX日経インデックス400は、財務健全性やコーポレートガバナンスを重視して選ばれた400社で構成される株価指数です。TOPIXや日経平均株価とは異なり、企業の「質」に焦点を当てた選定基準が特徴で、毎年構成銘柄の見直しが行われます。
JPX日経インデックス400に連動するETFや投資信託を購入すれば、手軽に優良企業への分散投資ができます。一方で、成長企業が対象外になりやすいという側面もあるため、投資目標や投資手法に合わせて活用を検討しましょう。